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【本の解説】インドネシア市場 販売チャネルの『型』を構築する

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テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、この『ASEAN6における販売チャネル戦略』、私が去年、同文舘出版から出した本ですが、この本の解説をしていきたいと思います。

今日は129ページ、販売チャネル戦略、インドネシア、第5章ですね。中間層の支持を得るためにハラルを取得するということが書いてありますけども、この下段のところからですね。インドネシアで消費財メーカー、食品・飲料・菓子・日用品等のいわゆるFMCGのメーカーが事業を展開していく上で重要な要素って3つあって。1つがハラル。これはもうハラルを取らないとインドネシアではなかなか消費財メーカーがビジネスするのは難しいので。特にこの2024年10月から法改正が入って、基本的にハラル認証を取れていない商品は小売に並べることができないので、基本的にはもうハラルがマストになってくるというのが1つですよね。

もう1つが伝統小売の存在。これ、伝統小売はASEANの中で最も数が多い、447万店ありますよと。この番組でも伝統小売の存続がいかに存続していくのか、これからデジタル武装を始めた伝統小売がより便利な存在になっていくみたいな話もこのYouTubeでもやりましたし、Podcastでも何回かお話をしているので、ぜひ過去のログを見ていただければと思うんですけど。伝統小売が非常に多いという中で、存在感が非常に大きいと。これはもうインドネシアの当該事業の関係各位・各社、皆さん口を揃えて「インドネシアでは伝統小売の攻略ができなければシェアは上がらない」ということを言うし、「儲からない」というふうにも言うので、もうこれ、伝統小売の獲得はマストですよと。近代小売が3万8,000店舗ぐらいあるんですよね、主要どころで。でも、うち3万3,000店舗はインドマレットとアルファマートの2強のコンビニなので、そうすると、残すところ数千店舗。一方で447万店の伝統小売。これは毎年2万5,000店舗ずつぐらい減っています。仮に2万5,000店舗ずつ減っていたとしたって、これが全部なくなるのに200年ぐらいかかるわけで、倍のスピードでも100年ぐらいかかって、3倍でも60年ぐらいかかるわけなので、基本的にはその時間軸の中で伝統小売がもっとデジタル武装を始めますから、伝統小売はなくなりませんよと、伝統小売を攻略しないと基本的には駄目ですよというのが2つ目。

3つ目がディストリビューション・ネットワーク。これはどういうことかと言うと、地理的な問題もあるんですけど、まず447万店。じゃあ、主要どころの伝統小売が3分の1だったとしても150(万店)あるわけですよね。この150万店のディストリビューターを獲るのに、やっぱりディストリビューション・ネットワークを築いていかないとこれは難しいので、1社にお願いして、「はい、どうぞ」という話ではなくて、メーカー自身が二次店・三次店含めてある程度可視化をして管理をしていくということをやっぱりやっていかないといけない。仮に総ディストリビューターを使ったとしても、その先がどうなっているのかということは常に可視化をしておかないと、ここで止まってしまって情報が入ってこないと、総ディストリビューターに問題が起きたときにその先が見えないので、立て直しが非常に大変になってきて、主要6島、海を渡って6島に分かれていて、非常に広いこのエリア6島に分かれているので、そういう意味でもこのディストリビューション・ネットワークというのをつくっていかないといけない。

もちろんね、この2億7,000万~2億8,000万人のうちの1億2,000万~1億3,000万人ぐらいはジャワ島、ジャカルタ、首都ジャカルタがあるジャワ島に住んでいるので、基本的にはジャワ島がまずはプライオリティとしては一番高いんだけども、でも、そのジャワ島だけであったとしても、やっぱり伝統小売を獲るということはディストリビューション・ネットワークなので、基本的に配荷をするような小さいディストリビューターというのはある程度行動範囲が限られていますから。日本でもそうですよね。北海道のディストリビューターさんに九州のマーケットをお願いできるかと言うとお願いできないし、基本的には近隣都道府県ということになってくるわけなので。日本みたいにね、あらゆるインフラがこれだけ便利だったら近隣都道府県の移動時間も速いですけど、インドネシアみたいに、首都はもうしょっちゅうというか、毎日渋滞している中でね、インフラもそんなに整いきってない中で、100キロ移動するということが日本以上に大変な市場。そうなってくると、やっぱりディストリビューション・ネットワークをつくって、地域地域で任せていくということをやっていかないといけないので、このディストリビューション・ネットワークは大変重要ですよというお話でございます。そんなことが書いています。

ここから、129ページからずっとインドネシアの終わりまで、133ページまでなので、これはまだ今日1回では終わらないので、ちょっと次回、引き続きやっていきたいなというふうに思います。今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。