森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。今日はね、またグローバル・マーケティングとあまり関係ない話かもしれないけど。でも、たまにはいいのかなと思うんだけども…。
実はね、昨日、昔、この会社を創業したときに、うちでアルバイトをしていた大学生、大学院生かな。どこだったか。横浜国立か、早稲田か、行ってた子なんだけども。その子がアルバイトしに来てくれて、当時、創業1~2年とかそんな感じだったので、僕も前の会社の会長をやりながら、新しい会社、このSPYDERをつくって、人手もない中、東と2人でアルバイトを雇って。昨日聞いたら、「いろんなリストを整理したりとか、いろいろやらされました。文字起こしやってました」とかって言ってたんだけど。彼と久しぶりに、僕ね、この10年間、彼は21歳だったのかな、当時ね、今、31歳って言うから10年間なんだよね。だから、なんかね、10年という中で、ちょいちょい連絡はくれていたんだよね。なぜかうちの会社の近くのマンションに住んでいたりとか。なので、会社の下でたまたま会ったりとかね。あと、メールがポッと来て「今こんなことをやっています」とかっていうのをあれしてくれてて。当時のね、独特な笑い方をするんだけどね、10キロ以上太っていたからね、またちょっと見た目が変わってきたんだけど、あの独特の可愛らしい笑い方は同じでね、その彼とご飯食べて。
彼はね、そのあといろんな仕事をしていて、大手のコンサルファーム中心に。コンサルだよね。うちで働いていたからっていうわけじゃないと思うんだけども、コンサルファームをいろいろ行って。何を言いたいかって言うと、彼はまさにZ世代ということなんだと思うんだけども、働き方がまったく変わったなっていうのが印象で、非常に彼はたぶん同じ年齢の子たちよりも裕福な生活をしていて。今、何をやっているかと言うと、いろんな会社でいろんなコンサルプロジェクトに参加をしているんですよね。だから、フリーで個人事業主になるのかな。もちろん自分の人脈で仕事の話が来るところもあれば、そういういわゆるコンサルばかりが登録をしているところで登録をして、そこにいろんなコンサルプロジェクトが入ってくるので、それをチームメンバーとして参加するみたいのがあるらしいんだけど、そういうところで毎月仕事をしながらやっていると。
彼は、「就職したくない」って言うんだよね。1つの会社に正社員として入るという。僕もすごく話が合ったんだけど、正社員の定義って何なんだろうと思っていて。例えば、大手の会社だと正社員と派遣みたいな。まだまだあるんだよね、派遣は派遣でしょみたいな、派遣にはこういう仕事をさせるみたいなね、正社員はこう、みたいな。なんだけども、そもそもそれって形式の話であって、仕事の内容ってまったく違うから本末転倒というか、この間の回線の、固定電話どうしようみたいな話と一緒なんだけど、「一番重要なことは何なんですか」って考えたときに、そこじゃないよねみたいなね。派遣だろうが正社員だろうが、それは関係ないよねみたいなことを彼は実践していてね。僕はその生き方に、もうこれからはこういう人たちの個の集団みたいなのが集まっていくんだろうなみたいな、そんな感じをすごく感じて。
まさに僕なんかは今のあれで言うと、Web2.0みたいな世界観で生きている人たちですよね。なんだけど、Web3とかDAOみたいなところの世界観で生きている人っていうのは、たぶんそういうふうな感覚になっていくんだろうな、どんどん、とかっていうことを思うと、なんかね、あー、なんか本当に違ったなって。僕の親父の時代はやっぱり1つの会社に勤めあげてなんぼっていう、歯を食いしばって家族のためにみたいな、育児不参加、残業してお給料を1円でも上げて母ちゃんに給料袋を渡すみたいな、そんな昭和の時代とは当然変わってくるよね、みたいなところがあって。何て言ったらいいんだろう、何が言いたいんだろうというあれなんだけど。なんだけど、僕は1つのね、働き方、こんなに変わってきているんだなと思っていて。いや、うちも全部正社員なんですよ。正社員なんだけど、何なの?それっていう。要は、前回も話したかもしれないけど、うちは今、自由出社制度なので、出社しようが出社しまいがどっちでもいいですよと。逆に、兼務も全然いいんじゃないかなと思い始めていて。例えば、3社掛け持ちしたいと、お給料、基本給が1/3になりますと。でも、1/3の時間を使って最大限やりますみたいな。そのあとの残りの2/3はこういうことをやりたい、ああいうことをやりたいと。あくまでそれって使う時間とそれに払われる固定費、固定給と、それからジョブディスクリプションがあって、求めるアウトプット、それに対してパフォーマンスがどうか、上か下かというだけの判断なので、上司がというか、会社がしっかりマネージメントさえできるのであれば、十分そういう働き方って通用するよねと思っていて。それで、例えばうちの会社にはこんな専門性高いのは、この分野の専門性は正直必要ないんだけども、でも、このプロジェクトにおいては半年間必要と。そうなったときに、例えば大手のファームでそういう専門性を持った人がダブルワークでそれをそのプロジェクトに参加してくれる。そしたら、わざわざその分野の専門性を高々6カ月の1プロジェクトのために雇用する必要はないわけなので、そういう意味ではそういう使い方も効率的だし。今までの価値観を本当にぶち壊さないとだめだなということを最近本当にすごく感じるんですよね。ボーッとこのまま行ってるとまずいよねっていう気がね、すごくするんですよね。それは、今、僕らがずっとやり続けてきたことを変えるということではなくてね、やり方の中身の、それをどうやるかという体制の話なんだけども。
彼とそういう話をしてね、すごく刺激になって、嬉しかったですよね。10年前ね、正直、学生のバイトのできることって、まあまあ、当たり前なんだけども、どんなに賢い偏差値の高い大学の子でも、できることってね、ある程度、何だろう、まあね、社会経験ないから当然なんだけど。あの彼がこんなに立派になったんだと思っていて。これからも、もしかしたら仕事で絡んでいくかもしれないし、そんなことを思いながらうれしかったなというのと。
あと、やっぱりね、今までの常識、今までこうだったからこうだよねと、そっちのほうが絶対いいのは分かっているんだよ。分かっているんだけど、今までこうだったから、まあまあこうだよね、みたいなのは、もう本当にやめたほうがよくて。中途半端にそこに付き合っていると、5年後10年後に大きな後悔をするというね、そんな気がしてならなくて。もう僕はね、人にびっくりされようが、少々引かれようが、思いきり振り切って非合理なことを全部消していくということをやっていこうかなと。一方で、人間というのは感情の生き物だから、人の気持ちは大切にしたいななんて思いながら、日々この会社の窓から東京タワーを見ながら悩んでいるという、ここ最近の森辺一樹でございます。
すみません。今日も長くなっちゃいましたね。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。今日も1日良い日でありますように。それでは皆さん、また次回お会いいたしましょう。