森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。前回、ベトナムの小売市場についてお話しますよとか言って、ASEAN6を全体を1つの国として捉えて攻めろみたいな、ちょっと話が逸れてしまったので、今回は純粋にベトナムの小売市場についてお話をしたいなというふうに思っています。
前回、ベトナムの小売市場規模をまず見ましょうということで、今は為替が円安なので、ちょっと計算の仕方が非常に難しいんですけど、おおよそ20兆円前後ぐらいありますよというふうに捉えて問題ないんじゃないかなと。この20兆円と言うと、ASEANだと2番目、3番目ぐらいにね、一番大きいのはインドネシアなので。フィリピンとベトナムがだいたい同じぐらいなんですけど、ちょっとベトナムのほうが高いかなという、そんな状態で、非常にベトナムは大きいですよねと。そんな市場なんですけど、伝統小売と近代小売、両方が介在していて、介在していてというか、伝統小売が非常に優勢、有力な市場であって、66万店ぐらいあるわけですよね。食品・日用品のカテゴリーにおける近代小売と伝統小売の比率を言うと、8割ぐらいがやっぱり伝統小売で、2割ぐらいが近代小売を通じて売られていますよと。これはまたね、カテゴリーが違うと比率も変わってくるので注意しないといけないんですけど、そういうあれですよと。
じゃあ、近代小売ってどういうところがあるのかなと、押さえるべき近代小売トップ5みたいなところで言うと、やっぱり1つ、絶対的に大きくあるのはウィンマートですよね。もともとね、ビンマートだったんですけどね、ウィンマートって。今、何店舗だったかな、ウィンマート。いろいろあるんですよ、ウィンマートプラスとかね、いろいろあるんですけど。コンビニ、ウィンマート自体はね、120数店舗だったと思います。コンビニが3,000店舗ぐらい持っているんですけど。結構、商業センターの中とか集合住宅とかにもあって、地方都市にもあって。このウィンマートがやっぱり一番大きい小売市場になるので、ここを押さえていかないといけなくて。もともとビングループっていうね、ビンマートだったんですね、ビングループというベトナムの最大のコングロマリット企業が運営していたんですけど、業績がやっぱり思うように伸びなかったんですよね、小売業が本業ではなかったので。2021年に食品メーカーで食品流通大手のマサングループというのがあるんですけど、そこに売却したんですよね。マサングループが買収したから、ビンマートをウィンマートにブランド変更して、店舗の整理とか統合なんかをして、今、運営効率が非常に改善して、経営の立て直しを図っている、まさにその最中という感じなんですよね。このウィンマートがやっぱり非常にプレゼンスとして存在感として大きいので、これはもう確実に並べないと難しいです。ウィンマートに並んでいない商品は伝統小売には並ばないので、これは並ばないといけない。
あともう1つ、2番手がコープマート。これはもうホーチミン市の商業協同組合連合、サイゴンコープという傘下のスーパーなんですけど、ベトナムで今、最も多くの店舗を抱えている小売なので、ここもやっぱり確実に押さえないといけない。コープマートがもう1つですよね。
3つ目の、3番手がタイのセントラルグループ傘下のビッグCなんですけど、ビッグCはもともとフランスのカジノグループ傘下の小売チェーンだったんですよね。ベトナムには、もう20年ぐらい前だったかな、僕がちょうどまだ中国に初めて自分の生活圏を移したぐらいのときだったので、20年ぐらい前ですね、そのときにベトナムに進出していて。ベトナムで最初に進出した外資の小売チェーンなんですよね。そのあとタイのセントラルグループに買収されて、現在はセントラルグループ傘下ですよということですよね。確か、このビッグCはね、ちょうど2020年にブランド変更していて、確かというか、確実にブランドをGO!に変えているんですよね、マークで言うと「GO!」って、G、O、ビックリマークみたいなあれに変えていて、非常に今、ASEANの小売はね、このコロナ禍でリブランディングに非常に力を入れていて、非常にブランドが変わっているというね。そういうのはよく、「あれ?これちょっと変わったな」と、マークのデザインが変わるとかっていうレベルではなくて、名前が変わるみたいな、そういうレベルで変わっている。これはベトナムに限らずですね、そんなところが1つですかね。
あと、4番手もね、タイで、結構タイの小売がやっぱりベトナムに入ってきて、BJCTCCグループ傘下のメガマーケットとか、これももともとはドイツのメトロキャッシュアンドキャリーだったんですけど、BJCTCCグループが買収して現在に至るということですね。
あと、5番手。トップ5というふうなお話をしたので、トップ5、これはわれらが日本のイオン。イオンはね、2009年にホーチミンに第1号店を出してね、当時、ものすごい大きい敷地にでっかいモールの建設していて、みんな結構言っていたんですよ、誰がこんなところにイオン建ててね、人が来るんだよみたいなことを、結構ネガティブなことを当時言っていたのを僕は思い出すんですけど、僕もどうなるんだろうってわくわくして見ていたら、蓋を開けてみたら、ベトナムのその地域の人たちのね、エンターテイメント施設じゃないですけど、憩いの場みたいになってきて、エアコン効いているし、涼しいし、みんな集まるんですよね。そうこうしているうちに、ベトナムの1人あたりのGDPとか、所得がどんどん上がっていって、非常に好調で、今、7店舗目を建設中なんじゃないかな。ビエンホアか何かに7店舗目を建設中だったと思うので。今年開業するんじゃないかな。非常に外資の小売業の成功事例としては素晴らしい実績を出している、そんなのがイオンですよね。
スーパーマーケットに関してはこんな感じなんですけど、ちょっとね、コンビニの話もしたいなと思うので、また次回やりましょうかね。コンビニの話をしたいと思います。それでは皆さん、また次回お会いいたしましょう。