森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は、魔法のフレームワークについてお話をしていきたいと思います。
「魔法のフレームワークって何なんだ?」ということなんですが、先日ね、あるお客さんにね、「森辺さん、今、戦略つくっています」と、新興国市場展開のね。「どんなフレームワークが一番いいんですかね」という類の質問を受けまして、そのときに僕がずっと使っている魔法のフレームワークをご説明したんですけど。魔法のフレームワークって何かって言うとね、マーケティングの基本プロセスというものなんですけど。ChatGPTにでもちょっとパッパッと引くか、Googleで検索してもらったら、いろいろ出てくると思うんですけど、「R」-「STP」-「MM」という言葉が出てくるんですけど、「R」はリサーチの略で、「STP」はセグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの略で、最後、「MM」はマーケティングミックス、4Pですよね、4Cとかね、これの略で。この3つのセクションに分かれる、このフレームワークをやると、未参入の国に一番最初のステップ1から実際にシェアをさらに拡大させていく高度なレベルのところまでね、すべての課題、問題は、このフレームワークが最適化されていればクリアできるというね、非常に優れたフレームワークなんですよね。マーケティングの基本プロセスと言うだけあって、めちゃめちゃ素晴らしいフレームワークで。僕はいろんな戦略をつくるときに、このフレームワークは絶対にベースとして使っていて、それだけで十分ですよという、そんな話をして。
フレームワークって、僕らは学問のために別にやっているわけではないので、基本的にそれが実践利用できないとね、実戦配備できないとまったく意味がないので。机上の空論でね、「なんかきれいなお絵描き、パワーポイントでできました。うわー」っていう話じゃなくて、「お絵描きなくても売れればそれでいい」というのが結論ね。ただ、やっぱり「なぜお絵描きするの?」と言ったら、万に1つ成功してもね、お絵描きがないと、それは再現性がなくなっちゃうからなんですよね。なので、自分でフレームワークを使って、仮説をつくってやってみて、成功して、一発で成功することはないので、修正して、また仮説を立ててやってみてということを繰り返していくと、1つの成功モデルが型として残るわけですよね。そうすると、それは応用が利くと、再現性がありますよと。そのためにフレームワークを使う。だから、あまりフレームワークをガチガチやってもしょうがなくて。なので、やり過ぎは駄目ですよと。魔法のフレームワークはマーケティングの基本プロセスですよと。
あと1つね、めちゃめちゃ重要なのは、フレームワークは情報がインプットとして中にパンパンに詰まってないと、まったく意味ないわけですよね。間違った情報、少ない情報、粗い情報、解像度の低い情報、こんなものをいくら詰め込んでも、やっぱり質の悪いインプットでは質の悪いアウトプットしか出てこないので。質の悪いアウトプットを実行すると、質の悪いアウトカムにしかならないということを考えるとね、情報収集ってめちゃめちゃ重要で。国家間でもそうだと思うんですけど、なぜ強い企業の、強い国のね、国家の諜報機関はあれだけ優れているんですかと、世界中の情報に対してね。それはもう、情報がすべてだからなんですよね。日本でも言葉では情報戦とか情報重要って言うんだけども、情報にお金を払うという、情報に労力を割くという、ここがやっぱり今一つついてこれてなくて。なぜならば、これは無形だからなんですよね、情報というのはね。また、情報だけだと知って「ふむふむふむ」と言うだけなので、あまり意味がなくて、知った情報に対してどう対策を打つかという、これが価値に変わるので、そこまでやらないと、情報だけあったって「ふむふむふむ」と言っているだけで、価値にはならないから、なかなか抵抗がある。ただ、アジア新興国市場なんていうのは情報戦なわけですよね。先進国では分かりきっているような情報がない国というのがアジア新興国市場で、この国で一番重要なのは情報ですと。つまりは、調査をケチっている企業は絶対に成功しない。シェアの高い企業は、調査は投資だというふうに捉えているし、調査をコストなんていう捉え方はしていないですよね。ここで言っている調査というのは、消費者調査も重要なんだけども、自分たちの目的に直結する調査はどういう調査なのか、それを最小限のコストで投資対効果でやるためにはどうすればいいのかって、もうこれは経験値に裏付けられた調査設計に尽きるので。ダメな調査をいくらやってもね、お金が無駄になってしまうだけなので。でも、広告に比べたら全然いいと思いますよ。砂漠に水をまくような話ですから。調査はね、少々お金をかけて間違った方向の調査をやったとしても、砂漠に水をまくようなことにはならないのでね。土に水をまくぐらいで済みますからね。
なので、まあまあ、ちょっと話が逸れましたけどもね、とにかく魔法のフレームワークということで今日のお話は終わりたいと思います。魔法のフレームワークは、やり過ぎても意味がないですよと。お勉強じゃないですよと。基本、マーケティングの基本プロセスで十分ですよと。フレームワークというのは情報を入れないといけない。だから、調査は重要ですよというお話でございました。それでは今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。