森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は何の話をしようかな…。あっ。前回の続きをやるって言いましたね。前回の続きをやります。
その前にご案内です。最近、私のYouTube番組『SPYDER CHANNEL』が非常に好評で。カメラを替えてから好評なのかな。ソニーのVLOGカメラ、一番新しいやつだと思うんですけどね、それに替えてから、非常に画質も鮮明になったんですかね。話している内容はあまり変わらないと思いますけど。(笑)ただ、好評で、こんなマニアックな番組なのに、チャンネル登録者数が2,000人を超えまして、大変うれしく、このマニアック度合いで2,000人を超えるっていうのは、通常は20万人ぐらいのレベルだと思いますので、ぜひ皆さん、YouTubeのほうもご覧になっていただければと思います。
次回…、前回か。前回の続きで、調査が重要ですよとずっと言ってるけども、「なんで調査が重要なのか、もっと具体的に教えて、森辺さん」と、「そうしないと調査にね、何百万も何千万も使えないよ」ということをおっしゃっていた方がいらっしゃったので、そのお話の続きをしたいなと思うんですけど。結局、今、日本のね、僕、この25年間見てきた製造業の抱えてる課題って、そんなに高度な課題で問題を抱えているかって言うと、そうじゃなくてね、例えばもう先進グローバル企業のようにね、大きなシェアを持って、さらに、じゃあ、次のシェアにいくとかね、さらに次の10年先、20年先を見据えた戦略をつくるとかね、そういう話じゃないんですよ。そういうレベル感ではなくて。もっと低いって言ったら失礼だけど、もっと低いレベル感のところの課題感に今いて、非常にシンプルに言うと、ターゲットに対してどうやって4Pを最適化するかみたいなところで、そのパズル合わせと、あと、それぞれの4つのPの深さで悩んでますと。じゃあ、その要因は何なのかって言うと、市場、流通、競合のことを知らなさ過ぎるっていう、もうこれに尽きるんですよね。市場のことを知らない、流通のことを知らない、だから、いつもディストリビューターの言いなりになっている。市場のことを知らない、流通のことを知らない、競合のことを知らないから、間違ったディストリビューターとずっと商売をしてるとか。競合の競争力を知らないから、自分たちの、じゃあ、営業マンの数や能力、それから活動のパフォーマンスのROIも全然上がらないとか。結局は、5%シェアを上げるとか、10%上げるとか、売上を上げていく、これはね、そもそものその売上が低かったら、前年比でドーンと上げるっていうのは簡単なんだけども、シェアで考えないといけなくて。結局、海外売上比率なんていくら上げたってね、それがシェア1%にしか満たなかったら、いつか淘汰されてしまうので、重要なのは現地シェアです。現地シェアを5%上げるということは、競合からシェアを5%奪ったから自分のシェアが5%上がるだけの話でね。だけの話っていうか、自分のシェアが上がるわけであって、自分たちだけでね、シェアは勝手に上がっていかないわけですよ。どこかから奪わないと絶対にシェアは上がらない。そうすると、競合が何をやっているか、競合の競争力がどうなんだっていうことを分からなかったらね、戦略も戦術もないんですよね。戦略や戦術はそこからつくられるべきであってね。その仮説の精度がやっぱり低いと、打ち手がね、間違った打ち手を打ってしまう。もしくは打ち手が出てこないっていう話になってしまうわけでね。なぜ前に進めないのかは、やっぱり市場を知らないからだということがね、僕は本当にこの25年のキャリアの中で本当に感じるんですよね。これは消費者のこともそうなんだけども、消費者というよりかは、もう少しマーケティングの土台。消費者っていうのは、マーケティングのターゲットに対しての4Pが最適化されて、一回り、二回り、三回りもした状態でさらにどんどん加速していくときにやっぱり消費者をもっともっとっていう話なので、もっと産業寄りの調査のことを僕は言っているんだけども。でも、やっぱりそこを知らなさ過ぎるんですよね。
競合が、競合の競争力ですよね。もう、すべてはね、基準値って、僕、レファレンスバリューってずっと言ってて、「もう、おまえ、レファレンスバリュー、レファレンスバリュー、うるさいよ!」って思っているリスナーさんもいらっしゃるかもしれませんけども。でも、本当にそこで、そこが分かれば勝ち筋見えるんですよ。だから、もう徹底的に調査をするっていうことをやらないと。四六時中、調査をする必要はないのでね、土台をつくるために可視化しないといけない。だって、分かんないんだもん。真っ暗な海に飛び込んだら、下に岩があった、サメがいた、浅かったって。そしたら頭を打ってしまうじゃないですか。そうすると、やっぱりサーチライトで海底を照らす、これがまさに調査なのでね。自分たちの勝ち筋をどうやってつくっていくかっていうのに、市場のことも、流通のことも、競合のことも知らなかったらね、それはつくれないよねという話なので。
日本企業、うまくいってない企業はね、もうね、100%ターゲットに対して4Pが最適化されてないんですよ。もうここが絶対に大きな問題としてね。これ以外にね、課題がありますなんていうのはね、ものすごい高度な課題だから、そこはまた別次元。そんなところで悩むのは、まずターゲットに対して4Pが最適化できている企業なので。できてなくて。明治大学の名誉教授の大石先生も言ってますけどね、特にこのチャネルなんだと。プロダクトとプライスは一対なのでね。ここに問題があるのは、もう、これはわしは知らんという話でね、メーカーなんですから、製造業なんですから、プロダクトとプライスの問題は自分たちで解決しましょうよって僕はすごく思っていますと。一方で、プロモーションに関しては、いくらプロモーションかけようが、チャネルと同じスピードでかけていかなかったら、もう、砂漠に水をまくようなものなわけですよ。なので、プロモーションは少し置いておきましょうと、チャネルが最適化するまでね。そうすると、やっぱりプロモーションの効果を最大にするためにも、チャネルをやっぱり最適化しないといけなくて。日本の、特に消費財メーカーのチャネルはシェアの高い企業と比べて著しく劣っているというのは、もうもう事実としてあるわけですよね。これはもう、みんなが認識していて。ここをつくり上げていくっていうところが、まさに型づくりなわけで。これを俗人的にやるのではなくて、戦略的に型をつくっていく。1回型をつくってしまえばね、これは模倣困難性が高い上に、崩れるのがそんなに安々と崩れない。瞬時にチャネルはできないのと同じでね。でも、チャネルをつくるスピードのほうが、崩れるスピードよりも速いので、1回つくってしまったら、長きにわたりしっかりメンテナンスしていけばね、ずっと改良できるので、チャネルは生き物ですから。そうすると、すごくROIはね、投資対効果はいいんですよね、チャネルに投資するというのはね。でも、そのチャネルがどうあるべきかっていうのは、やっぱり可視化の作業、調査をしていかないとまったく分からないので。でも、「調査をする予算がありませんって言うんだったら、もう海外に行くのはやめなさい」って言わざるを得ないぐらいに、やっぱり海外に行くってね、知らないのに行かないほうがいいですよね。絶対失敗するので。万に一、成功したとしても、その成功は再現性がないので、他の国には応用できないし、永遠にその成功は続かない。なので、最初から行かないほうがいい。行くのであれば、やっぱりちゃんと武装しましょうよと。どこまで武装すればいいのかは調査しないと分からないですよということを強く申し上げて、今日の番組はこれぐらいにしたいと思います。
すみません。皆さん、また次回お会いいたしましょう。