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【本の解説】インドネシア市場 ハラル取得なくしてシェアなし

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森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、この『ASEAN6における販売チャネル戦略』、私が去年、同文舘出版から出した本ですが、この本の解説をしていきたいと思います。

今日は111ページですね。いよいよ第5章、インドネシアに入ってまいりました。111ページから114ページはね、ざっとインドネシアの基本情報をまとめています。例えば一般情報、政治体制、経済、それからGDPですとか、経済成長率、物価上昇率、貿易額、それから経済協力、二国間関係などなど、基本的には外務省のデータをベースに基本的な情報をまとめているというのが114ページまでです。最低限これぐらいはざっと頭に入れておいてくださいというようなデータですね。

114ページの下から、市場の特性、市場環境ということで、インドネシアについて書かせていただいています。115ページの上の図ですね、インドネシアの小売市場規模、2022年ですけども、この本を出したのが去年なので2022年の最新データで。当時ね、1ドルが136円だったので、もう今は150円を超えていますから、156円ですかね、20円上がってしまっていますからね、今日は2024年の、今、収録が5月ですけども、この時点で20円上がっているので。インドネシアの小売市場規模は41.2兆円というふうに申し上げておりましたが、ほぼほぼ50兆円に近いぐらいの金額に今の為替だとなるのかな。50兆円は言い過ぎですね。46兆、47兆ぐらいになるんですかね…。になってくるという感じでございます。もちろんですけども、ASEAN6の中では最も大きな市場であるということで。人口がね、そもそも2億8,000万人いますから、僕はASEANの中で最も魅力的な3つの国、VIP、ベトナム、インドネシア、フィリピンということで、ベトナムが1億、インドネシアが3億、そして、フィリピンが1億と、1-3-1というふうに多少誤差がありますけど、言っていますけども、そのインドネシアは最も人口が多い、非常に魅力的な市場であると。日本の消費財メーカーも、インドネシアには非常にたくさん進出をしていると、大変重要な地域として見ていますよと。そうですよね、ASEAN6の3割以上の市場の大きさですから。

ただ、この大きな市場の特徴の一番重要な部分というのがハラルになってくるんですけども、基本的にはハラルの取得なくしてなかなかこの市場で成功するというのは難しい。ハラルというのはイスラム教の教えで「許されている」という意味のアラビア語なんですけど、ハラルかどうかということはすごく重要で。イスラム教の人たちは、自分たちが食べるものがハラルなのか、ハラルではないのかっていうことに応じて食べる、食べないを判断していくので、「神に許されている」という意味でハラルということなんですよね。一方で、「神に許されていないもの」というのはハラムという、「ム」と、ハラ「ル」か「ム」かで全然意味が違うんですが、ハラルが神に許されている、ハラムが神に許されていない。シュグハという言葉がもう1個あるんですけど、これはどっちかよく分からないと。基本的には、どっちかよく分からないものはハラルではないので彼らは食べないわけですから、基本的にはハラルの取得が大変重要ですよと。

この法律も2024年10月に、今まではね、小売の一部輸入品棚とか、日本の食材ばかり売っている小売店とか、韓国の食材ばかり売っている小売店では、ハラル、イスラム教ではない人もいるのでね、基本的にハラルではないものも売れたんですよ。ただ、「置いても売れないよ、ハラルではないので」ということだったんですけど。これからはね、そもそも小売に置けないという法律が2024年10月に施行されるので、ハラルを取得していないとそもそも小売に置けませんよと。実際ね、本当に、じゃあ、小売から消えるのかというのはね、見てみないとちょっと分からないんですよ。なぜならば、それに対する罰則がね、どう施行されるかによって結果が大きく変わってくるので。罰則が軽いとね、そのまま置き続ける小売もあるわけなので、売れればね、売れるんだったら置くよという小売もあるので、基本的にはどうなるのかがよく分からないですよというのがインドネシアです。ただ、2024年10月からは、まあまあ、ハラルなくしてインドネシアへ行くというのは基本的にはないよねと、輸出の商品であったとしてもハラルですよということでございます。

インドネシアでね、ハラル商品、ハラルを取得すること、今度、マレーシアの展開も同時に楽にできるので、マレーシアもハラルの取得が非常に重要になってくるので。もちろんマレーシアの場合はね、2割3割の中華マーケットというのがあるので、インドネシアほどではないんだけども、基本的にはハラルが中心なので。今ね、もう、いわゆるイスラム教徒の人たちはASEAN中を移動しているから、ASEANの食品売り場でシェアの高い商品でハラルを取っていないものなんていうのはないのでね、基本的にすべてにハラルマークがついてますから、お菓子であろうが、何であろうが、飲み物であろうが、食品であろうが、調味料であろうが。なので、基本的にはハラルにしていくということが重要になってくるというのは1つの特徴でございます。

それでは今日はこれぐらいにして、次回はね、インドネシアの伝統小売についてお話をしていきたいなというふうに思います。それでは皆さん、また次回お会いいたしましょう。