アジア新興国 営業力とマーケティング力の違い
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テキスト版
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は、アジア新興国市場、営業力とマーケティング力の違いについてお話をしていきたいと思います。それではお話をしていきたいんですが、対象業種はいつも通りFMCG、食品・飲料・菓子・日用品、文具・化粧品ぐらいまで含みましょうかね。FMCG並びにその周辺消費財メーカーさん。B2Bの企業さんは、皆さんの事業に置き換えて聞いていただければと思います。営業力とマーケティング力の違いなんですけど、アジア新興国市場の展開においてね、どういう人材が向いてますかねというような質問を稀に受けますと。ひと昔前はね、結構、アジア新興国市場はいろいろ大変なので、メンタルの強いことがね、日本で言うところの武闘派。ちょっと日本に置いておくにはなかなかこう、こういうご時世だし、武闘派のパワハラ系の人なんかは結構、アジアの現地法人に送られていたような会社もね、結構、私の周りではあるので、そういうあれだったかなと思うんですよね。一時期やっぱりメンタルやられて、うーんというふうなね、多かったので。これはメンタルやられたり、武闘派を送らなきゃいけないそもそもの理由って、本社が戦略を示さないからですよと。だから、現地に行っていろいろ一生懸命やるんだけども、自分で考えてね。日本でずっとやってきた日本畑の人がいきなり現地に送られて、言語もままならない中、現地のローカル人材使ってね、何かやると言ってもね、それはなかなかストレス溜まるので。根本的な要因は戦略がないことに要因があるんですよという、ここだと思うんですよね。それは前回の話だと思うんですけど。
一方で、どんな人材がというのは、マインドセット的にはね、これは人間の内面にあるものだから、表面的に見えているようなものではなかなか判断がつかないと思うんですよね。僕も自分の部下、向いてないかなと思った人間が、実はそういう環境に置くと頭角を発揮したりとか、突然変異したりっていうことは全然あるので、そこってなかなか、僕は表面的なあれでは決めないようにしていて。重要なのはやっぱり、営業力よりもマーケティング力を、しっかり基礎知識をベースに持っている人、こういう人をやっぱり現地に送っていくし、現地の担当にしていく。本社のつくっている戦略と、現地での実行のね、このコミュニケーションがスムーズになる。
ちょっとスライドで説明しようかな。営業力とマーケティング力ってまったく異なる能力で、営業力というのは顧客と商談して受注を獲得する能力ですよね。一方で、マーケティング力というのは売れる仕組みをつくる能力なので、そもそものこの領域がマーケティング力のほうが圧倒的に大きいですよね。営業力というのはすべてが整った状態で、武器を全部持たせてもらった状態で初めて「自分を売ってこい」と。この武器が弱い場合もありますよね。こんな、こんな商品売れない。商品も1つの武器ですから。でも、少なからずやっぱり社名の知名度とかね、お客さんの信頼とか、これもね、飛び込みのどぶ板の知名度のないよく分からない会社の営業とね、ある程度やっぱり、この番組を聞いている皆さんは大企業が多いと思うので、これは武器を持たせてもらっているというね。いや、スペックが少々劣るとか、値段が少々高いとか、こんなのはよく分からない小さな企業の営業マンに比べたら全然プラスなので、やっぱり言うと武器を持って売っているという。マーケティング力というのは、知名度も、流通も、顧客の信用も、何もない中で、売れる仕組みをどうやって0からつくるの?という能力なので。僕はここがすごく重要で、マーケティングのセンスがあるか、いわゆる基本的な学術的な知識がまず入っているかということはすごく重要ですよね。
これを実地で自分のナレッジと組み合わせてやっていくので、勉強ばっかりじゃ駄目ですよね。これは、マーケティングの勉強をするのが好きな人と、あくまでマーケティング力、マーケティングのお勉強というのは、これは実践で利益を生むために入れているので、知識武装ばっかりして喜んでいる、こういうマーケティング力じゃなくてね、僕が言っているのはね。いわゆる知識4割、実践6割か、知識3割、実践7割ぐらいの、こういうバランス感覚でやれる人。だから、むしろセンスの良い営業マンで、マーケティングの知識をもう緊急的に3割グッと入れたみたいなね、そういう人のほうがいいかもしれないですね。頭でっかちはもう絶対駄目なので、そういう人。なので、営業的なセンス、バランス感覚を持ちつつ、マーケティングというほどマーケティングの学術的な知識は入ってない。こんなの別に大して難しい話じゃないので、それを3割ギュッと詰め込んで送り込むという、こっちのほうがたぶん僕はいいんじゃないかなと。マーケティングばっかりやって、理論ばっかりこねくり回すようなのもあんまり僕は向いてないと思うので、なんかね、そこのバランスがすごく重要で。
この話も、このスライドにある通り、パーソン依存型の1つで、やっぱり本社に戦略がないので、マーケティング、マーケティングと言ったらプロモーションでしょ、みたいなね、そういうような人材だったりもするので、売れる仕組みをつくる能力なので、そこはちゃんとしっかりと理解をする必要が僕はあるんじゃないかなというふうに思います。
今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。