森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。だいぶ春らしくなってきましたね。暖かくなってきたし、今日も東京は晴れで。花粉が飛んでいるのか、何かちょっと遠くが見えないですけどね、僕も花粉症じゃないんですけど、何となく目があれだったり、鼻があれだったりするのがここ何年か続いてるなという状態で、そんなにつらいとか、そういうのはないんですけど、なんかね、車のボンネットの上に黄色い粉がふわーっと舞ってるので、花粉なんですけど、そんなのがね、ちょっとまだあって、嫌だなという感じですけど。でも、暖かくなってもうすぐ春だなと。僕は春が本当に好きでね、桜がきれいだななんて。若いときはまったく思わなかったのに、歳を重ねると桜ってきれいだななんて思ったりして、早く春が来ないかなという、今日この頃でございます。
遂にね、ずっと去年から編集者を待たせていた、出版社さんを待たせていた本を、つい今週…、今週だね、先週末書き上げまして、今、原稿を編集者に送って、そこから校正が入るので、何カ月かして書店に並ぶことになると思いますけど。そんなのも終わったのでね、ちょっと気が楽になったという、そんな感じでございます。
それで、前置きが長かったですけども、今日はね、前回に続いて「インドネシアの小売市場」についてお話をしていこうかなというふうに思っています。まず、インドネシアの小売市場規模なんですけども、最新のデータ、2022年のユーロモニターのデータをベースにSPYDERで推計をした最新の市場規模41.2兆円が、今、近々の最新のインドネシアの小売市場規模でございます。前回ね、これもなかなかちょっと、いろんなあれがあるのであれなんですけど、ベトナム20兆円というふうに申し上げたと思うんですけど、正確にはね、ちょっとすみません、21.3兆円で。ちょっと為替によってだいぶ変わってしまうので、前回のベトナムも今回のインドネシアも136円で計算をしています。なので、ベトナムは21.3兆円で、インドネシアは41.2兆円がインドネシアの小売市場規模でございます。非常に大きい、ASEANの中で一番大きいんですよね。一番小さいのがシンガポールの5.8兆円なんですけど、まあまあ全部の市場規模を先に言っておくと、シンガポールが5.8兆円で、マレーシアが12.8兆円、タイが15.9兆円で、ベトナムが21.3兆円、フィリピンが20.9兆円で、インドネシアが41.2兆円ということで、ASEANの中で当然インドネシアが一番小売市場規模がでかいと。なぜならば、3億人弱、2億7,000万人以上人口いますから当然ですよね、というところでございます。
インドネシアの小売市場ね、もう絶対必須なのがハラルの承認ですよね。ハラルであるという、ハラルってどういう意味かと言うと、イスラム教で許されたという意味なんですけど、許されたものであると、許された食べものであると、許されたものであるということなので、許されてないものはハラムと言うんですよね。ハラルではなくて、ハラムという、「ム」と「ル」なんですよね。このハラルの認証はしっかり取らないといけないというのが、もう絶対の市場というのが、市場の特徴1ですよね。
もう1つ、市場の特徴2というのが、伝統小売が非常に優勢な市場であって、約々8割は伝統小売の市場ですよと、金額ベースで。なので、数ベースで言うと、447万店ぐらいあるんですよね、447万店で。一方で近代小売がどれぐらいあるかと言うと、3万6,800店、主要近代小売ね、主要な近代小売。これもね、近代小売の数と言ったときに、ベトナムと一緒なんですけど、いろんな近代小売があるわけですよね。例えば、洋服を売っている近代小売もあるし、全然いわゆる食品・日用品とかではないようなカテゴリーのものを売っている近代小売というのもいっぱいあるわけなので、データを発表しているところの定義によってかなり変わってくるんですよね。だから、気を付けなきゃいけないですよという話を前回ベトナムのときにしましたけど、うちの会社がというか、僕がこの番組で言っていたり、うちの会社が公表しているようなものというのは、近代小売だったら主に食品・日用品を取り扱う主要な近代小売チェーンの店舗数を言っているので、その合計はインドネシアは3万6,800店ですよと。
一方で、伝統小売の比率の話をしたときには、これは小売市場における近代小売と伝統小売の比率なんだけども、注意点は弊社が発表しているデータというのは、小売市場の中でも食品および日用品カテゴリーにおける近代小売と伝統小売の比率であって、その比率は金額ベースです。小売市場における食品および日用品カテゴリーで、この近代小売と伝統小売を通じて買われる金額の比率がどうなっているのと、全体が100だとしたらね。例えば100だとすると、そのうちの79%は伝統小売経由で買われているし、21%は近代小売で買われていますよというのがインドネシアですよね。なので、基本的には伝統小売の攻略なくして利益なしと。これね、インドネシアの業界関係者も誰も口を揃えて言っていますけど、ディストリビューターもメーカーも先進グローバル企業のメーカーも言っていますけど、基本的に「インドネシアは伝統小売をやらなきゃ儲からない」と、「近代小売はもうショーケースです」と。彼らは当然リスティングフィーを取って、棚代取って、プロモーションに参加してなんていうことをやっていると、はっきり言ってそれだけ週販・日販売るって難しいんですよね、それをクリアして。現地法人のイニシャルコストも掛かるし。3万6,800店のうちの3万3,000店舗ぐらいは、インドマレットとアルファマートの2強コンビなんですよね、ローカル系の。なので、もうこの2強で3万3,000店ですから、残る主要小売って3,800店なんですよ。3,800店をどう獲るかみたいな世界で話をしているので、伝統小売をやらなきゃ本当に駄目ですよというのが特徴としてはあります。
というところで、すみません、私の前置きが今日は長かったので、時間が来てしまいましたので、またちょっとインドネシアの小売市場に関しては、次回引き続き「その2」ということでお話をしていきたいと思います。それでは皆さん、また次回お会いいたしましょう。