森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、インドネシアのお話をしていきたいと思います。前回に引き続き、対象はFMCG、食品・飲料・菓子・日用品等のFMCGメーカー、並びに文具などその周辺のメーカーさんが対象です。
インドネシアね、市場参入する上で重要なポイントは…、前回、市場規模が45兆円ぐらい、今の為替で日本円でありますよというお話をしていて、日本の小売市場規模がだいたい50兆円なので、3分の1ぐらいと。ASEAN6全体で150兆円ぐらい、小売市場規模がね。なので、3分の1ぐらい、ASEANの3分の1ぐらいの市場をインドネシアが持っていますよと。当然ですよね、2億7,000万人の人口を抱えていて、今最も熱いインドネシアと。
インドネシア市場にとって、いくつかね、重要なポイントがあって、戦略を組み立てる上でここは避けて通れませんよという問題がいくつかあって、その1つがハラルですよという話を前回少ししていて。2024年10月から、もう小売自体がハラル認証を取ってない商品は置けないという新たな法律が施行させていますから、基本的にはもうハラルマストですよと。輸入品だろうが、現産現販だろうが、ハラルですと。やっぱりこれ、われわれは本当の意味での理解がしにくいと思うんですよね、イスラム教徒じゃないしね。なんだけど、ハラルのはね、この意味を考えると、どういう意味かと言うと、神に許されているという意味なんですよね、ハラルというのは。神に許されているものだから口に入れることができるし、手に取ることができると。その神に許されているマークがついてないということはハラムということになって、結局、神に許されてないというものになってしまうんですよね。そしたら、なかなかやっぱり手に取ることって難しくなるので。ここはすごく宗教観の違いだと思うんですけど、ハラル認証はもう軽く見れない。もうこれはだんだん消えてなくなるものかと言うと、僕はそんなことはないと思うので。100年200年300年の単位で見たらね、ちょっと分からないですけど、基本的に企業の経営計画の中で見ると避けては通れないので、ハラルの対応をしていくというのはもう絶対ですよ、というのが1つですよね。
あと、近代小売の数に対して伝統小売が圧倒的に多いので、447万店あるんですよね。近代小売って3万8,000店舗ぐらい、主要どころで、どこまでを主要と含めるかによるんですけど。そうすると、この447万店を本当にどうやって獲るんですかというところがすごく重要なので、これは他のベトナムやフィリピンと一緒のように、ディストリビューション・ネットワークをつくっていくということはすごく重要になってきますと。一方で、このインドネシアの3万8,000店ぐらいの近代小売、これに関しては、何がポイントかって言うと、コンビニがね、インドマレットとアルファマートというインドネシアの2強のコンビニが非常に強くて、これが店舗数だけで3万5,000店舗ぐらいあるわけですよ。これだけね、3万8,000店舗のうちの3万5,000店舗ぐらいあると、もうどれだけ小売交渉力が強いかということが想像にたやすいということで、非常にハードな交渉を強いられると。だから、これらのコンビニを押さえていく、攻略していくということは、つまりは伝統小売のストアカバレッジも同時に上げていかないと、トータルでプラスにはなりませんよということはすごく重要。前回も言いましたけど、インドネシアでね、どの小売事業者、どの中間流通事業者、どのローカルの製造業、先進グローバル企業含めてね、話をしても、「伝統小売の攻略なくして利益なし」ということは言っているので、伝統小売は避けて通れないし、それをやるためには近代小売もやらないといけないんだけども、2強のコンビニの小売交渉力というのは相当なものですよというのが1つですよね。
あとは、これね、伝統小売のディストリビューション・チャネルにも関わってくるんですけど、主要6島あるわけですよね。首都のジャカルタとかね、スラバヤとか、バンドンがあるジャワ島があるし、上、その左上ぐらいにスマトラ島があって、ジャワ島の真上にカリマンタン島があって、ジャワ島の右上の島群がスラウェシ島で、最後、ニューギニアと半分ずつしている、パプアニューギニアと半分ずつしているニューギニア島、あと、バリ島だね、皆さん、観光で行かれると思うんですけど。ここを含めてディストリビューション・ネットワークをつくっていくんですけど。基本的にはね、このジャワ島で1億人いるわけですよね。まずはジャワ島からやっていくと。ジャカルタ、スラバヤ、バンドンをやるっていうのが戦略の王道だと思うので、そこからまずやって、いきなりすべての島にという話ではないですし。どのメーカーを見てもね、やっぱりディストリビューション・ネットワークをつくっているので、そこをどうやってうまくつくれるかというのが重要になってくるよねと。
あと、伝統小売に関してはね、これ、447万店あって、過去のこの5年とか、ずっと見ていくと、毎年3万店ぐらい減っているんですよ、過去5年、平均すると毎年3万店ぐらい減っていますよと。ただ、じゃあ、これは減っているから伝統小売を無視していいのかと言うとそういうことではなくて。もう447万店あるとね、毎年3万店ぐらい減ったところで全部減るのに150年かかるみたいなね。倍のスピードで減っていったって90年かかって、3倍だったって50~60年かかるという。50~60年かかったら、市場は決まってしまっているわけなので、やっぱり伝統小売は避けて通れないというのは1つあるのかなというふうに思います。じゃあ、伝統小売が3万店減っていて何が増えているの?って、別にスーパーも増えてないし、ハイパーマーケットもそんなに増えてないし、いわゆるガソリンスタンド型のコンビニもそんなに増えてなくて。通常のコンビニが増えていますよと。この通常のコンビニも、誰が増えているの?と言うと、インドマレットとアルファマート。ただ、彼らの伸びもね、かつてに比べると近年かなり鈍化しているので、基本的には伝統小売が今後デジタル化していくという流れのほうが僕は圧倒的に早いと思っているので。そうすると、実は伝統小売のほうがほかのあらゆる近代小売よりもね、コンビニよりも利便性が高いということに消費者が気づき始めて、伝統小売が新たなかたちにね、デジタルで新たなかたちにトランスフォームしていくことでね、かなり絞られるものの、利便性が上がって顧客が、1店舗あたりの顧客が増えて生き延びていくというふうに僕は見ているので、伝統小売の攻略は大変重要ですよというお話でございます。なので、このハラル、それからコンビニ2強、主要6島、その狭間で近代小売と伝統小売を攻略していくと、特に伝統小売のディストリビューション・ネットワークをどうしていくか、みたいなのがインドネシアのポイントになってくるのかなというふうに思います。
2025年、半年ぶりに1月21日に、VIP、ベトナム、インドネシア、フィリピンセミナーを始めて、これからも定期的にセミナーをやっていく予定です。次はタイぐらいをやろうかなと思っています。タイもね、非常に注目が熱いので。なので、皆さん、弊社のホームページでセミナー情報をチェックしていただいて、事前登録をしていただくと、セミナーの案内を送っていますので。うちのフォームね、結構、工夫していて、僕、フォームを入れるときに余計なことをいっぱい書かせたりとかね。フリガナとかね、フリガナ要るの?みたいな。あと、電話番号なんか、会社と携帯と両方、いや、かけてこないでしょみたいな。フリガナも、データとして読み込むのに、どう読むかっていうことまでフォームに入れる時点でね、あまり必要ないんですよね。なのにね、不必要な情報を企業はいっぱい取ろう取ろうとするのでね。もううちはね、「名前、会社、メアド」みたいなね、非常にシンプルな。携帯は聞いたかな。突然、セミナーの会場が変わったりとかね、緊急連絡があったら連絡しないといけないので。でも、日中つながりやすい電話番号しか聞かないので、会社の電話番号は聞かない。部門も聞かないみたいな。ただ、無関係な人が来られても困るので、一応、会社と、あれは、Gmailは駄目よみたいな、そういうのはありますけど。非常に楽な問い合わせフォームになっていますので、ぜひ皆さん、登録をしていただければなというふうに思います。
それでは今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。