HOME » 動画番組 スパイダー・チャンネル » 【本の解説】マレーシア市場 伝統小売市場に関する考察

動画番組 スパイダー・チャンネル

【本の解説】マレーシア市場 伝統小売市場に関する考察

新刊はこちら » https://www.amazon.co.jp/dp/449565019X
定期セミナーはこちら » https://spydergrp.com/seminars/

テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、この『ASEAN6における販売チャネル戦略』 同文舘出版から私が去年出している本ですが、この本の解説をしていきたいと思います。

今日は194ページから、伝統小売に関する考察ということでお話をしていきます。伝統小売ね、マレーシアの伝統小売、そもそも人口が3,260万人に対して伝統小売の数が20万店です。最新の弊社のカウントで。一方で、近代小売は6,600店舗、7,000店舗、主要どころ、弱ありますので、それ以外にいわゆる近代小売でもないけど、伝統小売でもないみたいなね、グローサリー的なものも入れると、まあまあ、ほぼほぼ伝統小売抜きでもマイナスにはならない、現法を出してね、マイナスにはならない、そんな市場ではあるものの、この20万店の伝統小売をやっぱりしっかり攻略をしていくということも必要になってくる市場ですね。近代小売が終わってからですけどもね。

そう考えたときに、マレーシアってこういう感じの国かなみたいなね、シンガポールが先についていてと思いがちだと思うんですけど、この皆さんが想像するマレーシアの、このシンガポールの上のところ、ジョホールから上がってクアラルンプール、これは西マレーシアなんですよね。それの倍近い国土が東マレーシアって、この横にね、恐竜みたいな形をした島にくっついているわけですよね。この両方をやっぱり攻略をしていく必要があって。もちろん西マレーシアのほうが非常に大きな都市も大きいですし、費用対効果が良いので、分散を考えるとね、ディストリビューションの分散を考えると。なので、西マレーシアからやっていくということになるんですけど。やっぱり東マレーシアもね、サバ州とかね、サラワク州とかね、大きい州がありますので、そんなところを攻略をしていかないといけないと。ディストリビューター使ってやっていくわけですけども、まあまあ、ここの195ページから196ページのところで一応主要どころを書いています。DKSHとかね、あまり日本企業には向いてないかもしれませんけども、エティカとか、それから、デルフィー、デルフィーは有名ですね、デルフィー。それから、イーヴィーとかね、主要どころのディストリビューターは載せています。

このディストリビューターもね、もちろん主要だったらいいのかと言うと、必ずしもそうではなくて。やっぱり昔みたいに、とにかく日本企業様がご進出になられるので、現地の一番大きいディストリビューターさんと一緒にやっていこうとかね、現地の大手の財閥系なんかと合弁つくって一緒にやっていこうみたいなね、そういう感じではなかなかなくなってしまった。日本のプレゼンスがここぐらいの位置にあって、現地のいわゆる大手の財閥系と一緒に、プレゼンスはここなんだけど、市場のことはよく分からないから、こういう現地の大きい企業と組んでやっていこうみたいなね、こういう時代ではもうなくなってきていて。すべてはロジカルにマーケティングで動いているので、日本でのプレゼンス、日本企業のプレゼンスがガーンと落ちた状態でね、まったく今、実績が小さい中で、やっぱり向こうの大手のほうがこんな状態になっていて、これで組んでもね、やっぱりなかなかうまくいかないので。導入期戦略としては、僕は、必ずでかいディストリビューターがいいかと言うとそうではなくてね、でかいところというのはやっぱり重要なクライアントをいっぱい持っているわけですよね。より早い決断をダイナミックにできるような外資の先進グローバル企業とかね、そういうところともっとダイナミックなチャレンジ、投資をやっているわけなので、そこに一歩一歩石橋叩いてみたいな感じでやるんだとすると、なかなかこう、やっぱり文化が違って合わないので。ある程度、首根っこの捕まえやすい中堅クラスぐらいを捕まえて着実にやっていくというのが日本企業は向いているのではないかなというふうに思うので。ここに書いている主要どころが必ずしも良いかと言うと、そういうわけではないですね、ということでございます。

あと、ディストリビューターの特徴としてはね、マレー半島、西と、ボルネオ島の東の海を挟んで二分されているので、ここをしっかり流通させられるかどうかというのが1つポイントになっていて。結構、物流拠点をね、それぞれ皆さん、島渡って持っているので、そういうところをちょっと着目して見ていくと。ベトナムと違ってセールス機能はちゃんとありますから、セールスとデリバリー両方できるということが1つ重要ですね。そんなところで。

あと、販売チャネル戦略に関しては、伝統小売の数が絶対数がVIPと比べて少ないですから、基本的には近代小売中心に攻めていきましょうと。近代小売でやっぱりある程度の存在感を出すということが大前提としてあった上での伝統小売なので、近代小売をまず攻略するということを考えればいいですねと。198ページの準大手や中堅クラスのディストリビューターの活用、これはまさに、ちょっとすみません、先に言ってしまいましたけども、必ずその大きいところではないですよと、中堅クラスからやっていくということも1つですね。

あと、マレーシアはね、ROI、ASEAN全体で見たときに、ROIを考えたらね、あまり力を入れ過ぎないということもすごく重要だなと、戦略上。基本的にマレーシアで勝ってもASEAN全体で負けたらまったく意味がないので、ASEAN全体を捉えたときに、全体戦略とピンポイント戦略、両方つくらなきゃいけなくて、どの地域を優先するの?ということが、まず1つ、非常に重要なんですけど、同時にASEANの中では人・モノ・カネ・情報が非常に移動していて、1つの国で波及したものはもう1つの国に伸びますから、そこを踏まえてやっていくということが必要になってくると思います。

それでは皆さん、また次回お会いいたしましょう。