森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。今日はインドネシアですね。前回までタイだったので、今日はインドネシアになります。対象は食品・飲料・菓子・日用品等の消費財メーカーさんになります。FMCG周りですね。B2Bの製造業の方がいらっしゃいましたら、自分たちのインダストリーに置き換えて聞いていただければなというふうに思います。
このシリーズでタイ+VIPみたいなお話をしますよということを言って、前回までベトナムをやりましたと。ここ5年ぐらいを見ても非常にタイ+VIP、ベトナム、インドネシア、フィリピンに関するお問い合わせは弊社でも、プロジェクトとしても非常に多いので、たくさんのメーカーがこの地域を狙っていると。当然そうですよね。タイはそこそこ人口がある上に1人あたりのGDPも非常に高い国ですから、当然ビジネスとしてはASEAN6の中では非常に重要なエリアであるということと、VIPもね、ベトナムで1億弱、インドネシアで3億弱、フィリピンで1億強ということで、1、3、1というふうに覚えてもらったらよろしいかと思いますけども、基本的にFMCG、消費財は胃袋の数になりますから。日用品は食べないから胃袋で例えるのは良くないかもしれないですけど、人の数になるので。なおかつ若い胃袋、若い人、消費者、これが重要になってくると。そうすると、平均年齢も20数歳という非常に若い国がこのVIPですから、大変重要なエリアになってくると。
今日はインドネシアの話ですけどね、インドネシアで事業をやる上で、やっぱり攻略、攻略というか、成功するためのポイントって3つ大きくあって。ここの3つをしっかり組み立てていくということをやらないといけなくて。まず1つ目は、何を言っても、どう言い訳しても、ハラル取得ということで。ハラルがないとそもそも事業になりませんよというのがこのインドネシアの市場なんですよね。イスラム教ですから、これはハラルというのは神に許されているという意味で、神に許されているものでないと食べられないんですよね。そうすると、やっぱりハラルである必要が絶対あると。許されていないものはハラムと言うんですけど、絶対にハラルの取得。今年の2024年10月以降でしたかね、確か小売で売られる商品のハラルマークの取得の義務化みたいなものが課せられていて、基本的に、今、この法案の施行前でも、基本的にハラルの承認が取れていないものはね、日系スーパーには置かれても、基本的にはローカル系のメインストリームには置かれない。なぜならば買わないから、誰も、みたいなね。それを置いていることが小売側としてちょっと問題みたいな。それが今回10月、2024年10月以降の法改正で、さらにハラル取得されていないものを置いておくのがもう問題だよねみたいな。もうね、ハラル取得しようかどうしようかって考えているような次元ではなくて、もうインドネシアで売られているというか、ASEAN全体で売られているもの、皆さんどれでもいいからパッケージをとったらね、必ずハラル承認マークがついていますから。もうこれだけ大きなイスラム圏の市場でハラルを取らないというのはもうないので。基本的にはハラル取得はマストですねというのがまず1つですよね。
2つ目が、これはコンビニの2強体制ということで、アルファマートとインドマレットという2強のコンビニがあるわけですけど、この2つで3万5,000店ぐらいあるんですよね。3万5,000店近く、前後だったか…。ちょっとすみません。厳密な数字を今覚えてないですけど、3万5,000店ぐらいこの2つでありますよと。インドネシアの全体の近代小売の数って、主要なところは4万店ぐらいなんですよ。そのうちの3万5,000店がこの2社のアルファマートとインドマレットに牛耳られていて、もう日系のコンビニも全然歯が立たないし、それ以外のところって、アルファマート系のアルファミディっていうのが、これもコンビニカウントしていますけど、1,800店舗ぐらいとかね。サークルKとか500店、ファミリーマート200店舗強みたいなね、こういうレベルなので。セブンイレブンは撤退しましたみたいな。そうするともうまったくやっぱりこの2つに比べると、ほかはお話にならないので、基本的にはこの2強コンビニが非常に大きいですよと。でね、これを考えるときにどう考えるかと言うと、これだけ店舗を持っていたら小売の交渉力がどれだけ強いかということをご理解いただけると思うんですけど、非常に小売交渉力が強いと。インドネシアもね、フィリピンとかタイと同様に財閥系が非常に強いですから、そんなところも含めて見ていくということがすごく重要。
3つ目が、主要6島に地理的な分散がされていますよということが1つ。もちろん首都ジャカルタのあるジャワ島が一番大きくて、ここにだいたい1億人ぐらい住んでいるので、2億7,000万のうちの1億人以上ここに住んでいるので、基本的にはジャワ島を獲るということが非常に重要になるんですよね。だって、スラバヤだって、バンドンだって、第2の都市なんかもこのジャワ島にあるので、人口も大きい、首都もあるということで、ジャワ島を獲っていくんですけど。基本的にはその他のエリアにも半分以上の人口が住んでいるわけですから、この主要6島を獲るための、ここで初めてディストリビューション・ネットワークというのが必要になってきて、それぞれの地域でディストリビューターをそれぞれに活用するというよりかは、サブディストリビューター経由でディストリビューターのネットワークを組んでいくみたいな、こんなことをしていかないといけないと。
この3つの重要なポイントの背後にあるのが伝統小売で、447万店伝統小売があるわけですよね。対して4万店しか近代小売はないので、基本的にインドネシア、小売、中間流通、どのインダストリーの業界関係者に話を聞いても、「伝統小売をやれなかったら儲からない」ということはもう確実に言いますから、FMCG、消費財はね。なので、この伝統小売の攻略というのが大変重要なポイントになってくるということでございます。
次回以降ね、ちょっとそれぞれ説明をしていきたいなというふうに思います。それでは皆さん、また次回お会いいたしましょう。