森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。今日は、ベトナムの小売市場についてお話をしたいなというふうに思います。
ベトナムの小売市場なんですけど、市場規模のお話をすると、ちょっとここ最近、為替がものすごく円安に振れてしまっているので、なかなかちょっとこれ、日本円に換算するのが難しいんですけど、ベトナムドンで言われてもいまいちよく分からないと思うので、ある程度為替を、今の現状のね、今は2023年ですけど、おおよそ現状の為替近辺で算出すると、だいたい20兆円前後ぐらいなんですよね、ベトナムの小売市場規模というのは。日本の小売市場規模ってどれぐらいかと言うと150兆円とか、もうちょっとあるのかな、それぐらいになるので。なので、それに比べるともちろん小さいですよと。
ただ、ASEANの市場って、結局このASEAN6って、私はいつも思うんですけど、多くの人は国別に、マレーシア、フィリピン、インドネシア、タイ、シンガポールと全部違う国として捉えているんですけども、ASEAN6国として、1カ国として捉えるのが本当は正しくて、その首都を中心に攻略をしていくというのが参入戦略としては正しくて。なぜならば、日本の小売市場規模って150兆円なんですけど、ASEAN6全部を合わせると、もちろん150兆円まではいかないんですけど、115兆円ぐらいにはなるんですよね。そうすると、日本よりも少し小さいぐらいの市場で、非常に大きな商圏がそこにはあって。じゃあ、ハノイと、ホーチミンと、バンコクとクアラルンプールと、シンガポールと、ジャカルタと、マニラと、この距離感を見たときに、当然海を隔てているので飛行機での移動になると思うんですよね。フェリーで移動する人はいないと思うので。荷物はフェリーで移動しますけど。基本的には飛行機での移動で。じゃあ、東京・大阪間とか、東京・福岡間とか、東京・札幌間みたいな、そんな距離なんですよね。そうすると、ここ一帯を商圏として捉えるというのは決して間違った戦略ではなくて、むしろそういう捉え方をしないと、ASEANというのはなかなか攻略が、攻略のROIが悪いと言ったらいいんですかね、インドネシアだけのことを考えるのではなくて、同時にマレーシアのハラルの国を考えるとか。
あと、一番たぶんみんなが驚くのが、人口そのものもそうなんですけど、VIPは圧倒的に人口が多いですよね。ベトナムが1億弱、フィリピンが1億強、インドネシアが2億弱と。新興ASEANのほうは当然少ないわけですけど、シンガポールが600万人ぐらいですか、500万人ぐらいですか、550万人ぐらいですかね。マレーシアが確か3,260万人とか、そんなのだったと思います。タイが6,200万人とか、それぐらいだったと思いますけど。その中で、定住人口というのが今言った人口なんですけど、流動人口と言われるいわゆるビジネストラベラーとか観光客みたいな人たちが数千万単位で動いているんですよね、このASEAN圏内を。もちろん国外からも来るけども。例えばタイに最も来ている人って、1位が確か中国になってしまうんですけど、ロシアとかも大きいんですけど、でも、やっぱりインドネシアからも来ているし、ベトナムからも来ているとか。マレーシアに来ている数千万人の、1,800万人だったかな、の人もASEANの中にやっぱり大半がいたりとか。ASEAN圏内での移動がものすごく大きいんですよね。そうすると、やっぱりクアラルンプールで売っているものがジャカルタで売れるとか、シンガポールで売っているものがバンコクで売れるとか、そういう相乗効果があるので、なので1つの商圏として捉える必要があるというふうに言っているわけなんですけど。
今日はベトナムの小売市場の話をしようと思ったら、話が飛んでASEAN全体の話になってしまいましたけど。(笑)ちょっと今日はこれぐらいにして、またね、ベトナムの小売市場についてお話したいと思いますけど。まあまあ、今日の話をまとめると、ASEANは6カ国、主になるのは6カ国、マーケットとしてはね、メコン経済圏、ミャンマーとか、カンボジアとか、ラオスなんていうのは、ちょっとマーケットとしてはやっぱりベトナムが攻略できて初めてやるべき市場なので置いておいたとして、ASEAN6を中心にやっていくときに、この1つ、6を1つの国というふうに見てやるということが重要ですよという話でございます。次回はベトナムの小売市場についてお話したいと思います。それでは皆さん、また次回お会いいたしましょう。