森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。今日は、リスクに対する免疫についてお話をしていきたいなというふうに思います。
日本人とか日本企業のリスクというものに対する免疫が、どれだけ他の海外、海外で一括りにしていいのか悪いのかという問題はありますが、他の国と違うのかということについてちょっとお話をしていきたいなというふうに思うんですけど。僕、こんなふうに感じるんですけど、日本の企業がなかなかリスクを取らないよねということは一般的に言われていて、僕もそんなシーンはたくさん見てきているので、とにかくリスクを悪、問題視するので、リスクというものは存在すらしてはいけないという考え方、リスクは避けないといけない、リスクはあってはならないもの、みたいな考え方ってやっぱりわれわれの中に根強くあって。一方で、アメリカを中心としたというか、先進グローバル企業とか、スタートアップ企業とかって言うと、リスクは取ってゲインを得るみたいな、大きなゲインを得たいんだったら、大きなリスクを取らなきゃそれは無理だよねということが考え方として当然あって。特にスタートアップなんかはね、失うものはないですから、リスクを取る以外何もないので、別に意識もせずにリスクを取っていくわけですけども。まあまあ、先進的なグローバル企業も結構果敢にリスクを取るよねと。その中で、以前ね、インプットの質が全然違うと、結局、リスクを取るにも、何も知らずにリスクにバーッと突っ込んでいって撃沈されて、これは意味がないので、基本的に情報収集が非常に重要で。インプットが情報ですから、情報をいかに入れて仮説の精度を上げていくことでリスクを攻略できるんだみたいな話はこの番組でもしたと思うんですけど。
そもそもの、いわゆる免疫力みたいなところのお話を今日はしたいんですけど。企業って何でつくられているかと言うと、人でつくられているので、そこで働く人のリスクに対する免疫力が高いのか低いのかみたいなね、こういうことで言うと、日本人のリスクに対する免疫力って著しく低いんだろうなというふうに思っていて、すぐ風邪をひいちゃうみたいなね。これって海外で生活している人はね、皆さんもご存じだと思うんですけど、中国に住んでも、アメリカに住んでも、ヨーロッパに住んでもね、思い通りに物事っていかないんですよね。いかないっていうのは、例えばタクシーに乗って目的地に行ってというのでも、なんか回り道されたりとか、ぼったくられたりとか、水道・ガス・電気通すときでも、手続き1つなんかうまくいかないみたいな、そういうのってすごくあって。それは別に外国語が分からないからとかじゃなくてね、その国の、何て言うのかな、民度と言うとちょっとなんか麻生さんみたいで嫌だけども、でも、そういうことだと思うんだけども、やっぱり何か普通に物事をする上でいろんな弊害がそこにはあるんですよね。だから、物事がうまくいかないということが当たり前の常識として自分たちの生活の中にあるので、物事はうまくいかなくて当たり前と。だから、それらうまくいかないことはすべてリスクですから、そういったものが受け入れられる耐性になっている、自分自身がね、抵抗力がついているわけですよね、うまくいかないことに対して。
一方で、日本人はうまくいくじゃないですか、すべてが。うまくいってしまうので、うまくいかないということをものすごい問題視してしまうわけですよね。逆に言うと、何でも丁寧にやり過ぎるみたいなね。これって日本の良いところでもあるんだけども、いざ、じゃあ、グローバルビジネスのリスクテイクというシーンに置き換えてみると、これだけいろんなことがちゃんとなる国ってやっぱりないわけですよね。僕、モノを送るとかね、モノを送ったのになんで届かないんだよとか、なんでこんなぐちゃぐちゃで届くんだよとか、日本でもたまに佐川が荷物を投げたとかって問題になったりはしているものの、基本的にめちゃめちゃ問題なく何でも届くし、電車は遅れないし、すべてがうまくいくじゃないですか。電車、時刻表はあってないようなものだっていう国なんていっぱいあるわけですからね、基本的にね。そうすると、これだけうまくいく国でね、うまくいかないなんていうリスク要因っていうのは、やっぱり抵抗力がわれわれは弱まっていて。
一方で、じゃあ、日本国内をうまくいかない国にしてしまえば抵抗力が上がるのかって、そうなんだけども、そんなことをしていったら意味がないので、やっぱり僕、海外でビジネスをしたりとか、海外に行くときはね、スイッチを切り替えないと、意識的にスイッチを切り替えるということをやっぱりやっていて。うまくいかないということに対して、1つ1つイライラしていたら、これはストレスになるし、事業においても、やっぱり日本国内であればこうだけども、海外でビジネスをするときにはやっぱりこういうリスクはもう受け入れていくしかないというふうに切り替えないと、日本でのやり方をそのまま海外に持っていって、あらゆるジャッジメントをしていたらね、それはリスクなんて取れないので、なかなか物事が前に進まないっていう、そういう話なので。そこはやっぱり切り替えていくということはすごく重要で。この免疫力がやっぱり全然違うので、切り替えるのも苦しいんですよね。苦しいからこそ意識的に切り替えていく、みたいなことがすごく重要だとつくづく感じる今日この頃でございます。
今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。