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ASEAN 売るべき小売を明確にする

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テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は…。今日はね、FMCG向けの話をASEANでやろうと思うんだけど。その前にね、ちょっとこの、いつも収録しているね、カメラをソニーに替えて、ソニーのVlogカメラに替えて、たぶん画質がすごく良くなったんじゃないかなと思うんですけど。この「いつも収録している場所がどこなんですか」という質問が来てたので、これは僕のオフィスの僕の席ですというのが1つと。「後ろの棚のやつは何ですか、私物ですか」みたいな話だったんだけども、私物とかもありますと、バッグとか。「お酒があるけど、好きなんですか」っていう質問があって、お酒は飲めないので、飲まないです。このお酒は貰い物で、いただいて、僕が飲めると思ってたぶんいただいていて、「飲めないんです」って言うとシラケるじゃないですか。妻はすごく飲むので、妻のところに持っていったりもするんですけど。いただいたものなので飾っていますと。お酒を飲まれる方とご一緒のときに開けたらいいのかなと思って置いているという。あと、アートの本。アートの本、はい、アートの本はあります。アートは1つも持っていません。ただ、アートの本を見るのが好きで、オークションとかを見たりするのも好きで。1つも持ってないんですけど。良さがね、あんまり分からないというか、いや、とてつもなく評価がね、世の中に評価されているものはいい、美術館見に行ってもいいんだろうなっていうのは分かるんだけども。アートの本を見てるのが好きで、アートは持っていませんと。あと、車も好きなので、車の本があったり、あと、マーケティングの本があったり。極力、仕事のものはあまり置きたくないようにしてるんだけども、そういうわけにもいかないので、一応、そんな感じで質問への回答でございます。

では、すみません。ちょっと早速、本題でございますが、今日はね、ASEAN、FMCG、食品・飲料・菓子・日用品で、前回の続きとも取れるのかもしれないんですが。やっぱりこのFMCGのね、アジア新興国展開において、このエピソードでも口酸っぱくなるぐらい話してますけど、「誰に」売るかを明確にしましょうと、「誰と」売るかよりも「誰に」売るかが重要だよと。この「誰に」というのは、消費者のことをね、もちろん最終的にはそこなんだけども、僕はね、もっと手前のね、売るべき小売を明確にするということがFMCGのメーカーにとってはすごく重要で。どの小売に売るんですかと。これはね、近代小売、伝統小売っていう問題だけじゃなくてね、近代小売の中でも、どの小売からやるのと、全部の近代小売に売るのが一番いいわけですけども、すでに競合がこれだけいる中でね、主要な棚は競合の商品であふれている中で、全部に「お願いします、近代小売さん」「リスティングフィー、はい、これだけになります」って、そんなお金払うんですかと。たぶんそんなことはしたくないはずで。一方で輸入品棚とメイン棚の区別があまりできてない企業とか、あと、やっぱりその国の小売を見たときに、自分たちはこの小売とまず半年1年、こういう独占的な契約で進めて、これぐらいのところまでいった後にこっちの小売に進めていこうとかね、こういうことをやっぱりしっかりしていく必要があって。それをディストリビューターと一緒にやるなんていうことではなくて、メーカー側が小売戦略を自分たちでしっかり考えて、その上でディストリビューターを使うんだったらディストリビューターにここまでやらせるということを考えていく。

僕はね、輸出でやろうが、現産現販でやろうが、ディストリビューターというのはそもそも伝統小売のために存在しているものであって、現法があるのに近代小売をディストリビューター経由でやっているというのはいまいち意味が分からないので。これはやっぱり現法があったら直接小売と商談をするということはすごく重要で。自分たちでね、小売と商談してきて思うのは、小売とのリレーションをつくれているかどうかでいろんなことが変わってくるんですよね。われわれ、仕事柄ね、いろんな日本のFMCGのメーカーさんの製品を持って小売に行くわけですよね。そうすると、やっぱり「SPYDERは良いメーカーの良い商品を良い戦略提言とともに持ってくる」と思ってもらえると、何か持っていっても話を聞いてもらえるわけですよね。これが、言ったら駄目なメーカーとか駄目な商品とかね、戦略なきメーカーとかを連れていくと、当然、「なんでそんなの連れてきたの?」という話になるので、そこで小売との信頼がなくなっていったりするわけですよね。われわれでもそういうふうに思うので、やっぱりメーカーにとってもね、小売との信頼関係を築くという意味でも、このね、売るべき小売を明確にするということを徹底的に考えるということはすごく重要で。

ちょっとね、スライドを。まあまあ、こういうことですよね。「誰と」売るかということよりも、「誰に」売るかで、多くの日本のメーカーは、とにかくディストリビューター、ディストリビューターさんとともにというか、ディストリビューターが持っていきやすい小売に商品を持っていくわけですよね。じゃあ、ディストリビューターが戦略的にメーカーの商品を置くべき小売を考え入るかと言ったら、絶対考えてないです。もう100%言い切れる。彼らが考えているのは、売りやすい小売に持っていくことだけ。返品返品言われない、利益をしっかり確保できる、そこに持っていくだけですよね。ややこしい小売には持っていきたくない。もう、以上っていう。それに小売戦略を任せてしまっていいんですかと。日本でそんなことやってないのに、なぜ海を越えたら思考停止が始まって、ディストリビューターにそれを任せるのかというね。

あと、もう1つの問題ね。タイとかフィリピンなんていうのは、もう財閥系が強いわけですよね。フィリピンの3大小売、SM、ピュアゴールド、ロビンソンズ、それからタイもね、CPか、セントラルかと。まあまあ、CP一強と言ってもいいぐらいの市場ですよね。その中でね、ディストリビューターの力はほぼ及ばない、小売に。御用聞きにしかなっていない中でね、小売がもう絶対なんですよね。そうすると、その小売と関係が築けないFMCGのメーカーって、やっぱり将来はないですよねというふうにすごく思うので。売るべき小売を明確にして、どの小売とどういうリレーションをつくっていくのか。リレーションって時間なので、われわれはこの時間をね、密度で早めるということをやったりするんですけど、やっぱりね、どの小売に売るのかということを明確にしないといけないと思います。
今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。