ASEAN どんな企業が成功し、また失敗しているのか
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テキスト版
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。前回でね、私の本の解説が一旦終わりましたので、『製造業のためのアジア新興国販売チャネル戦略』のお話が終わりましたので、今日から何を話そうかなと思ってちょっと、さっき考えていたんですけどね、少し、いつもしないような話をしようかなと思っていて。私はこんなことをね、かれこれ25年近く、まだ25年近くなのかな、やっていますと。その中でいろんなお客さんに出会うわけですよね。それは個人としてのお客さん、個人というか、企業がお客さんなわけですけども、いろんな企業に出会うと、企業というのは中で働いている人と実際にはお取り引きをするわけですから、まあまあ、いろんな人に出会ってきて。その中で、思い起こすといろんなお客さんがいたなということを想像しながら、どんなお客さんが成功してきたんだっけなとか、どんなお客さんが失敗してきたんだっけなとか、あと、こういう傾向のお客さんって結構多かったよなとか、でも、こういう傾向だと失敗していたなとか、成功していたなとか、全般的に日本企業はこうだよねみたいな、そんな特徴がやっぱりあって、自分の中でパターン化しているんですよね、型化するというんですかね。そんな中で、どんなお客さんが実際には成功していて、どんなお客さんが課題感が10年前と変わっていないのか、みたいなところをね、少し整理をしながら話していこうかなと思って、ちょっとうまくお伝えできるか分からないんだけど。
まず、全般的に言って、やっぱり知識量が圧倒的に足りないよねというのは1つあると思うんですよね。知識、それから経験、それに基づくさまざまなノウハウという、これが満ち足りていたら、私の存在は意味がないし、弊社の存在は意味がないので、それは弊社にとっては良いことなのか、良いことというか、当たり前のことなのかもしれない、それを専門にしているのでね。そういう中で、知識量、インプットが少ないよねという。日本企業は総じて、この番組でもね、いくつかのエピソードで何回も言ってきたけども、すごい高度なところでアジア新興国戦略で課題を感じている企業というのはもう本当に一部で、多くはかなり真正面のところでね、低いとかではなくて、多くはそんなに変化球ではなくて、ドストレートのところで課題感があって、この多くはしっかりと調査をすれば解決ができますよという話はこの番組でもすごくしてきたと思うんですよね。どんな調査をすればいいのかとか、調査に対する考え方とか、なぜ調査が重要なのかとか、そんな話を散々してきて。なので、それは1つあるのかなと。そこの知識って、やっぱり自分が何を経験してきたか、何を知識として持っているかによって、どういう思考回路が働いて、どういうアウトプットを出すか、判断するか、みたいなのって大きく変わってくるので、やっぱり知識や経験が少ない、もしくはアジア新興国に沿った知識や経験が入っていないということは、間違ったアウトプット、間違った判断をしてしまうという可能性は当然高くなるわけですよね。それがやっぱり非常に多いなというのは絶対的にあるので。世の中で出版されているアジア新興国市場に関する本とか、マーケティングの本とか、僕なんかは、もう20代30代前半のときには、もう死ぬほど読んだんですよね。現場にも死ぬほど行って、本に書いてあったことが現場の目の前で起こるので、それが初めて自分の中にストンと落ちてくるという、こういうことなんだなということを思ったので。行って、ただ見に行っただけだとね、そこで何かものすごい重要なことが現場で起こっていることを気付かないということが多いんですよね。スーッとこう、重要なことは流れていって、ただ現場の景色として流れていってしまっているだけで気付かない。でも、やっぱりいろんな、本を書くということはね、それなりに有識者であって知見のある人が、いろんな本があると思うんですよね、レベル含めてね。その中で、その人たちが書いているものを一旦頭に入れて現場に行くとね、やっぱり、「あっ、これだ。このことなんだ」ということがパッパッパッと出てくるので、それはすごくたぶん大切なことなので、本で入れてから現場に出るということは散々やったし。
やっぱり、なぜ、じゃあ、少なからずお客さんにこうして長きにわたって必要とされているのかなって思うと、調査をやっぱり散々やってきているので、その知見が相当に貯まっているということなんだと思うんですよね。なおかつ、製造業に完全に特化をしていて、今は7~8割が消費財メーカー、食品・飲料・菓子・日用品・文具・化粧品をはじめとする消費財のメーカーで、なおかつ、グローバル戦略全体を描きますとかね、M&A含めてやりますとか、そういうことは一切言ってない。「工場設立やりますとか、会計やりますとか、そういうことはやれません、やりません。われわれがやれるのは販売チャネルの構築だけです。シェアを5%上げたいお客さんだけ来てください」ということを明確な方針として、特にこの10数年は打ち出してきているので、それによってノウハウの幅がギューッと狭くなったんだけども、一方でそのノウハウの深さがグーッと深まったというのはね、やっぱりすごく正しい経営判断だったなというふうには思うので。よく選択と集中とかってね、言いますけども、言葉としては分かっているんだけども、自分で経営をしてみると、それはすごく感じるところがあって。まあまあ、ちょっと話が逸れましたけど。
だから、やっぱり調査の重要性というのはね、調査しない会社はやっぱり駄目ですよね。インプットを入れない会社。僕が今、お付き合いしている会社もやっぱり個別の社名は守秘義務もあるので言えませんけども、アジア新興国市場でやっぱり高いシェアを持てている会社というのは、めちゃめちゃ調査をやっているし、分からないことを調べて分析して、それを客観的にやるということが習慣化されているので、「あっ、もうこの好循環の習慣を手に入れている会社と競争しても、そりゃあ勝てないよね」って、「どんなに製品力を磨いたって、だって、マーケティングロジックに乗せてないんだもん」ということはすごく思うので。やっぱりね、調べる、知る、知識を増やす、ここはものすごいやっぱり重要だなというふうに思います。
あと、もう1つがね、素直なお客さんと素直じゃないお客さんというのがいてね、これもね、やっぱりこうして10年20年経って蓋を開けてみると、やっぱり素直なお客さんとはここまで来れたし、素直じゃないお客さんは10年前の課題と全然変わってないところにまだいるなという、そんな景色もあるので。ちょっと時間が来てしまったので、その素直なお客さんと素直じゃないお客さんの違いみたいなのを次回やってみようと思いますけど、今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。