森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺一樹です。今日も引き続き、前回に引き続き、強固な販売チャネルの構築方法ということで、契約交渉のお話ですね。
強固な販売チャネルの構築には3つのことが重要です。発掘選定、契約交渉、管理育成と。この発掘選定はもう1から、その1~その4で終わっていて、その5から、前回から契約交渉に入っているということで、契約交渉までが大変重要ですよというお話を前回していて、契約は儀式ではないんですと。契約後にどういうアクションをして売上を上げていくのか、マーケットシェアを獲っていくのか、利益を追求していくのか、みたいなところのすり合わせをする場で、その条件交渉をする場であって、契約の条件交渉をするということは1点だし、契約後の戦略のすり合わせ、具体的にどういう組織で何をやるんですかと、お互いの役割分担はどうなんですかということをめちゃめちゃ詰めると。KPIは何に設定する、シンプルな基準、KPIを持って指標をつくって、そこを互いで握っていくと。大概の場合はストアカバレッジとインストアマーケットシェアで基本的にはディストリビューターの役割はどれだけストアカバレッジを伸ばすかということだし、メーカーとしてのやるべきことはインストアマーケットシェア…。ごめんなさい。この言い方はしないんだったな。セールスパーストア、1店舗あたり売上をどれだけ上げるかと。BTL、ATL含めてどれだけプロモーション投資するんですかというところがやっぱりメーカーの役割なので、そこをしっかり話していく。この話すということはすごい重要で、契約締結後に何か決めるのではなくて、契約締結したらすぐロケットスタートなので、契約締結までにどれだけ具体的に話せるかということはすごい重要。その上で契約できたのと、ただ儀式で契約したのでは、もうそのあとの成果が本当に違うから、僕は契約締結で、もうこれは8割は確定してしまいますよということを言っていて。5社ぐらい候補がいたのに、このゴリゴリをやると3社ぐらい逃げていって、結局最後に残った2社のうちの2社とやるのか、1社とやるのか、決めていくわけなんですけど。
ここまでやるとね、めちゃめちゃ強い。ある程度、強固な関係が築けて、お互いのミッションとか価値観とかっていうものがイコールになったまま進むので、ものすごくそのあとのアクションが成果につながりやすい。アウトカムにつながりやすい。なので、自分たちの会社概要、どうのこうのというより、自分たちがこう考えている、こういう戦略でやろうと思っているんだけどどうだということをこっちからバーンとしっかり出して、それに対して、いやいや、ここはこうだと思うよ、ああだと思うよ、そうだと思うよということを向こうから出てくるので、それをああでもない、こうでもない、議論して、議論して、議論して、お互いが納得いく最終形をつくり出すというね、このプロセスが本当に重要で。ディストリビューターを決めて任せて終わりで、シェアが上がっている、トップシェアを築けているメーカーなんて、僕は1社も見たことないので、シェアの高い企業は1社の例外もなく、ディストリビューターに任せて終わりなんていうところはないですよね。彼らはともに戦略をつくっている。むしろメーカー側が戦略をしっかり持っていて、それが標準の型になっているので、その型をディストリビューターにはめ込んでいくと。ディストリビューター側も、欧米の先進グローバル企業はそれが長けていると分かっているので、早く型にはめてくれと思っているわけですよね。日本の消費財メーカーとか、日本のB2Bでもいいんですけど、メーカーの場合は、まだその型づくりがこれからのステージなので、基本的にはそこは一緒につくっていくというスタンスでいいと思うんですけど。
あとはやっぱり勘違いしてはいけないのは、チャネル、商品を並べること、消費財メーカーが小売に商品を並べる、これはディストリビューターの仕事ですよね、チャネルへの投資、しっかり並べられるようなチャネルをつくっていくという。一方で、並んだ商品をどうやって消費者が選ぶのか、選びたくなる仕掛け、これはメーカーの話なので、中途半端なプロモーション予算をディストリビューターにポーンと渡してあとはお任せって、こんなので選ばれる成果が出るなんていうことはまずあり得ないので、やっぱりここは責任を持ってちゃんとやっていくということはすごく重要というのは1つですよね。
あと、もう1つお話したいのはね、契約書の攻めと守りの話で、独占・非独占とかね、複数年・単年契約とか、この辺の話をしたいんですけど、今日も5分過ぎてしまったので、次回その辺の契約書周りの話をしたいなというふうに思います。それでは今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。