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【本の解説】タイ市場 攻略のポイント その2

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テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、この『ASEAN6における販売チャネル戦略』 同文舘出版から私が去年出した本ですが、この本の解説をしていきたいと思います。

今日は211ページ、タイですね。もう今日、今回で最後かな。ちょっと話しながらになるので、もう1回ぐらいになるかもしれないですけども…。この本の解説もだいぶ長く皆さんにお付き合いいただいて、これが終わったらね、また新しいことを番組でやっていきたいなと思いますが、もう少しお付き合いください。

この211ページからはね、主要ディストリビューターの紹介ということで、DKSHとか、シノ・パシフィックとか紹介しています。大きなところです。前回も前々回もお話しましたけど、タイというのは小売の交渉力が非常に強い。小売のパワーバランスが完全に小売なんですよね。なぜならば財閥系が小売を持っているから。それも2強財閥、CPとセントラルですと。セブンイレブン、それからロータス、マクロ、これはCPです。対してワトソンズとか、ロビンソンズ、それからトップスマートなんかは、あとミクシーなんかはセントラルですということで、どっちか決めてやってくださいと。だいたいCPじゃないですかというお話をしてきたと思うんですけどもね。

やっぱり小売が首を縦に振らないと入っていかないので、そこはすごく、小売に対してどうやってプレゼンするかということはすごく重要で。ディストリビューターももちろん小売との関係がありますからいいんですけど、ディストリビューターっていろんなブランドを取り扱っていて、その中で新規でやるとか、もしくは売上がまだ大きくないって言うと、当然ながら小売に対する交渉も、やっぱりこっちが重要だから、こっちの交渉って力がやっぱり加減としてどうしても弱めないといけない。要は小売に対してね、5のブランドを扱っていて、そのうち一番売上の取り扱いが低いのが御社ですという話だとしたら、やっぱりディストリビューターにとってはこっちの4社のうちの特に2社が大きいのでここの要求をしっかりと小売にのませないといけない、そういう話になってくるので、こっちの話が後手後手になるわけですよね、強く言えないと。一方で、皆さんにとってはこれだけなので、やっぱりいかにここを話していくか。よくあるのは、ディストリビューターが小売に会わせてくれない、小売と話をさせてくれない、なんなら小売と話をしているディストリビューターの担当者とも話させてくれないという、基本的にはいわゆるプリンシパル、メーカーの窓口の担当者としか話せなくて、ディストリビューターの中でもメーカーの窓口担当者、それから小売と商談をする人、このメーカーの窓口の担当者が直接小売と商談するわけではないので、この中でいくつかの部門や人を経て小売との交渉になっているわけなんですよね。そうすると、本当にこっちが真意としているものがちゃんと伝わっていますかというと、なかなかそうはなくて、どんな商品、どれだけ安いみたいなところで結局最後決まってしまう。これだとなかなか日本企業の良さ、消費財メーカーの良さって出てこないので、そこはやっぱり1つ注意するべきところ。どれだけ直接小売と話ができるかということはすごく重要で、弊社なんかは、弊社のクライアントは弊社の人間が直接小売と話をして、お客様をお連れして、最後とどめを刺すという、こういうプロセスをしっかり取っているので、やっぱりそこまでやっていかないとなかなか取り扱われない。そんなに今、「日本製だから、はい、取り扱います」なんていうことにはならないので、向こうから強い要求も来るし、それをはねのけながら切った貼ったをやっていくというのはかなり大変ですけど、でも、それをやらないと、ディストリビューターによっては御用聞きだし、ディストリビューターによっては、あれだけ「Aの方向で行こうね」と言っていたのに、小売との商談のテーブルについた途端、小売が「Bだよね」と言ったら、「はい、Bです」ってね、もう言いなり状態なシーンを僕は何回も見てきたので、あんまりディストリビューターに頼っても僕は意味ないなと、タイに関してはね、非常に強く思っていますと。それよりも小売に紹介してもらったほうが中間流通マージンを抑えられるというメリットもあるので、僕は、もう圧倒的に小売であるという、そんなお話になります。

あとはね、そうですね、ディストリビューターの特徴、もともとタイというのは製造業が非常に多いわけですよね、GDPに占める製造業の割合というのが30%ありますから、非常に製造業が多いと。自国でつくっているものを製造業がわざわざ販社を外に出すというよりかは、基本的には自分たちでつくって自分たちで小売に話をするということなので、自国に、タイの中に工場があるようなメーカー、タイメーカーっていっぱいあるんですよ、食品メーカーとかもね、非常に大きなメーカーがいっぱいあって、直接やっぱり小売と交渉していますよというのが1つですと。便宜上、便宜上というか、ある目的があって中間流通を挟んだりというのは当然あるんですけども。だから、中間流通事業者の多くが輸入品の取り扱いをやっているという、そういう流れがあるので、基本的に輸入品をやる、輸出でやる、タイでつくってタイで売るというのはもう直接交渉って、これは当たり前の話で。もちろんそこでね、運ばせるとかいう、機能を部分的に中間流通を使うというのは全然OKで、ただ、交渉を直接できていない、小売を握れていないというのが、僕はメーカーにとっては非常にアンコントーラルブルだなというふうに思っているだけでございますと。輸出でね、日本からの輸出でやる場合でも小売とやっぱり話せますから。実際にうちの今の現状のクライアントで、輸出でやっている商品で小売と話せていますから。そして、小売に指定されたディストリビューターを使って中間流通マージンを低く抑えられていますから、基本的には可能ですよと。

あと、213ページ、販売チャネルの戦略、バンコク中心でやってくださいねとか、214ページ、財閥系小売を攻略してくださいねというようなお話、ずっとしてきたお話になります。

ということで、タイも今日でおしまいです。ちょっとね、次回もう1回ぐらいラップアップ含めてやっていきたいなというふうに思います。それでは今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。