アジア新興国 4P分析は他社との比較
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テキスト版
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、『製造業のためのアジア新興国販売チャネル戦略』について解説をしていきたいと思います。今日はね、89ページですね、89ページの4P分析は競合との比較ということで。前回ね、3C分析のお話をしましたけど、3C分析というのは客観的な事実の把握ですよと。いかにバイアスのかかっていない真実、事実を集めてくるかということはすごく重要で、市場、競合、自社に関して真実を集めてくださいと。事実、ファクトベースで集めてくださいと。市場に関しては比較的デスクリサーチで十分集まりますよと。そんなに大してお金をかける必要はないですよねと。今ならもうChatGPTに任せてしまいましょうみたいな、そういう世界ですと。一方で、競合に関しては、やっぱりわれわれのような専門機関に依頼をして、しっかりと予算を組んで集めていく。競合の基準値を100とした場合に自分たちがどれぐらいの競争力にあるのかに応じて戦略なんて全然変わってくるので、競合の競争力を明確に分からずしてシェアを上げていくなんていうことは、もうロジカルに考えたら、合理的に考えたら無理なので、競合調査をしっかりやりましょうねと。自社に関しては客観的な評価がすごく重要。自分たちが良いと思っているもの、それは多くが日本をベースにしたときに良いと思っているものというのは、アジア新興国市場に行ったときに必ずしも良いものにはならないので、客観的に見ていきましょうということが重要ですよと。なので、前回、3Cはファクトだとお話をしたと。
今日の4Pに関しては、プロダクト、プライス、プライス、プロモーションに関してはね、これは事実ではなくて、競合との比較なんですよね。競合との比較。この3Cと4Pの組み合わせがなぜ魔法のフレームワークかと言うと、マーケティングの基本プロセス、「R」-「STP」-「MM」、これ1つやれば基本的には大きな失敗はしないし、問題の多くはこの中に潜んでいるというのはもう大前提としてあって。もう1つ、じゃあ、魔法のフレームワークを挙げるとすると、この3Cと4Pの組み合わせで、3Cは事実の把握、4Pは競合との比較。このね、今言っている3つぐらいのフレームワークが完璧にロジックがしっかり合っていて、私が見て、「うん。これは整合性取れてますね」というものができたらね、そんなにこう、数字が上がらないとか、大きな失敗をするということはまずない。うまくいかない企業は必ずこのフレームワークの中にたくさんつつくポイントがある。このフレームワークが完璧に仕上がっているのにうまくいかないというのはもうあり得ないので、非常に重要なフレームワークとして覚えておいていただいて。
われわれは、こういうフレームワークって別に学問でやっているわけではないので、実践でどう使うかと。そうすると、僕はこの3つのフレームワーク以外使う必要はないと思うんですよね。使っちゃ悪いというわけではないですけど、そんなにゴリゴリやっても意味がないので、僕はこの3つぐらいのフレームワークにしていて。この4Pは競合との比較で、例えばプロダクトが競合と比べてどうなのか、プライスが競合と比べてどうなのか、プレイス、チャネルが競合と比べてどうなのか、プロモーションが競合と比べてどうなのか、全部、比較論で見ていくんですよね。なぜならば、消費者なりユーザー、B2Bだったらユーザーは、それをベースに買っているわけですよね。あなただけ、ドーンともうエボークドセットに御社の商品しかないなんていう状況がつくれていたらね、それはそれでもう、ものすごく価値なので、良いことですけど、多くはそうではないわけですよね。顧客が買おうと思ったときにエボークドセット、頭の中にイメージする、あれとあれとあれの中でどれにしようかなって、ここにないものはそもそも選ばれないので、ここの中で競合していくわけですよね。そうすると、4Pなんかはまさに競合との比較で見ていかないとまったく意味がないですよというお話で、90ページまでね。そうすると、3C分析というのはファクトの把握だし、4P分析というのは他社との比較ですよと。
なので、結論としては、調査が本当に重要で、もう「調査をケチるなら海外出るな」というぐらい、調査は本当に重要です。調査に予算をかけたことないとか、自社の社員で調べるとね、そういうレベルで戦ってないんですよね、シェアの高い企業というのはね。調査を経てこのインプットを増やしていくから仮説の精度が上がって、仮説の精度が高いから実践したときの誤差が最小限で済んで、最小限で済むから走りながらまた前に進めてという、好循環スパイラルが生まれてくるので、とにかく調査をやるということが重要。シェアの高い企業は調査を費用とは考えていない。調査というのは投資であるというふうに考えていますよと。それが、僕が今まで見てきた、これは日系・外資限らずね、シェアの高い企業というのはものすごく調査をやっていますというお話でございます。
それでは皆さん、今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。