森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。今日は、本社と現地法人の関わり方というか、関係みたいなところについてお話を、適切な関係と言ったほうがいいですかね、本社の現地法人に対する適切な関わり方とか、本社と現地法人の適切な関係みたいなところのお話をしていきたいなと。これって戦略と戦術の適切な関係とかね、関わり合い方みたいなところにも非常に大きく関係してくるのですごく重要な話で。僕の今までの20数年のキャリアの中で、いろんな企業を見てきた中で感じる、こういう関わり合い方している企業ってやっぱり成功するよねと、一方でこういう関わり方をしている企業ってやっぱり失敗してしまうよねという、そんなところも少し交えながらお話をしていきたいなというふうに思うのですが…。
私のところにご相談をいただく企業というのは、100%製造業で、B2C、B2B問わず製造業です。最近、ここ最近のトレンドとして多いのが、やっぱりVIP、ベトナム、インドネシア、フィリピンと、ASEANだったらタイ、ここがやっぱり非常に多いと。一時期は中国が半分ぐらいあったのですけど、ここ最近やっぱり中国、今ああいう感じなので、政治がね、少し減少傾向にあって。あと、インドですね、こんなところが多いんですけども、主になるんですけど。もちろんアフリカが出てきたり、南米が出てきたりもしますけども、基本的にはこのタイ+VIP、インドみたいなところが非常に多いですよと。
その中でお客様はすでにもう何十年も前から基本的にはこれらの地域に進出をしていますよと。もちろんね、タイは出ていて、ベトナムも出ているんだけど、インドネシアも出ているんだけど、フィリピンがこれからとかね、一部の地域がこれからで新規になるとかっていうケースももちろんあるんですが、基本的にはやっていますと。その中でなぜ弊社にお問い合わせをいただくかと言うと、今までそんなに注目していなかった市場なんだけど、ここに来て非常に重要度が上がっているので、もっと劇的に成長させないといけないという、今までとはちょっとギアの違う成長をしたいということ、もしくは何か問題が起きていると、問題が起きているので、その問題を解決しないといけないという、この2つの理由がおおよその要因でご連絡をいただきます。われわれはマーケティグの支援をするわけですけど、マーケティングの中でも販売チャネルの支援をしていく。多くの日本企業は、一方的な製品の優位性では長けているんだけども、一方で相対的なチャネルの優位性で負けていて、シェアで負けているとか、成長率で負けているとか、なかなか成長に加速がつかないみたいな状況に陥っているケースがほとんどなので、そこを改善していくというのが私の仕事です。
そんな中で、もちろん進出を、現地法人がある市場をやるときに、戦略の再構築をしていくわけですよね。もう1回、1から市場を調べ直して、どこに課題が本当にあって、その課題を解決するには何が必要で、どういうレベルで誰がいつまでに何をしなければいけないのかということを明確にしていくということをやっていくんですけど。その中で、問題提起は現地法人も本社も持っているんだが、その問題提起に対して、じゃあ、戦略を再構築しようというときに誰がリーダーシップを取るかということなんですよね、今日お話したいのは。僕に依頼をくださるのは、現地法人というよりかは、本社の事業部ないしは経営戦略部、海外事業部みたいなところがほとんどです。その中でこれらの本社経営戦略部が非常に強いリーダーシップを持って現場の改善に取り組める会社と、そうではなくて、どことなく現地法人、現場に遠慮しながらね、後方支援的な立ち位置でいる会社では、やっぱり全然結果が異なる。良いのは前者なんですよ、絶対に。後者の会社というのはやっぱり中途半端な支援で終わるし、なかなか問題が起きても大きく改善するということはできなくて。これはつまり現地法人、現場の現地法人というのは何をしているかと言ったら、戦術を実行しているわけですよね。最前線で自分たちの戦術を日々繰り広げていて数字に追われていると。そういう状況下において、戦略というのは少し俯瞰した位置から状況を見て、客観的かつ全体最適で物事を組み立てていかないといけないプロセスなわけですよね。それを現場で戦いながらそんなことを組み立てられるかと言ったら、絶対にできないんですよね。戦術を実行している人が戦略を考えるなんていうことは、相当なスーパーマンでない限り難しいので。日々、数字に追われているわけですから。そうすると、やっぱり本社が強いリーダーシップのもと、それらをつくっていかないといけない。
もちろんこれは本社が現地法人以上に情報を収集して、現地法人の現場の最前線の人間の視点でしか捉えられていないこと以上のことを捉えてつくっていかないと、言ったら現実と乖離した戦略になってしまうので、そういうことはもちろん必要なんだけども。でも、やっぱり現場に遠慮しながら進めている会社と、ものすごく強いリーダーシップで進められる会社というのは全然違う。本当に2つのパターン、面白いぐらいにパカッと分かれていて。やっぱり前者の会社の案件を積極的にわれわれも引き受ける傾向が強くて、後者のね、どことなく遠慮しているような企業のあれだと、ご依頼を受けてもなかなかうまくいかせられないんですよね。なので、なんとなくお断りするというケースがすごく多くて。なので、ここね、本当に戦略を再構築するときにすごく重要なので。ちょっと今日はもう時間がきてしまったので、また次回、少し続きを話したいと思いますけど、そんな違いがございます。
皆さん、それではまた次回お会いいたしましょう。