アジア新興国 勝つのは『基準値』を持った企業だ
番組への質問はこちら » お問い合わせフォーム
新刊はこちら » https://www.amazon.co.jp/dp/4495650238
定期セミナーはこちら » https://spydergrp.com/seminars/
テキスト版
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は、アジア新興国市場、勝つのは『基準値』を持った企業だけということで、基準値の重要性についてお話をしていきたいと思います。対象はいつも通りFMCG、消費財、食品・飲料・菓子・日用品、文具・化粧品ぐらいまでですかね、B2Cの消費財についてお話をしていきたいと思います。基準値を持った企業しか勝てませんよと、この基準値の話は結構この番組とかPodcastでもやってきていて、セミナーでもね、すごくこの基準値の話をすることは多いかなと思います。本でもね、基準値についてはすごくしつこく書いていて、僕の書籍なんかでもやっぱり、セミナーでもそうですけど、すごく取り上げていただくのはこの基準値、「ああ、そうだ。これだった」ということをすごく皆さんにも言っていただけるので、この基準値をね、やっぱり手に入れるということが今の消費財メーカーにとっては非常に重要になってくると。
じゃあ、「基準値って何?」という話なんですけどね、ちょっとスライドを使って、じゃあ、説明を。スライドをお願いします。このスライドの通り、基準値とはね、目標や目的を達成するために必要な基準となる値のこと。例えばですけども、100億円を売り上げるために、これは50億でも10億でも結構ですけども、自分たちが例えば1年、3年、5年の中で目標を立てたときに、その売上を売り上げるために、もしくは、じゃあ、競合に打ち勝つために必要となる消費財なので、間口数、ストアカバレッジの数ってどれぐらいなんですかと。要はなかなか伸びない伸びないと言うんだけども、じゃあ、いくら伸ばしたいんですか、10億伸ばしたいんですと。じゃあ、10億伸ばすためには間口数あとどれぐらい伸ばさなきゃいけないんですかと。今、間口数どれぐらいあるんですかと。だって、1店舗あたりの日販・週販なんてね、キャンペーンでも打ちまくらない限り、そんなに変わってこないわけですよ。そうすると、だいたいこの商品は共通してね、競合も含めて日販・週販これぐらいですというのがあって。競合を軸にしたらいいと思うんですけどね。そうすると、もうそこって大きく伸びないんだとするとね、間口数を伸ばすしかなくて。消費財のビジネスの場合は、だいたいストアカバレッジが足りてないから売上が伸びていないと。その必要な間口数もいまいちよく理解できていないというケースが非常に多いんですよね。その間口数を獲るために必要なディストリビューターの数って何社ぐらい必要なの?と。どのエリアにどういうディストリビューターが必要なの?と。また、質、規模もそうですよね、どんな規模のディストリビューターが必要なんですかと。ここもやっぱりディストリビューターの数もそもそも少ないし、規模でもそもそも負けているよねと。なぜこんな小ぶりなところとばっかり付き合っているの?とか、なぜこんな最大手と付き合っているの?と。大手だから売れるって、そんな保証はないでしょみたいなケースも当然あるわけですよね。そのディストリビューター内で必要となるセールスマン、ディストリビューターではそんなに遜色はないんだけど、競合に比べてね、でも、実はその中でわれわれの商品を売ってくれているセールスマンの数が全然足りなかったとか、専属がいなかったとか、質が悪かったとか、そんなこともあるし。じゃあ、そのセールスマンが、競合は1日20件回っていると。うちは10件しか回っていなかったら、これは毎日倍の差がついているわけで。こういう活動の内容も違ったりする。そういう指標をブレークダウンしていくから、はじめて、じゃあ、何年にこの売上が達成される、ということがより現実的になってくるわけですよね。この基準値がないとね、具体性が持てなくなってしまうんですよ。何を、いつまでに、どうやるのか、ということに具体性がなくなってしまうので、この基準値が持てないとやっぱりなかなか勝っていくのは難しいというふうに思います。
われわれなんかがよくやっているのはね、次のスライド、基本的に自社というのはお客様のことですよね、真ん中のね。左に競合A社、B社、C社、D社とあってね、この競合とお客様の差異がどれぐらいあって、お客様に足りているものは何で、足りていないものは何なのか、何をどれぐらい補うと、どれぐらいシェアが伸びるのか、ということを導き出す。そうしないとアクションができないので、これをまず最初に絶対やるんですよね。大きくね、一番上の競合の可視化の1、2、3と書いていますけどもね、やっぱりチャネル・ストラクチャーが全然もう間違っている。このチャネル・ストラクチャーではどうあがいたってこんなシェアいきませんよとか、こんな売上いきませんよというケースが結構多い。もっと見ていくと、組織の体制がやっぱり競合と比べて全然脆弱じゃないと、こんな組織でどう勝つんですかと。自分たちのセールスの組織はある程度把握していても、ディストリビューターの内部の組織はまったく分かっていないので、結局、総力としてどれぐらいあるのか、自分たちの戦闘能力、競争力がどれぐらいあるのかということがすごいぼんやりしてしまっている。自分たちのディストリビューターともその情報が共有できていない。こんなことはあってはいけないわけですよね。また、マネジメントの体制も非常にぼんやりしている。これらがしっかり明確になるから基準値というものが手に入るわけで。基準値なくしてね、やっぱり高いシェアなんていうのはあり得ないので、この基準値を持つということが大変重要であるというふうに思います。とにかく日本企業が競合の販売チャネルを可視化しなさ過ぎ。ここをしっかりと可視化した上で自分たちの戦略立案をしていくということが必要になってくるかなというふうに思います。
今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。




