東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん、ちょっと最近、ここ年末ぐらいから、タイに対して少しご相談が、主に輸出でやろうとしているところなんですけど、少しちょくちょくあるんですけども。意外と、分からないですけど、リスナーさんの感覚だと「タイは近代化しているし、意外と簡単なんじゃない?」という、ほかの国、インドネシアとか、例えばフィリピンとかに比べると。
森辺:ASEANの中ではね。VIPに比べたらね。
東:はい。という感覚をたぶん持っている方が大半だとは思うんですけど。実際どうなのかなとか、どういう悩みを持っているのかなっていうのは、あまりたぶん、今直面している方もいれば、そうじゃない方もいますけども、ちょっと共有までに、どういう感じなのかというのを。
森辺:ASEAN市場を切り分けたときに、SMTとVIPとメコン経済圏とってあったときに、メコンは置いておいたとして、VIPのほうは、VIPのほう、ベトナム、インドネシア、フィリピンはどちらかと言うと、伝統小売での勝負が勝敗を決めるみたいなところがあるじゃないですか。
東:うんうん…。
森辺:だから、輸出でいきなりやるにはなかなかハードルの高い国であるということを考えると、やっぱりSMTになってくるよねと。そんな中、シンガポールはね、ある程度あれだったとしても、タイって非常に大きいし、親日だし、非常にうまみのある市場ですと。もちろん現産現販というか、アジア圏内でつくったものをタイで売るとか、タイでつくったものをタイで売るという現産現販ビジネスというものもそうなんだけども、輸出でも十分うまみのある市場であるということは1つありますねと。多くの日本企業が進出している国であると。ただ、今言っているのは消費財の話だよね?
東:そうですね。
森辺:FMCG、消費財、食品とか、菓子とか、飲料とか、何でもいいんですけど、文具でも日用品でもいいんですけど、そういう中で言うと、基本的に輸出の企業で結構苦労している会社が多いんじゃないかなと。もちろんね、現産現販の企業はまた別のステージで苦労しているみたいだけども。
東:そうですね。別の悩みがあるでしょうね。
森辺:われわれが最近いろんなお問い合わせだったり、お客さまを見ていると、輸出で苦労しているというのがちょっと多いのかなと。
東:それって具体的に、なぜそう苦労しているのかとか、限られた中でですけども、一般的にはどういったことで苦労している企業さんがB2Cで多いんですかね?
森辺:輸出でやるということは、ディストリビューターを立てるということになるじゃないですか。
東:はい。
森辺:結構、日本企業の課題としてずっとあるのが、「誰に売るか」ということよりも「誰と売るか」ということのほうに先に戦略上専念をしてしまうので、本来は消費者が一番重要だし、消費者に直販するわけではないので、「どの小売で売るか」ということはすごい重要になってくるわけじゃないですか。なんですけど、基本的に「どの小売で売るか」というところはぼんやりしたまま、「どのディストリビューターと売るか」みたいなので決めていっちゃうんですよね。なので、かなりディストリビューター頼りで戦略を推進していくという前提がまずあって。うまく売れていくと、別にそれはそれで何の問題も顕在化しないんだけども、大概の場合うまく売れていかないのでね。そうすると、なぜうまく売れていかないのかというところは、メーカー側としてはイマイチ腑に落ちないみたいなところになるんですね。それを、何だろうな、ディストリビューターと話をしていても、たぶんずっと腑に落ちないので、もっと具体的な要因を探っていこうと思うと、小売とか消費者に近いところに行かないといけないわけなんだけども、なかなかそこに行き着かない。そこでやっぱり大きな1つの、何だろう…。
東:課題。
森辺:課題が出てくるんじゃないかなと思いますけどね。
東:なるほど。では、ちょっと今日はお時間が来たので、ここまでにして、また次回続きをお願いいたします。
森辺:はい。
東:森辺さん、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。