森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。今日も引き続き、アジア新興国市場に展開する上で重要なことについてお話をしていきたいと思います。
今日のお話なんですけども、何を話そうかな。今日はね、ものすごく重要なこと、販売チャネルについてお話をしたいなというふうに思います。この販売チャネルなんですけど、多くの日本企業はまだまだ改善点があって、実はこの販売チャネルをチューニングするだけで、売上だったりシェアを格段に伸ばせる可能性、伸びしろというのはまだまだあるんですよね。逆に言うと、伸びている企業、先進的なグローバル企業と比べて日本企業は販売チャネルが非常に弱い。この販売チャネルの重要性についてお話をしていきたいなというふうに思います。
何が問題かと言うときに、基本的に販売チャネルってマーケティングサイドの話なので、販売サイドの話なので、日本企業の製造業の介在度が弱いケースというのが非常にあって、自分たちはつくるという領域のことに関しては非常に中心的な役割を果たすんですけども、いざ売るというところに関しては、とにかく大きなパートナーを見つけてそこに任せる、委ねるということをずっと長年、アジア新興国でもやってきていて。その関係上、ターゲットもそうですし、販売チャネル、自分たちの販売チャネルは一体どういう販売チャネルなの?と、基本的にはだいたいディストリビューターさんというのが1カ国に1社いたりするわけなんですけども、そこを通じて、その中間流通、B2Bだったらユーザーまで、B2Cだったら小売までの、その流通の間の構造がどうなっているのかということがまったく理解に至っていないと。
自分たちの販売チャネルも具体的に理解していないので、数値で理解していないので、競合の販売チャネルを数値で理解しているかなんて言うと、絶対していないわけですよね。自分たちのチャネルを分かっていない企業が、競合のチャネルを分かっているかと言うと、もちろん分かっていない。結局、主要競合の販売チャネルの配荷力であったり、販売チャネルのセルアウトの力が100だったときに、自分たちってどれぐらいなんだろうというところの基準値もなかなか持ち合わせていない。敵が100で自分たちが50だったら、常に50の差がずっと開き続けているわけですよね、シェアにおいて。そうすると、これが5年10年積み重なってくると、当然シェアはどんどんどんどん開いていくという。こういう構造を理解していないので。基本的にはここが重要になっているわけですね。敵の販売チャネルの戦闘能力を100とした場合に、自分たちがどれだけそこに近付いていけるかということをやらないと、これは100を超えないと永遠に主要競合よりも強いことにはならない。要は主要競合からマーケットシェアを奪い取っていくというのは100を超えて初めてそれができるわけなので、基本的にはそこを目指していかないといけないわけですよね。でも、それに対して圧倒的に販売チャネルが負けていて、何で負けているかと言うと、販売チャネルのディストリビューターの数と質で大いに負けていたり、自分たちの自社のセールスの数と質で負けていたり、ということが非常にあって。もっともっと言うと、全体的な販売戦略のところの構想からやっぱり見直していかなきゃいけなくて、販売戦略があって、じゃあ、自分たちはこういう戦略に基づいて、直販とディストリビューター経由という2軸の販売経路があって、こういうところは直販でやります、こういうところはディストリビューターを使いますという、そういう構想があるわけですね。
このディストリビューターも、ただ任せておいて、じゃあ、売上がうまくいっているときはいいですけども、売上がうまくいっていないときにどうやって対策を打つの?というところになかなか手が及ばなくなってしまっているので、自分たちのターゲットに対して自分たちのディストリビューターがどれぐらいリーチしているのかということをしっかり把握した上で、もしリーチが足りないんだとしたら、他のディストリビューターと地域を分けて併用するということも考えていかないといけない。当然、ディストリビューターは大いに抵抗します。ただ、その抵抗も数カ月なので、それは合理的にどうするべきかということを判断していかないと、口座がないところに口座を取りに行け、つくりに行けと言っても、これは時間のかかる話なので、やっぱりそこはドラスティックに判断をしていかなきゃいけないケースも多々あると。
いずれにせよ、販売チャネルが非常に弱い。具体的には…。そうだ。うちのホームページで販売チャネル診断のページがあるんですけど、そこで「簡単チェック」って無料で自分たちの販売チャネルのどこがどう具体的に弱いの?ということが点数で出る、そんなプログラムを確か無料公開をしているんですよね。この話、確かPodcastでもやりましたかね。なので、ぜひそこで見てもらったら、具体的にどのパートが弱いのかということが把握できると思うので、無料なのでぜひ見てみてください。
なので、販売チャネルが弱いですよと。ここを改善すれば日本企業はまだまだ伸びますよと。本当に弱いので、成人対小学生みたいな、もっとひどいかもしれない。成人対幼稚園ぐらいの戦いを、先進的なグローバル企業と日本の大手の企業では、アジア新興国市場のチャネルだけを見ればやっているので、ぜひ販売チャネルの改善、再構築に務めてもらえたらなというふうに思います。
今日はこれぐらいにして、また皆さん、次回お会いいたしましょう。