森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。今日はターゲティングについてお話をしていきいたいなというふうに思います。
なぜならば、なかなかうまくいかない、アジア新興国市場でうまくいかない企業の戦略を見ていくと、戦略自体のつくり込みが下手なのかとか、まずいのかということよりも、実はターゲットが明確になっていないから戦略がつくり込まれていないというケースが非常に多くて。日本企業というのは決して戦略づくりが下手だとかそういうことではなくて、そもそもターゲットがぼんやりしてしまっているから戦略がぼんやりしているというケースのほうが圧倒的に多くて。先進グローバル企業と日本企業の一番の違いって何かと言うと、彼らはターゲットがめちゃめちゃ明確で、そのブレないターゲットに対して戦略をつくり込んでいくので、当然ながら戦略も非常に明確になるわけですよね。一方で、ターゲットがなんとなくこの辺の層ですということで、もしくは万人に向けてというようなターゲティングをしていると、当然、戦略としてもボワーッとしてきてしまうので、なかなかターゲットに到達できないという、こういうケースをたくさん見てきました。
これはB2Cの製造業でもB2Bの製造業でも両方に言えることで、戦略云々ということよりも、ターゲットをまず明確にする。B2Cであったら、B2Cでアジア新興国ってもう中間層以外にないんですよね、ターゲットって。中間層なのだとしたら、じゃあ、どのエリアに住んでいる中間層なの?という、エリアで出していくということがたぶん一番新興国の場合は重要で。なぜならば、ディストリビューションするのが非常に大変なので。どのエリアの、エリアでドミナントで攻めていくということがまず大変重要だと。どの中間層なの?本来だったら消費者が一番大切なんですけども、その一歩手前の小売。じゃあ、その中間層が商品を購入する小売ってどこなんですかと。フィリピンだったらピュアゴールドなんですか、SMなんですか、ロビンソンズなんですか、何なんですかと。ベトナムだったらウィンマートとどこなんですかと。そこの間口を押さえる。間口を押さえるというのも、そこのメインの棚のカテゴリーの棚のSKUを何SKU押さえていくのかというところまでを明確にする。ここまで押さえられると、このターゲットに到達する。そのときのコストがいくらなのかと、それをペイするためには間口をさらにどこまで伸ばすのかということになってくるので。これは伝統小売も一緒ですよね。何万間口を獲らなきゃいけないのかと。そして、1店舗あたりの売上、日販・週販どれぐらいやらなきゃいけないのかということを明確にしていけるわけなので。ターゲットをやっぱりはっきりさせるということはすごく重要で。中間層ですと。中間層、そして彼らが買い物に行く小売、近代小売はここ、伝統小売はここ。そしたら、もうそこがターゲットなので、そこの棚を何SKU獲るのか、そのために戦略をつくるわけですよね。そこでセルアウトをどれぐらいの頻度でやっていくのか、何回に、5回に1回選ばれるのか、それとも5回に2回選ばれないといけないのか、そのためにどういう戦略をつくればいいのかということを考えていかないといけない、B2Cの場合は。B2Bの場合はインダストリで絞っていくという。どのインダストリ、だいたい4つぐらいの軸に分けて、一番自分たちが攻めるべきインダストリをまず決めて、もうB2Bはバイネームで企業名を明確にして、そのアカウントを獲りにいく。アカウント・ベースド・マーケティングと言いますけど、アカウントを獲りにいくということをやっていく。なので、必ずしも首都がターゲットのエリアになるかといったらそうではなくて、産業集積地が狙うべきターゲットになるので、そういうことを考えていくと。具体的にして、ターゲットを具体的にしていけば、じゃあ、そこに到達するための戦略はどうあるべきなんだということが明確になっていくわけなので。とにかくターゲットをB2CもB2Bも明確にするということが戦略をつくる上では大変重要になってきます。
今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。