ASEAN 伝統小売の細分化
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テキスト版
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は、ASEANの伝統小売の細分化のお話をしていきたいと思います。ASEANの伝統小売の細分化なので、対象は消費財メーカーが中心になります。食品・飲料・菓子・日用品等のFMCG、並びにその周辺の消費財メーカーさんが対象です。伝統小売の細分化のお話なんですが、いわゆる「STP」ですよね、マーケティングの基本プロセスで言うところの「STP」、「R」-「STP」-「MM」という流れがありますけど、この真ん中の「STP」、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの略で。何なのかと言うと、自分たちが狙うべきターゲットを明確にして、そのターゲットに対する自分たちの立ち位置を決めましょうというのが「STP」というフレームワークですよね。これを伝統小売と少し掛け合わせて考えていきたいというふうに思います。伝統小売を攻略することが、日本の消費財メーカーにとってのASEANの最大の課題に、ここ10年ぐらいずっとなっていると。そんな中で、特にVIP、ベトナム、インドネシア、フィリピンにおいては、この伝統小売の攻略が1つの大きなハードルとして立ちふさがっていて。この伝統小売を攻略するということにおいても、やっぱりこのターゲットとなる伝統小売を細分化して、自分たちはどの伝統小売をターゲットにしているのか、ここを明確にしていかないといけない。もちろん伝統小売をやるには、基本的には近代小売に入っている、近代小売である程度目立った存在であるということがマストなので、それが完了している上で伝統小売をやっていくわけですよね。この伝統小売の細分化がやっぱりできていない企業、闇雲に伝統小売みたいなね、そういうケースが多くて。ひどい場合だと、ディストリビューターに丸投げをして、闇雲に伝統小売と。ちょっと進化したパターンでも、自分たちで一応セールスを整えてね、現法があるので、ディストリビューターも使いながらやっているんだけども、なかなかうまくいかないよということで。実際に、じゃあ、伝統小売って細分化できているかって開いてみると、実はあまりできていなかったと。
伝統小売の細分化って、まずエリアで細分化するっていうのが1つですよね。自分たちのセールス、並びにディストリビューターの得意のエリアがどこなのか、自分たちはどのエリアから攻め上がっていくのかということをしっかり決めるという、このまずエリアの細分化、エリアの選定ということをやって、そのあと、伝統小売の種別の選定というのをやるんですけど。ちょっと図を見てもらったら分かりやすいかと思うので、スライドをお願いします。この図の通りですね。まず、一番上位にね、日本企業にとってやりやすい近代小売って、日系のにおいのするような、いわゆる日系スーパーとかドラッグストアですよね。ここは比較的日本でのお付き合いもあるし、置きやすい。例えばイオンとかね、ドンキとかね、日本のドラッグチェーンとか、そういうところを指してますけども。まず、ここがまず1つ大きくありますよねと。この図だと青くなっていますけど、ここだけをターゲットとして海外ビジネスをやってもね、もう正直、あまり大きなビジネスにはならないですよね。このことはね、だいぶ分かってきたんじゃないかなと思います。タイですらならないのに、その他のASEANとかその他の国でなるわけがなくて。結局これはコンテナでね、20フィート、40フィートのコンテナで持っていくような物量にはならないし、混載で、パレット単位で10万20万注文されても困るよねと。そうすると、平行品が流れて価格のコントロールもできなくてみたいな状態になるので、あまりこの青いところだけだとビジネスにはならないというのが1つですよね。
本チャンはこの赤い部分で。基本的にはMT、TTというふうに分けていますけど、昔ね、うちの中でGT…、TTとGTってイコールなんですよね。ほぼほぼイコールで、国によってGTと呼んだりTTと呼んだり。人によってはね、自分にとってのジェネラルがどっちのトレンドなのかっていうことでGTを使っているような人も稀にいたんだけども。うちは昔はMTはもうPOSレジの入っている近代小売、GTを、いわゆる近代小売じゃないんだと、エアコンはあるんだけども、POSレジじゃないとかね、エアコンもPOSレジじゃないんだけど、これは伝統小売じゃないと、大きさがそもそも違うとか、ちょうどこの図の真ん中ぐらいのやつをGTというふうに定義して、それ以外の、本当にもう見るからに伝統小売というのはTTというふうに定義していた時代もあったんですが。今は混同しやすいのでね、GTとTT、なので、MTかTTかということで定義をしていて。日系はもう、ちょっと上のほうで青くしていますけど。基本的にMT1、MT2というふうに、近代小売を2つのセグメントに分類をしていて、MTの中でも主要なMTをMT1と呼んでいて、上記主要グループには属さないMTをMT2というふうに呼んでいる。TTも1から6まで定義していて、われわれが重要視しているのはTT1からTT4まで。例えばTT1は地域一番店のようなグローサリーとかミニマートなので、ちょっとどこまで、TTと呼んでもね、感覚的にはGTと呼んだほうがなんとなく感覚としては合うかなというふうに思います。上記、TT2というのは上記の規模の小さめのTTを指して。TT3、TT4からがちょうどこの一番下のね、図の、緑の図のTT3&4と書いていますけど、いわゆるドアがなくて、エアコンがかかってなくて、中にピッと入れて薄暗くてみたいなですね。これも高級住宅街近隣に立地するようなTTもあれば、交通量が多い都心部のエリアに立地しているようなTTもあって。このTT1からTT4を獲ってこそ初めてその他のTTに行く理由があるというか、圧倒的にROIがTT1からTT4のほうがいいので、いかにこのTT1からTT4を獲るかということがすごく重要で。そうすると、やっぱりセグメントでちゃんと自分たちのTTを分けて、どのTTから、どのエリアのどのTTから、どういうふうに獲っていくのかということを決めないとね、なかなか戦略というのは明確にならないので。ぜひね、自分たちのターゲットとしているエリアのTTの細分化をするということを考えてみてはいかがでしょうか。
今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。