森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。今日も引き続き、マレーシアの小売市場についてお話をしていきたいと思います。今日はね、サクッとコンビニの紹介をして終わりたいなというふうに思いますけど…。
まずね、一番は、現在2,400店舗展開しているセブンイレブン、最も店舗数の多いのがセブンイレブンですよということで。マレーシアのセブンイレブン、ちょうど僕がシンガポールに移住を、父の仕事で移住したぐらいのときだったと思うんですけど、1984年に首都クアラルンプールに1号店を出店していて、シンガポール1号店の出店のね、ちょうど1年後なんですよね。それ以来、マレーシアを代表するコンビニとして愛されてきたということなんですけど。でも、やっぱりね、84年でしょ、94年、2004年、2014年、2024年にもうすぐなると、40年間ですと。40年間で2,400店舗ですから、今、日本のセブンイレブンは2万店以上あるのでね、やっぱり当時の時代のスピードというのももちろんあるし、伝統小売だらけでスーパーだってまだそんなにという時代から、そんなにバンバンコンビニが増えるわけないということだったわけですから、今後ね、このコンビニの業態がどういうふうになっていくのか。40年で2,400店舗って、単純にそれだけ見てしまうと非常に少ないよねと。ただ、その前半というのは「コンビニどころの話ではないよ」というぐらい伝統小売の世界があって、でも、今、急激に近代化した中でもやっぱりまだ2,400店舗ということは、これが、じゃあ、2万店になる世界観というのはなかなか僕はイメージが持てないので、どうなっていくのかなという気がしますね、コンビニはね。
次の99スピードマートがあって、これも1987年、セブンイレブンに遅れること3年。もともとは雑貨屋だったんですよね。今、マレーシアに2,000店舗ぐらい展開していますけども、コンビニ。あと、3番手がメスラ、ペトロナスのガソリンスタンドに併設されているやつですよね。セブンイレブンに似ているような、勝手に僕が似ていると思っているのかもしれないですけど、オレンジと緑と言ったらセブンイレブンでしょみたいなね、そのカラーを使って真ん中にKKと書いてあって、一応KKスーパーマートなんですけどね、コンビニ事業に参入していて。コンビニですよね、570店舗ぐらい、572店舗展開していて、1,000店舗にすることを目標にしているので。コンビニエンスストアもミニスーパーもね、ちょっと垣根がなかなか分かりにくくなってきていて、日本だときっちり定義付けされていますけど、結構ASEANとかへ行くと、アジアとかへ行くと、コンビニ、スーパー、ミニマート、グローサリーみたいなね、ミックスみたいな感じになっているのでね、まあまあなかなかちょっとね、無理やり定義付けするのもおかしいので、スッと人々の間隔で入ってくるような定義で分けたほうが実態のビジネスには即していると思いますけどね。まあまあ、そんなのがKKです。あと、マイニュースが最後ありますよということで。もともとこれはマイニュースと言うぐらいだからね、新聞屋だったんですよ。新聞とか雑誌を売っているお店で、1996年だったかな、創業されていて。その後、コンビニエンスストアに業態変更していったという。それで今、542店舗展開しているという、そういう感じでございます。
マレーシアの近代小売で特徴的なのは、まず主要大手3社がやっぱりいずれも外資系であると、ロータス、イオン、ジャイアント。ロータスはタイ系だし、イオンは日本だし、ジャイアントは香港系だし。だから、結構、通常どこも自国の小売が上位を占めているんだけど、マレーシアは外資が非常に多いよねということで、外資規制の撤廃が早かったと言えば早かったのかもしれないですけど。でも、一方でね、マレーシアはスーパーマーケット、ハイパーマーケット、コンビニエンスストアとかの近代小売にはね、参入はさせたんだけど、資本割合とか販売している商品の一定割合をね、マレー系にしなければいけないというね、ブミプトラという制度があるんですよ、規制があるんですよ。だから、例えば売っているものの3割はマレーシア地場でつくったものを売らなければいけないよとかね、あと、資本のマジョリティを獲ってもいいけど、これぐらいの一定割合はマレー系を入れないといけないよとかね。これもいろいろ細かく分かれていたりしていて、中華系のマレー人ではなくて、もともとはマレー系のマレー人の経済的地位を引き上げるということを目的に政府が1971年だったかな、ぐらいから民族間の調和を図るということで、このブミプトラ政策は取られているので、こういう政策が結構ありますよというのが1つ覚えておいていただいたらいいかなというふうに思います。
あとね、伝統小売はうちの推計だとおおよそ20万店舗ぐらいではないかなというふうに思っています。だいたい4割ぐらいが伝統小売で20万店舗ということですので、これを近代小売で十分利益を出せるので、マレーシアは近代小売を獲り尽くしたあとにやるというような感じでも十分いいのではないかなというふうに思いますけどもね。
ということで、以上、マレーシアの小売市場については今日で終わりたいと思います。それでは皆さん、また次回お会いいたしましょう。