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Reference Value(基準値)を持つと戦略が明確になる

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森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は、セミナーの…、カンファレンスか、カンファレンスのね、『SPYDER Global Marketing Conference 2025』の案内ではなくて、『製造業のためのアジア新興国販売チャネル戦略』と、私の新刊の解説をまた続けていきたいなというふうに思います。

今日は第5章、100ページですね。基準値を持つと戦略が明確になるということでお話をしていきたいと思います。この基準値ね、Reference Valueというふうに言いますけども、このReference Valueを持っているか持ってないかで本当に成果って大きく変わってくる。やっぱり今まで見てきた、これは日系、欧米系、ローカル系問わずね、シェアの高い企業というのは、このReference Valueを明確に持っているんですよね。自分たちの、言ったら競争力ですよね、それを数値でしっかり把握していて、自分たちがシェアを、じゃあ、ここまで上げるためにはどうあるべきなのかっていうことが明確になっている。Reference Valueって、平たく言うと、自分たちが達成しようとしている目標、もしくは売上、シェア、こういったものを達成するために何が必要なのかという基準となる数値のことなんですよね。例えば競合の競争力を100とした場合にね、競合からシェアを5%奪いますと、自分たちがシェアを5%上げたいとなったときにね、じゃあ、5%上げるためにはどうしたらいいの?と。シェアというのは、ひとりよがりで上がっていくものではなくて、100%というシェアがあって、これを何社かで獲り合っているわけですよね。自分たちがシェアを上げようと思うと、競合からそのシェアを奪ってこないといけないと、つまりは競合との戦いなわけですよね。そうすると、競合の競争力を100とした場合に、自分たちの今の現状が80なのか、50なのか、30なのか、これによって戦略って大きく変わってくるわけですよね。30の会社が戦おうとする戦い方と80の会社の戦い方って全然違ってくるわけで。この基準値が分かっていないと、いわゆる今、手の届く範囲でできることを積み上げでやっていきますという話になるんですよね。そうすると、蓋を開けるまでやれるかやれないか、勝てるか負けるかが分からない。結局、結果論になってしまうわけですよね。結果論になるということは、結果指標の追っかけになってしまうので、まったく意味がなくて。これって戦略的でもないし、なんでもないという話になってしまうんですよね。だから、いかにこのReference Valueをしっかりと持つかということはすごく重要で。5%上げるためにはね、例えばもっと具体的に言うと、競合のディストリビューターは3社いますと。その3社の競争力ってこういう競争力ですと。それは自分たちは1社で、こういう競争力しかない。もうこれを比べただけで、ディストリビューターの時点で全然かなってないわけですよね。もっと深堀っていくと、じゃあ、そのディストリビューター1社あたりに専属のセールスが50人いますと。さらにこの50人は、1日あたり15件回っていますとかね、小売店をね、例えばB2Cだったらね。B2Bだったらユーザーを5件回っていますと。一方で自分たちは小売店は5件しか回っていません、ユーザーは3件しか回っていませんといったら、もう日々それだけ差がついているということですよね。ここをどうやって上げていくかっていうことがシェアを5%獲るということにつながるわけなので、ここで負けていたら永遠にシェアなんて獲れないわけですよね。このReference Valueをちゃんと持っているか持ってないか。もう明確ですよね。自分たちはどこまでやらないといけないのか。まずそもそもディストリビューターが足りてなかったね。ディストリビューターの中の組織も間違っていたよね。ディストリビューターの中の組織がどう動くかという、この動きも間違っていたよねって、ここを改善していくから売上が上がるしシェアが上がるという話なので、やっぱりこのReference Valueをしっかり持つ、見る、自分たちの競争力が数値で把握できてないとね、これはなかなか勝てないですよね。自分たちはいけてるの、いけてないの? たぶんいけてないと思いますぐらいまでは分かっているわけですよね。もしくはいけてないですというところまでははっきり分かっていると。ただ、どういけてないのか、どれぐらいいけてないのかが数値で分かってないと、惰性で本当に手の届く範囲でやれる範囲のことをやっていきましょう、一生懸命頑張りましょうと、こういう考え方だとやっぱりなかなか今の時代、アジア新興国は苦しいですよね。全部を俯瞰して理解をして、Reference Valueを数字で把握した中で、じゃあ、どういう戦略をつくるんですか、どういう戦術でいくんですかということを考えないとやっぱり非常に難しいので、この基準値を持つということは大変重要ですよというお話でございます。

今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。