森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。今日は前回からの続きですかね、「強固な販売チャネルの構築に必要な3つのこと」ということで、ASEAN編ということでお話をしていて…。
結論から先に申し上げると、「ディストリビューターの発掘選定と契約交渉と管理育成が非常に重要ですよ」というお話をしていて。前回、前々回、その前ぐらい、3回ぐらいに分けて1つめの発掘選定のところの「成功の5割を握るのはディストリビューターの選定にありますよ」と。ASEAN市場で消費財メーカーに限らず、製造業が販路を拡大していく上で非常に重要な、成功の5割ぐらいをもう決めてしまうのはディストリビューターの選定ですよと。ディストリビューターの選定は非常に重要だとしながらも、この「誰と」売るかということがディストリビューターの選定になるんですけども、「誰と」売るかよりも「誰に」売るかのほうが圧倒的に重要であって、そこがまず明確にあってからこそ「誰と」売るかというものが決まるから、「誰に」売るかということを明確にしてくださいと。「誰に」売るかということが決まれば、その人に売れる人と売るというのが、これはまさにディストリビューターの選定なので、そんなお話を前回までさせていただいていて。
今日は、この2つ目の重要なことの契約交渉なので、この契約交渉で成功の8割ですね、5割はディストリビューターの選定で決まるということで、さらにこれは8割まで、成功を8割まで確率を上げていくためには、契約締結そのものももちろん重要なんだけども、この契約締結前のプロセスで何を決めたかということがすごく重要で。平たく言うと、重要なのというのは「誰に」売るかのほうが「誰と」売るかより重要であるという話を前回しましたけども、この誰にどれぐらい売るか、そして、その2つがあって「誰と」売るかというのが来るわけで。つまりは、「いくらやれるの?」ということをディストリビューターと契約前にしっかり決めておきましょうということなんですよね。ここが決まっていない契約って、単なる権利を与えている、売るための資格を与えているだけの話で、「いくら売るか」というところを確約に近いところまで持っていけるかどうかということが契約においては非常に重要で。そこがないのに契約をしても、これはやっぱり蓋を開けてみないと分からないという状態になってしまう。
確率を高めるということと、できる限り蓋を開けてみないと分からない状態にしないということがすごく重要で、そこまでできると成功の確率というのは8割まで上げることができて。誰に売るのか、どれぐらい売るのか、じゃあ、それができるのは誰なんだという、この順番でディストリビューション・ネットワークとかディストリビューターというのは決めていく、販売チャネルというのはつくっていくものなので、まず誰に売りたいんですか。じゃあ、その人にどれぐらい売りたいんですか。いくら売りたいんですかと。じゃあ、それができるのは誰なんですかという、この順番を忘れてはだめですよということですよね。
じゃあ、話はちょっと戻って。この「成功の8割は契約締結前に何を決めたかで決まりますよ」ということなわけですけども、前回お話した通り、発掘選定で絞り込んでいって、ある程度母集団、ショートリストの中でこの3社ないしは5社ぐらいの選択肢の中から決めていこうとなっていくわけですよね。そこでいろいろ相対比較をして決めていくわけなんですが、その中でできる限り自分たちのやりたい数字というのは、こちら側は決まっていて、それができる可能性が高いところをやっぱり選んでいかないといけない。じゃあ、それを具体的にどうやって選んでいくんですかというときに、契約交渉で重要なのって契約条件の交渉、それから契約後の戦略のすり合わせ、契約のあとにどういう戦略を実施するのかというのは契約の締結の前に決めておかないといけないし、じゃあ、その戦略のKPIは何に置きますかということもしっかり握っておかないといけないので、この3つを契約前に決めておくということになるんですよね。
ただ、実際に数字が本当にできるのかどうなのかというのは、両社で想定しているまず目標数値が本当にイコールするのか。どの小売でどれぐらい売り上げるからこの目標数値が達成できるんだという裏付けとともに目標金額をしっかりと設定できているかということと、じゃあ、その目標金額をどういう組織が何をやるから達成できるんですかという、ここの裏付けがしっかりできていないと、正直蓋を開けたらこんなはずじゃなかったということになってしまうので、この金額を設定するということと、じゃあ、その金額を達成するためにはどういう組織体制で何をやるのかというところのプロセスのところまで握るということが非常に重要であると。
今日はこれぐらいにしますけど、また次回この続きをお話したいと思います。今日はこれぐらいにして、また次回お会いいたしましょう。