森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は、ベトナムのお話をしていきたいと思います。対象はFMCG、食品・飲料・菓子・日用品・文具などのFMCG並びにその周辺の消費財メーカーが対象になります。
前回までね、フィリピンのお話をさせていただいて、今日からベトナムのお話をちょっとしていこうかなというふうに思っています。ちょうどね、この収録が、これがね、実は放送されるのは1月だと思うんですけど、1月21日にちょうど、ベトナム、インドネシア、フィリピン市場の参入戦略セミナーというのを、SPYDERセミナーを半年ぶりに開催する予定で。ちょうど7月にね、弊社は本社をこの虎ノ門ヒルズ 森タワーに移転させてきて、バタバタしていて半年間、自社セミナーをやっていなかったんですけど。今までアメリカンクラブでやっていた、東京アメリカンクラブでやっていたセミナーをこっちに持ってきてね、虎ノ門ヒルズフォーラムで第1回目を久々に開催をするということで。もうね、ちょっとお席が残っているのか、残っていないのかね、収録の時点ではまだ席がありますけど、実際にこれが放送されるときには席がまだあるのかないのか分かりませんが、ご興味のある方はね、ぜひ弊社のホームページから見ていただければと思います。
そんな中で、ベトナムの市場についてなんですけど、やっぱりこの5~6年、非常にこのVIP、ベトナムに対するプロジェクトも非常に多かったですし、たぶんこの流れというのは向こう5年6年続いていくんだろうなというふうな感覚を非常に強く持っています。なぜこれだけVIPが熱いあれを受けているかと言うと、1つはね、中国からだいぶFMCGは腰が引けたというのが1つ大きく、これは間違いなくあると思うんですよね。僕は、中国は腰が引けている場合じゃないよと思うので、引き続き中国はやっていかないといけないというふうには思っています。いろんな難しさはあるものの、中国は中国で大きな市場、景気が低迷しているとはいえ依然大きな市場なので引き続きやっていくと。同時にやっぱりこのVIPの市場、タイ+VIPという意味ではね、このVIPは非常に大きくて。なぜ消費財メーカーはここを狙っているかと言うと、基本的には胃袋の、食品メーカーなんかは特にそうですけど、胃袋の数なんですよね。ベトナムで1億弱、9,750万人ぐらい人口がいて、インドネシアで2億7,000万人ぐらい、フィリピンで1億強なので、この3カ国だけで5億人近い人口がいます。なおかつ、この5億人の胃袋はとっても若いというところが非常に魅力的で。平均年齢20代、若い胃袋はたくさんものを食べます。若い人たちはたくさん消費をするので、消費財メーカーにとっては非常に魅力的な有望な市場であるというのが今のVIP市場、ベトナム、インドネシア、フィリピン市場でありますと。それが日本から時差1~2時間のところに存在していてね、飛行機で行ってもね、フィリピンで4時間半、一番遠いインドネシアでも7時間半で行けるということで、この市場を獲らずしてどこを獲るんですかというのが今の現状の流れなのかなと。
やっぱりベトナムもね、フィリピンもインドネシアもそうなんですけど、消費財メーカーさんは何に一番の課題を抱えているかと言うと、やっぱり伝統小売の攻略に一番の課題を抱えていて、ストアカバレッジを伸ばせなかったらもう勝てないんですよね。若い胃袋まで到達しない。いくら近代小売で商品を売ったって、伝統小売の店先にしっかり商品が並ばなければ、この中間層の若い胃袋は獲れないよねという、ここの課題がやっぱり一番大きくて。やっぱり見てみると、日系のスーパー止まりのステージのメーカーもいれば、ローカル系の近代小売の棚のステージのメーカーもいるし、伝統小売まで行っているステージのメーカーもいますと。ただ、まだまだ不十分でそこに課題が残っているみたいなね、そういう企業が多いのかなと。ベトナムの小売市場の規模は、だいたい今の為替レートで23兆円ぐらいあるわけですよね。23兆円。日本が150兆円なので、それと比べるとだいぶ小さいですけど。でも、このASEAN6で見るとね、ASEAN6全体では150兆円近いので、基本的にはASEAN6で見たら、もう日本と変わらない。ベトナムだけで見ると23~24兆円ぐらいということで、少し小さくは見えるものの、これは日本の小売市場以上のスピードで成長しているし。あと、ASEAN6の中では人・物・金・情報がものすごく速く行き来しているので、このASEAN6の150兆円を獲るという意味ではベトナムを押さえるということは非常に重要であるというのが1つあるのかなと。
こんな重要なベトナム市場なんですけど、やっぱり近代小売の数がね、主要なところでまだ8,500とかね、そんなレベルなので、基本的には伝統小売が66万店ぐらいあって、まだ8割ぐらいは伝統小売で商品が流通している、食品及び日用品カテゴリーにおける近代小売と伝統小売の比率を金額ベースで見たときに、8割は言い過ぎかもしれないですけど、少なくとも7割ぐらいはそっちで流通していると。いかに近代小売を押さえながら、そこである程度のプレゼンスを発揮しながら、伝統小売に配荷をするかということはすごい重要で、8,500店舗にいくら商品を並べたってね、日販どれだけ売ったって、9,750万人の人たちには届かないですよね。なので、66万店の伝統小売をどれだけ獲れるかと、そのうちの食品だったら30万店ぐらいがたぶん食品が置いてあると思いますので、35万店ぐらい置いてあるかな、40万店ぐらいかな。なので、それをどうやって獲っていくかと。一気に40万店なんて獲れないので、いかに毎年毎年ストアカバレッジを増やしていくかということが、ひいてはセルアウトを増やすということにつながるわけなので、そこに課題を皆さん抱えていますよ、というのが1つですかね。
ちょっと今日はね、また時間が来てしまいましたので、これぐらいにしておきますけど、また次回、ベトナムのお話を引き続きやっていきたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。