森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。今日も引き続き、マレーシアの小売市場のお話をしていきたいと思いますが…。
前回ね、僕の思い出話みたいな話をいろいろしてしまったのであれでしたけど、ちょっと簡単に整理すると、マレーシアは12.8兆円ぐらいの小売市場規模の市場で、DGPもこの30年で10倍近く伸びているし、1人あたりGDPも全体でならしてみたとしても5倍伸びていますよと。ちょっとクアラルンプールだけの1人あたりGDPが出てこないのでちょっとあれですけど、おそらく数万USドルあると思うので、そうすると、もう5倍とかではきかないですよと、首都に住んでいる人たちは。マレーシアって、皆さん、西マレーシアのいわゆるシンガポールにくっついているほうのマレーシアをマレーシアだというふうに思っている方が多いと思うんですけど、実は東マレーシアと西マレーシアと2つマレーシアってあって、クアラルンプールは西マレーシアね、先っちょにシンガポールがあって、そのシンガポール側じゃない、マレーシア側がジョホールで、そこからずっと左上のほうに上がっていくと、首都のクアラルンプールがありますよと。それが左側にある西マレーシアなんですけど、右に東マレーシアって、ブルネイとくっ付いているところですよね、があって、結構配荷、東マレーシアの配荷はかなりディストリビューション・ネットワークを組まなければいけないという、そういう特徴がある国なんですけど。そんないわゆる地理的な2つの島に分かれていますよというお話で。
伝統小売とだいたい近代小売の比率としては、マレーシアは、ユーロモニターのデータをもとにうちで推計しているんですけど、だいたい59%、6割が近代小売で、41%、4割ぐらいが伝統小売が残っています。伝統小売の数がなかなか統計データがなくて、なかなかちょっといろんなところのデータを持ってきて組み合わせてみたいなことをやって、うちで推計しているデータが、だいたい20万店ぐらいあるんじゃないかというふうに考えています。なので、まあまあ、市場規模としてもね、12.8兆円ということは、シンガポールの次に、1番大きいのってインドネシアなんですよね、インドネシアの41.2兆円で、次がベトナムの21.3兆円で、フィリピンの20.9兆円、VIPが3つ一番大きいですよと。SMTで一番大きいのはタイで15.9兆円で、マレーシアは12.8兆円。やっぱりこの小売市場規模はね、どうしても人口が多いところが多くなるので、マレーシアは12.8兆円で。当然イスラム圏なのでハラルが必要ですよということも1つ小売市場としては把握をする必要があると。なので、ハラルの取得が、中華圏のマーケットが2割ぐらいあるんですけど、でも、やっぱりメインストリームに入っていくとなると、ハラルはもう必須という状況だと思います。
スーパーのメインはね、ロータス、今またブランド改良、ブランディングのリブランディングとかをやっていますけどね、ロータスが圧倒的に一番で。実はイオンがたぶん世界で一番、日本を除いて活躍しているところはマレーシアじゃないかなと。古くからありますしね。イオンモールって、カルフールなんかもイオンが買収したんじゃないかな、カルフールが撤退してね。なので、イオンが非常に大きい、人々の生活にもう入り込んでいますよというのが1つイオンですよね。あと、ジャイアント、それからエコンセイブというのと、あと、ザ・ストアというのがね、中国っぽいスーパーなんですけど、そこの5つがだいたい主要のスーパーになるのかなというふうに思います。
コンビニは、セブンイレブンがね、2,400店舗で一番多いんですよね。あと、99スピードマートというのが2,000店舗で2番目なんですよね。あと、ペトロナスのガソリンスタンドに併設されているようなコンビニもあるんですよ。あと、KKってね、ちょっとね、一瞬セブンイレブンかなと思ってしまうようなマークのね、セブンイレブンのオレンジと緑の柄に真ん中にKKって書いてあるのが572店舗ぐらいあって、あと、マイニューズドットコムというやつが542店舗ぐらいあって、まあまあ、数としてはね、そんなに多くないので、そんな小売がだいたい中心ですよというところでございます。
マレーシアはね、本当にシンガポールに近いと言ったほうがやっぱりいいんじゃないかな。この30年間で本当に変わって、昔は確実にVIP寄りの市場で、伝統小売をやらなければどうするのみたいな市場だったわけですよね。でも、もうこれは近代小売で十分収益が獲れる市場になっているし、逆に近代小売だけでもまあまあ十分、20万店の伝統小売は二の次というような状態ではないかなというふうに思います。なので、マレーシア、ASEANの中ではね、そんなに、輸出でクアラルンプールだけやるというのもあれですけど、インドネシアでセットでやるというのがたぶん一番いいんでしょうね。ハラルの問題もあるし。マレーシア単体でハラルをクリアしてと言うと、やっぱりマーケットが小さいので、インドネシアとセットになるんですよね。なので、ハラル圏というか、まあね、ハラル圏と言うか、ASEANは別にインドネシアとマレーシアだけじゃなくても、もうハラル、ローカルのね、ASEANの企業ってハラル標準になっているので、ベトナムだろうが、フィリピンだろうが、シンガポールだろうが、タイだろうが、ハラルはもう標準装備してやるということがたぶんもう中心なので。ASEANもね、国ごとに攻める、都市ごとに攻めるとかっていうことも1つの観点なんですけど、ASEAN経済圏全体で攻めていかないといけないので、基本的にはASEAN6の首都を同時並行的にやるというのが本来正しくて、マレーシアだけやりますとか、クアラルンプールだけやりますとかじゃなくてね。もう人が行き交っているし、モノも行き交っているし、情報も行き交っているわけなので、基本的にはASEAN6経済圏を1つの国と捉えてやっていくというのが正しい方法だということでございます。
それでは今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。