森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日はね、先日、うちのYouTube番組『SPYDER CHANNEL』でも話をしたんですけど、すごくね、面白いデータを調べていたので。YouTubeのほうを見てもらったらね、もう放送されているのかな。ごめんなさい。YouTube、収録をしたのでね、ちょっと放送がいつか分かりませんけど…。
何を収録したかというと、ASEAN系とか、中国系とか、欧米系のFMCGのトップ10企業の企業名とか、売上とか、主な領域とか、代表的なブランドみたいなものを表にして見ていたんですよね。なんでこんなことをしてたかと言うと、結局、僕、すごく現場でね、消費財メーカーの販売チャネルをつくっていて、常に持っている認識としてはね、現場ですごくミクロの最前線の販売チャネルをどう競合よりも強いものにしていくかっていうことが最大のミッションなんですけど。一方で、これだけの労力をここに費やして勝ったとて、少し俯瞰してね、まあまあ、例えばそれを、じゃあ、フィリピンでやっていますとかね、ベトナムでやっています、インドネシアでやっていますと。そこで勝ったとて、アジア全体での競争がどうなっているかっていうことをもう一方の視点で見ておかないと、その労力が報われなかったりするわけですよね。要はタイミングだと思うので、すべては。もっと早い時期にね、誰もアジア新興国をマーケットとして捉えてない時期にやってたんだとすると、そんな俯瞰した絵は見なくてもいいんだけども、今の時代って、もう大陸間で、例えば菓子メーカーとかね、乳製品メーカーとか、調味料メーカーとか、何でもいいんですけど、飲料メーカーとか、陣地取りをしているわけじゃないですか。そうすると、なかなかそういうスピード感でベトナムをやっていてもまったく意味がないので、もう今、これ、競合って、ここのこの10社でそれぞれがこういう動きをしているから、もうこことここを買いましょうと、ここは自前でやってこっちとこっちも買いましょう、みたいなことを俯瞰して考えていかないと、局地で勝てても全体で負けるみたいなね、こういうことが起きるわけですよね。
われわれの仕事は局地戦でどう勝つかということを考えていくということの仕事のほうが圧倒的に多いので、相対的にどうかっていうのはね、それこそ世界を代表するようなコンサルティングファームと一緒に各メーカーさんがやられていて、その中で「ここが重要だよね。じゃあ、ここをお願いします」とわれわれのところに下りてくるというケースが多いんじゃないかなと思うんですよね。ただ、中には全体最適で見てなくて、単純に局地戦だけを見ているというメーカーもね。1兆円を超えてくるとそんなメーカーはいないですよ。だいたい大手のグローバルファームが入って、世界全体を見ながらやっていると。ただ、数百億とか、1,000億、2,000億、これぐらいのサイズ感だと、全体像を見れてないっていうケースは結構あって。そんな中で、僕もこの20年間、ASEANのFMCGのメーカーを見てきている中でね、「こんなに大きくなったんだ」とかね、こういうことを感じていると、「あのときに少し出資をしていれば」とか、「あのときに買収していれば」みたいなね、そんなことは結構多く感じるんですよね。例えば中国のね、食肉加工メーカーとかね、乳製品メーカーとか。当然ですよね、人口が多いですから。特に乳製品の会社なんてめちゃめちゃあるんですよね。中国のFMCGでくくってトップ10で言うと、やっぱり乳製品がね、結構、3割ぐらい、10社のうちのね、占めてきたりするし。ASEANでもね、僕、ASEANの企業がね、もうすでに1兆円を超えてきているFMCG企業が存在しているということにすごく大きな衝撃をね。消費財でね、FMCGで1兆円超えるっていうのはね、日本でも数えるほどしかないですよ。それがASEANでもね、そんな企業が生まれてきているみたいな、そんなリストをYouTubeのほうでも出していて。
これ、Podcastは音声なのでね、ちょっとあれですけど。例えばね、ASEANのFMCGトップ10だとね、CPフーズなんかね、もちろんタイの出身のCPフーズですけど、140億USドルなので、3兆、4兆ぐらいあるんですかね。めちゃめちゃ大きいわけですよね。インドネシアのインドフードとかね、あと、タイユニオングループの水産加工、缶詰の食品メーカーですけど。あと、フィリピンのユニバーサル・ロビーナとかね、インドネシアのマヨラ、それからタイビバレッジも大きいし、シンガポールのデルフィーとかね。あと、どこだ。まあまあ、そんなのがいっぱいあるわけですよね。この会社の10年前とかね、15年前、20年前の姿を考えたときに、「あー、タイミングだよな、ビジネスって」っていうことをすごく思うんですよね。あのときやっぱりね、ASEAN市場なんて大したマーケットじゃなかったわけですよね。まだやっぱり、今でもそうですけど、国内だし、当時の経営陣がASEAN市場をどう考えていたのかとかね、そんなことを振り返るというのもね、次の20年の経営戦略を正しい方向に導く上では非常に重要なケーススタディなんじゃないかなと思うんですよね。もう引退されているようなあれですけども、そういう人たちが、当時、何を考えて、何を判断したのか、何を判断しなかったのかっていう。
ただ、1つ間違いなく言えることは、この20年でASEANのFMCGのメーカーはとてつもなく成長して、これからも爆発的に拡大する胃袋、中間層を考えると、日本の消費財メーカーよりも成長率は高くなってくるということなのでね。日本は少子高齢化ですから、胃袋が、まず数が少なくなる上に、胃袋が歳を取っていくと。歳を取った胃袋はたくさんの食品を食べれませんから。一方で、平均年齢が30代、30歳前後のASEANの胃袋、5億人ぐらい、5億胃袋ぐらいあるわけですよね。それ、若い胃袋は3食ではもう足りないんですよね。間食も入れると4食5食やっていくわけですから。どっちが、じゃあ、食べるんだって考えたときにね、食品メーカー、菓子メーカー、飲料メーカーにとってはやっぱりASEANの市場ってとてつもなく重要で。特に僕はタイ、ベトナム、インドネシア、フィリピン、この4カ国っていうのは数が圧倒的なので。ここだけで5億人いるわけですよね。なので、そういうね、少し俯瞰した見方っていうんですかね、そんなことをしていくこともすごく重要だなと感じる次第でございます。
良ければね、ぜひYouTubeのほうも見ていただいて、表が出ていると思いますので。すみません。ちょっとこの番組の放送のときにそのYouTubeが公開されているのかどうかあれですけども。では、今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。