森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。今日も前回に引き続き、「強固な販売チャネルに必要な3つのこと」ということでお話をしていきたいと思います。
前回は長かったですね。15分ぐらいお話してしまってすみませんでした。この番組は5分~7分と決めているんですけど、だいぶ長かった…。(笑)長かったですね。
強固な販売チャネル構築に、ちょっと今日はおさらいかなと思っているんですけど、「強固な販売チャネル構築に必要な3つのこと」ということで、3つに分けて、1章2章3章に分けてお話をしますよと。前回、前々回と第1章の「成功の5割を握るのはディストリビューターの選定ですよ」というお話をしていて、今日もこの「成功の5割を握るのはディストリビューターの選定である」というお話の続きをしようと思うんですけども。今日はこの1章のまとめ、「成功の5割を握るディストリビューターの選定」と、前回、前々回お話したことのまとめということでお話をしていきたいなというふうに思うんですが…。
ディストリビューター選びは本当に重要です。ここを間違えると、あとでどれだけ頑張っても、5割を握っちゃっているわけですから、もう取り戻しようがないという。取り戻せても5割なわけですよね。いや、そうじゃないですよね。最初の5割を間違えるとね、あとの5割も間違えちゃうので、取り戻しようがないんですよね。なので、やっぱりこの最初の5割を握るということはすごく重要で、そこをもう1回ちょっとおさらいをしたいと。
ただ、強い販売チャネルをつくる上で一番重要なことというのは、販売チャネルをつくるという物理的なその行為もそうなんですけど、その前に概念、考え方のところがすごく重要で。「誰に」売るかと、販売チャネルをつくるというのは「誰と」売るかということですよね。「誰と」売るという、どのディストリビューターと売る。そのディストリビューターをどういうふうにネットワーキングしていきますかと、ディストリビューション・ネットワークをつくりますかということなので、「誰と」売るかということがいわゆる強固な販売チャネルをつくるということなんですけども、それよりも重要なことは「誰に」売るんですかと、あなたのターゲットは誰なんですかと。あなたのターゲットは誰なんですかと。モノを売る上で一番重要なことはターゲットなんですよね。マーケティングの上で最も重要なことはターゲティングであるというふうに僕は思っています。そうすると、「誰に」売るかというこの「誰」なんですけども、B2C、今回の題材になっている食品・飲料・菓子・日用品、コンシューマープロダクト、ヘアケア、スキンケア、化粧品、そういったもののコンシューマープロダクト、FMCG含めて、これは消費者ですよね。消費者なんだけども、ASEANを前提としていると、アジア新興国市場の中でもVIP、ベトナム、インドネシア、フィリピンを前提とした場合に、伝統小売の存在が出てくるわけですね。近代小売を含めて伝統小売・近代小売両方をやっていかないといけない。伝統小売の比率が非常に高い中で、こういった消費者を狙う市場では、基本的にはもう中間層を狙わないと、1本1万円の化粧水を売るんだったら、どうぞ富裕層に行ってくださいと。ただ、そうじゃないよねと。数百円の消費財を売るだったら、もうこれは中間層を狙わないと、そもそもASEAN、VIPに出る意味がないということになるので、ターゲットはもう絶対的に中間層なんですよね。ただ、中間層の中でもどの地域に住んでいて、どういうライフスタイル、どういう年齢層の、どういうターゲットを狙っているんですかという、その消費者のインサイト、これをまずしっかりと確定させるということがまずあって。
そしたら、彼らが商品を買う接点を持っている小売、オンライン・オフラインを含めて、消費財の場合はね、オンラインで購入するというのはまだまだちょっと比率的に少ないので、基本的にはリアルな店舗になってくる。ベトナムはウィンマート、フィリピンだったらピュアゴールド、SM、ロビンソンズ、ガイサノ。インドネシアだったらコンビニはアルファマート、インドマレット、それからスーパーだったらトランスマート、ハイパーマート、ヒーローズ、ロッテマート。ベトナムだったら…。言いましたっけね、ベトナムは、ウィンマート、コープマート、どこですかということをまず確定していって、その中でもどのレーンにどれぐらいのSKUを置きたいんだということまでを確定させることが、「誰に」売りたいのかということを確定させるということなんですよね。これが確定できたら、「誰と」売るのかということを決めていくわけだから、そこに売れるディストリビューターを抽出していくんですよと。
ただ、このときに消費財のディストリビューターなんて、各国ASEANで数十ですよ。まともなところは10~15ぐらいです。そうすると、もう全部ロングリストに広げて、それを絶対評価で切っていって、最終的に相対評価して絞り込みましょうねという話をした。この絞り込みをしっかりやらないと、相対比較をしないとね、なぜここがいいんですかというときに、いや、そこはそこでいいのかもしれないんだけど、もっといいところがあったじゃないですかということになる可能性を、極力、これはもう確率論の話なので、確率論を極力高めると、成功の確率論を高めるんです。失敗の確率を極力少なくするために、これだけ事前に、このややこしいというか、手間のかかる抽出・選定をしていく必要があるわけですよね。だって、失敗したら大変だからという話を前回したと思いますけども。それで、絶対評価と相対評価で絞り込んでいってくださいねと。
ただ、結局、最終的にいいところというのは取られているので、その中でどうやって妥協をしていくのか、どういう方向に妥協を見出していくのかと。妥協と言っても、実は大手のところというのは、これから新しく取り扱うメーカーに対して、どれだけのセールスチームをあてがってくれるのか、アカウント担当をあてがってくれるのか、これは未知数なところもあって。そこまで、決めていくんですけど、商談の中でね。ただ、やっぱりなかなか現実的にはよくならない。そうすると、自分たちの言うことを聞かせることの比較的楽な中堅クラスと組んでいくということのほうが実は向いているかもしれませんよと。だから、そういうことも考えて最終的に選定していきましょうねという話をしました。この選定のプロセスというのは、また、うちで来年セミナーをやるので、図を見ながらね、見てもらって。僕の番組でYouTubeの「SPYDER CHANNEL」なんかでも図を見せてやっているので、「SPYDER CHANNEL」のほうも併せて見てもらったらたぶん分かるんじゃないかなというふうに思います。
最終的にはもうマインドセットですよと、スキルセットよりもマインドセットでオーナー社長の熱量、これを感じてくださいと。ただ、何もせずに熱量なんて上がらないので、相手の熱量をどう上げるのかというのもこっちの腕の見せどころですよというお話をしたと思いますが、そうやって選定していくんですよということでございます。
また長くなっちゃったけどもね、もっと話したいんですけどもね、やっぱりしっかりとセミナーをしたほうがいいと思うので、今年はしっかりやりたいと思います。
皆さん、というわけで、この「強固な販売チャネルに必要な3つのこと」の1つ目の、第1章の「成功の5割を握るのはディストリビューターの選定である」というお話が今日で3回になりましたけども、今日で終わりたいと思います。次回はね、第2章の、2個目のね、「成功の8割は契約締結前に何を決めたかで決まる」と。つまりはディストリビューターの選定で5割決まって、次の8割まで、次の3割というのは契約を締結しますよと、締結をする、この前までに決めたことで8割決まっちゃうという話なので、「何をやるんですか、契約締結前に」、ここの具体的なお話をしていきたいと思います。
それでは皆さん、今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。