森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日でね、フィリピンの小売市場のお話は最後にしたいなというふうに思いますが、ちょっと、ざっとラップアップというか、振り返りをしていきたいなというふうに思います。
まず、何の話しましたかね、今日で5回目ですけど。まあまあフィリピンの小売市場というのは20.9兆円ぐらいありますよと。VIPの一角、ベトナム、インドネシア、フィリピンのPの一角を担うので非常に重要な市場で、27%ぐらいがだいたい近代小売で、73%ぐらいが伝統小売ですよと。その伝統小売というのは80万店ぐらい、だいたい数がありますよと。大きく分けて、フィリピンというのは首都のメトロマニラがあるルソン島と、セブ島なんかがあるビサヤ諸島、それからダバオ、前大統領の出身地ですけど、ダバオがあるミンダナオ島と、この3つの地域に分かれているわけなんですけど、攻略の順番としては圧倒的にルソン島からやっていくというようなお話が非常に重要かなと。
主要小売に関しては、ピュアゴールド、SM、ロビンソンズ、もうこの3大小売が非常に重要ですよというお話をしました。コンビニに関してはセブンイレブン、アルファマート、ここの2つが圧倒的、特にセブンイレブンは3,000店舗を超えています、3,250店舗、アルファマート、インドネシアのアルファマートが1,200店舗ということで。あと、マーキュリードラッグが1,200店舗あるのを忘れちゃ駄目よというのと、ガソリンスタンド併設店が2,400店舗以上あるトリートと、それからシェルセレクトが1,000店舗以上ありますよというようなお話をさせてもらったというとこですかね。
近代小売ね、3大小売、SMとロビンソンズは中華系財閥が牛耳っているというか、小売市場のこの2強というのは財閥の持ち物で、ヘンリー・シーさん、お亡くなりになられましたけど、彼率いるSM、シューマートと呼ぶ人はまだいっぱいありますけども、ここで有名なシー財閥が率いていて、シー財閥ってフィリピン最大の商業銀行のバンコデオロ、BDOと、よくBDO、BDOって紺色のバックに黄色でBDOと書いてる看板を見ると思うんですけどね、フィリピンに行ったら。一番大きい商業銀行ですよ。不動産最大手のSMプライムもシー財閥ですし、ファーストリテイリングが合弁したのも、ユニクロのファーストリテイリングが合弁したのもSMグループですよと。ロビンソンズが保有しているところだって、ゴコンウェイ財閥と言うんですけど、小売、食品、航空、不動産、石油、繊維、通信といろんな事業をやっていて、こんなコングロマリットの会社が手掛けていますから。SMの例で言ったら、いい例だと、分かりやすい例だと思いますけど、不動産最大手の会社を持っている財閥が好立地にぼんぼん店舗を建てて、商業銀行の最大手も持っていますから、そこで銀行のATMを置いて、キャッシングのカードを配りまくって金融サービスで充実すれば、少々食品や飲料を安く売ったって十分儲かるので、どれだけSMが強いかということもお分かりいただけるのかなと。
一方で、ピュアゴールドだけは財閥系じゃないんですけど、いわゆるタイクーンの代表格である人が経営をしているわけですから。ルシオタンじゃなくて何だっけな、ど忘れしてしまった…。ルシオコーだ。ルシオコーね。ルシオコーさんが、タイクーンのルシオコーさんが経営しているピュアゴールドは非常に強い。小売に特化して、いろんなイノベイティブなことをどんどん、どんどん、展開するのは、このピュアゴールドかなという印象があります。
特に伝統小売と近代小売の関係が密接ですよと、フィリピンはね。伝統小売は仕入れをピュアゴールドから行っていますよと。ピュアゴールドは伝統小売を積極的に支援していますよと。インドネシアのアルファマートも1,200店舗以上出店して、彼らも伝統小売を支援するプログラムを展開していますよみたいなお話をさせてもらって、この80万店の伝統小売をどうやって攻略するかというのが非常に重要であると。
パンデミック禍において、近代小売は非常に強い規制の対象になったんですけど、伝統小売は逆に行政の支援の対象になって、中小企業を守るということで、どこの国でも当たり前ですけど、その対象になって相当支援を受けました。また、消費者にも重宝されて、フィルスターグローバルというところが発表しているデータだと14万店増えているんですよね、コロナ禍で。だから、そもそも80万店あったので、今は94万店になっているんじゃないかというね。ちょっとまだ裏が取れていないのでなかなか、僕も話半分ぐらいで認識をするようにしているんですけど。ただ、増えていることは確かなので、非常に力強い支援を受けたというのがフィリピンの伝統小売でしたということで、そんな話をざっとさせてもらったのかなというふうに思います。
なので、今日はこれぐらいにしたいなというふうに思います。それでは皆さん、また次回お会いいたしましょう。