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第557回 FMCG シンガポール小売市場 その2

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テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、シンガポールの小売市場についてお話をしていきたいなというふうに思います。前回からこのSMT、VIPが終わって、ベトナム、インドネシア、フィリピンの新興ASEANが終わって、前回からこの先進ASEAN、SMT、シンガポール、マレーシア、タイランドということで、その第1回目のシンガポールのお話をしています。小売市場なのでね、対象は食品・飲料・菓子・日用品等の消費財メーカー、FMCG周りのメーカーになります。

それでは、早速お話をしていきたいと思いますが、前回オーバービューをざっとお話をして、今回はね、ちょっとスライドをお願いします。シンガポールの主要な近代小売の解説をしていきますよというお話を前回したと思います。まずね、シンガポール、左がスーパー、右がコンビニなんですけども、シンガポールの最大のスーパーチェーンはNTUCフェアプライス。フェアプライス、フェアプライスと皆さん言っていますけど、正式名称はNTUCフェアプライスなんですけど、シンガポールで今、140店舗ぐらいスーパー、ハイパーを運営していて、パンデミックで若干店舗数を減らしたんですけど、オンラインの食料品が爆発的に増加して、結構DXに、どこもそうなんですけど、投資をして。このフェアプライスはね、もう名前の通り、フェアプライス、フェアな価格という名前の通りね、シンガポール人にとっては毎日生活に使えるリーズナブルな価格のスーパーという、こういう認識を持っているのではないかなというふうに思います。小売のブランドとしてはね、フェアプライスがスーパーマーケットで、あとフェアプライス・ファイネストというのもあって、高級スーパーの位置付けなんですけど、有機野菜とかね、結構付加価値の高い商品の高価格帯が結構並んでいて、このフェアプライス・ファイネストとかなんかは日本の付加価値の高い商品というのは結構合っているのではないかなというふうに思いますけどもね。あと、フェアプライス・エキストラというね、食品だけではなくて日用品とか雑貨、家電、もう何でも取り扱うハイパー的なね、そういうところもあると。コンビニ形態も2種類あって、1つはフェアプライス・エキスプレスというやつで、ガソリンスタンドに併設されているようなやつ、もう1つがチアーズで、これは通常のコンビニなんだけども。このフェアプライスというのがまず一番最大手になりますよと。

次がね、僕は結構好きなんだけど、昔から好きなんだけど、コールドストレージですね。たぶんね、オーチャードの高島屋の地下に入っているスーパーがコールドストレージなので、たぶんと言うか、コールドストレージなので、結構シンガポールに行ったことがある人だったら必ず高島屋へ行くので、地下で何か買ったりすると思うので、そこで皆さんが何か買ったのがコールドストレージだと思います。コールドストレージは結構歴史が古くて、1903年に新鮮で高品質の肉とか乳製品を扱う商人としてスタートしているんですよね。コールドストレージというブランドで1号店を出したのが1960年代に入ってからで。シンガポールの人々の日々の生活を支えていて。コールドストレージ以外にもブランドとしてはCSフレッシュとかね、マーケットプレイスとか、ジェイソンズとか、3つのブランドを展開していて、現在、全部合わせて50店舗以上は運営していると思いますけど。でも、そんなものなんですよ。どちらかと言うと、ちょっと高めのイメージのところかなというふうに思います。

3番手がシェンシヨンで。シェンシヨンは、これが確か、ちょっと中華系の匂いがプンプン、ほかのやつよりしますけど、1985年にディムブラザーズ、ディム兄弟によって創業されて、もともと小さな食料品として始まったんだけども、今は65店舗ぐらい運営しているというのがこのシェンションとか、シェンシヨン、言い方はいろいろですけど、僕はシェンシヨンと言いますけど、呼びにくいですよね。

4番手がわれらがドン・キホーテということで。2017年に1号店をオープンして、もうめちゃめちゃ人気だったんですよね。当時、焼きいもを焼いて「ドンドンドン、ドンキ」と言って、みんなそれを話題にしていてバズりまくって、ドンキってやっぱりすごいなと思って、5年で一気に、今、12店舗まで拡大していって。

シンガポールって、僕が住んでいた80年代とか90年代って、もう一番大きな町はオーチャードで、みんな、週末になったらオーチャードへ行くみたいな、それ以外はもう別に田舎みたいな、田舎というかベッドタウンみたいな、そういうイメージがあって、オーチャード以外行くところはなかったんですよね。とにかく何かと言ったらオーチャードに集まるみたいな、そういう感じだったのが、マリーナ・ベイ・サンズができて、大きないわゆる中心地がマリーナ・ベイとオーチャードと、2つまず絶対的に大きなのがあって、それ以外にも地方のジュロンとか言ったら工業区だったところが、どんどん、どんどん、ベッドタウンになっていて、昔、工場しかなかったよねみたいなところに街ができているんですよね。そういうところにどんどん、どんどん、スーパーが展開していっているので、基本的にシンガポールも、昔は労働、安い労働コストで商品をつくるような、生産拠点としての位置付け、当時ね、金融の拠点、貿易拠点というような位置付けもあったんだけども、生産拠点としての位置付けもまだあったんですよ。ただ、それが当時からどんどんマレーシアとかインドネシアとかタイに生産拠点が移っていってたので。今ではシンガポールの生産拠点って本当にハイテクなものであったりとか、あとは研究開発の拠点として。だから、ローテクをただつくるみたいな工場というのは、どんどん、どんどん、淘汰されていっているので。そういう意味ではね、街が大きくなっていって、そこにどんどんスーパーなんかが増えていっているというのが今の印象ですかね。

コンビニエンスストアもあるんですけど、セブンイレブンが大きいですけど、それでも430店舗なので限られていますよね。あと、チアーズ、さっき言ったフェアプライス系のチアーズが144店舗、それからバズが50店舗と、あと、SPCのガソリンスタンドの併設店とカルテックスのガソリンスタンドの併設店のコンビニがそれぞれ40、26という感じであるぐらいなので、そんなにコンビニが多いという感じではないですね、という感じですね。

なので、まあまあ、シンガポールというのは、そんな大きな国ではないので、いかにこの国からアジア、ASEAN、世界に波及するかという効果をにらんでやっていくというのが1つ理解をする、しながらやっていかないと、シンガポール単体だけを狙っていくんだったらやっぱり輸出にちょろちょろやって小さな売上を上げるみたいな市場にしかならないので。何度も言っていますけども、ASEANというのはマクロとミクロで見ないといけなくて、ASEAN6全体で戦略をつくっていきながら、都市別でより深く追求していくというね、2つの目が必要な市場なので、そういう意味では発信基地としては大変重要な拠点でありますよということでございます。

最後にもう1つスライドを。すみません。これは僕がシンガポールから日本に戻ってきたのが1990…、何年なんだろうな、1995年とかなのかな。ちょっとすみません。そんなものなので、それからさらに何年か経った2000年でこの状態なんですよね。それが今、まさにこんなような状態になっているので、この本当に数十年でシンガポールという国はめちゃめちゃ発展しているし、経済も含めて、マクロ、ファンダメンタルズで見ても、とても大きく発展をした国の1つであると。これはシンガポールだけではなくて、ASEANの首都はみんなこんな感じで、どんどん、どんどん、発展をしていっているので、日本ではなかなかちょっと馴染みがない変化ですけども、非常に大きな成長をしているというのがシンガポールでございます。

これで、今日でシンガポールは終わりにしたいと思います。次回ね、SMTの「M」、マレーシアのお話をしていきたいなというふうに思います。今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。