森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も、FMCG、食品・飲料・菓子・日用品・文具…、化粧品まで入っちゃうかな、その辺りの製造業向けで、対象地域はASEANでございます。前回からの引き続きだけども、日本マーケティング協会でお話をする機会が毎年あって、非常に意識の高い協会なので、そこに参加されている生徒さんの質問も非常に良い質問が多かった。なので、そんなことをちょっと加味してね、今日のエピソードを引き続きやっていきたいなというふうに思うんですが…。
前回ね、ASEAN地域に出るときに何が必要ですか、どう戦うかよりも、どこで戦うかをちゃんと考えたほうがいいという、そういうお話を前回していて。今度はね、「どう戦うか」のね、じゃあ、どこで戦うときに、またどう戦うかなんだけども。マーケティングの主軸を自社で持つということをやっぱりする必要がすごくあって。なんでかな、少し前のね、少し前というか、10年15年20年ぐらい前の名残りかもしれないんだけども、日本企業って、販路に関して、誰かの販路を使おうというね、そういう発想がどうしてもぬぐえない。例えば合弁をやる理由、生産設備が必要だから、その投資を半分にしたい、なおかつ彼らが既存で持っている販路を使いたいみたいなね、こういう進出形態っていまだに結構あって。でも、これって外資規制があって、外資100%で会社設立できないときの進出の主流なスタイルでね、外資規制がない国でわざわざこれを本当にやる必要があるのかって言うと、結構、互いのコンフリクトとか考えてしまうとね、あと、最終的にやっぱりどうなんだっていう、なかなか、ウィンウィンってよく言うんだけどもね、そういうケースっていうのが少ないような気がするんですよね。別に合弁が悪いと言っているわけじゃないんだけども、やっぱりマーケティングの主導がね、全部向こうに渡ってしまって、マーケティングの主導をわたすということはね、もう言いなりになるということなので、やっぱりマーケティングの主導はこちらで握っておく。これはディストリビューター、独資で出て、もしくは輸出でやって、でもいいんですよ。それでもやっぱり、今度は相手がね、今度は合弁とかじゃないので、ディストリビューターを使うという話になりますよね。このディストリビューターにマーケティングの主導を握らせるとやっぱり、万に一つ成功したらいいし、その成功している時期はいいんですよね。ただ、やっぱりどこかのタイミングで必ずコンフリクトが起きるので。メーカーとしてはもっとこうしたい、ディストリビューターとしてはこういう状況にしておきたいというね。やっぱりマーケティングの主導権というのは、こっちで握っておきながら、その一部をやらせる。何も全部自分たちでやると言っているのではなくてね、全部理解した上でやらせるのと、まったく理解してないから主導権を握ってもらうのとでは、やっぱり得られる結果が全然違うので。シェアの高い企業で、マーケティングを他人主導でやっている、他社主導でやっているなんていうのは1社の事例もないのでね。合弁先が主導してやっていますとかね、もしくはディストリビューターが主導してやっていますというのは一切ないので。やっぱりそれはしっかりやっていかないといけないし。現地法人があるのにローカルの小売と直接商談してないとかね、こういうのは結構まだまだあるんですよね。「えっ、何のための現地法人なんですか」という。だって、小売と直接商談をする、例えばタイのCPオールとかセントラルと直接交渉するってね、これは財産ですよね、コミュニケーションを、リレーションシップを積み重ねていくね。フィリピンのSM、ピュアゴールド、ロビンソンズと直接交渉するって、これは本当に財産、ベトナムのウィンマート、ロッテマート、これらと直接交渉、インドネシアだったらアルファマート、インドマレットと直接交渉していくって、これは本当にメーカーとしての財産なので、やっぱりマーケティングの主導は自分たちで握るというのが絶対ですよというのが2つ目の重要なポイントかなと。
これで、どこで戦うか、前回のお話と、どう戦うかということが初めて合体して、しっかりとしたマーケティング活動ができるということになるので、自社主導のマーケティングをするということは大変重要ですよというお話でございます。
今日はこれぐらいにしたいと思います。それでは皆さん、また次回お会いいたしましょう。