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アジア新興国 ディストリビューターは絶対的なスキルと相対的なマインド

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新刊はこちら » https://www.amazon.co.jp/dp/4495650238
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森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、強固な販売チャネルのつくり方ということでお話をしていきたいと思います。対象はB2Cの製造業、消費財、食品・飲料・菓子・日用品等の消費財メーカーが中心になりますが、B2Bの製造業さんは自分たちの事業に置き換えて聞いていただければと思います。地域はいつも通り、アジア新興国ということでお話をしていきます。

強固な販売チャネルを構築していく上で重要なステップが3つありますよという話をこの何回か前からしてきていますけど、1つがディストリビューターの発掘選定、もう1つがディストリビューターとの契約交渉、そして最後がディストリビューターの管理育成ですと。このディストリビューターの発掘選定で基本的には成功確率の6~7割決まりますよと。ディストリビューターの選定ってめちゃめちゃ重要ですよということでお話をしてきていて、どういうふうに切っていくか、ディストリビューターを絶対評価をして、最終的には相対評価をして決めていきますというお話をしてきたと思います。

この「決める」というのは、これから契約交渉に入るか入らないかを決めるということなので、そのディストリビューターにしますということではなくてね、発掘選定というのは、契約交渉ってね、これ、次のステップで話していきますけど、皆さん、多くの日本企業の場合は契約自体が儀式になっているので、「ひな形これです。一緒に契約しましょう。調印しました。よっしゃ」っていう、こういうイベントごとになってしまっているんだけども、本当はこの契約をする手前のところでものすごくKPIとか戦略とか締結後のアクションプランを緻密に詰めていくというのがシェアの高い先進グロオーバル企業がやっていることで。そこの契約締結までのこの1~2カ月の間に、より深いマーケットリサーチをやった上で目標金額を合理的に決めていくなんていうことも全然やるんですよね。なので、今言っているディストリビューターの選定というのは、「ここと契約交渉します」と。契約交渉というのは体力要りますから、無駄なところと契約交渉はしないわけですね。なので、基本的にはこことなら契約してもいいというところを絞り込んでいくという、そういうお話で。今まで、絶対評価でまずどんどんバサバサ切っていきましょうと。要は自分たちが30億やりたいのに、10億しか今売上がないディストリビューターと組んでも、結局3倍の売上になってようやく100%なので、これは30億やらせたいのに10億じゃ、もうキャッシュが回らないので無理ですよね。これはもう絶対的な評価基準だし。あと、自分たちはこのA、B、Cの小売に売りたいのに、そことの取引が弱い、これももう除外要因だし。こういう絶対的な評価軸をしっかり持って、それに当てはまっていないところは切っていくという、こういうプロセスですよね。最後、3社とか4社で迷うことになるんですよ。どこと契約交渉しようと。もちろん4社と契約交渉していくんだったらしていったらよろしいんですけど。この契約交渉する前にね、やっぱりディストリビューターと言っても数百億円規模ですよ、FMCGのディストリビューターなんて、大きくたって。そうすると、そこのオーナー社長としっかり話せるということはすごく重要で。もう鶴の一声というかね、いくらナンバー2が「こうだ」と言っていても、突然トップのオーナー社長が出てきて「いや、そうじゃない」と言ったらガラッとひっくり返るのが、これ、華僑のね、ASEANのアジア新興国のディストリビューターはほとんど華僑ですから、彼らの事業の運営方法なので、オーナーとしっかり膝を詰めて、目と目でしっかり話すということはすごく重要で。

これができると、スライドをちょっと見てもらおうかな。この右側のマインドセットね、人柄とか、思想とか、どういう熱量でこの一緒の事業をね、協業をやろうとしているのかって、オーナーの口からしっかりそれを聞ける、感じられる、こういうマインドセットがやっぱりある一定以上ないと、ガラッと次の年になったら変わってしまう。ナンバー2が抜けるとかね、CEOで社長だと思っていたのに雇われ社長だったと。来年、業績悪いから別の子会社へ行かせましたとか全然あるので。そうしたときに、せっかく今まで詰めていたのが0リセットされるってね、こんなROIの悪いことはないので。しっかりとやっぱりオーナー社長とコミュニケーションを取ってマインドセットを高めていく。やっぱりね、オーナー社長、これも規模によると思うんですけど、メーカー側もやっぱりそれなりの立場の人を出していかないと、そこそこ大きなディストリビューターになると、やっぱり担当課長でなんとかしようとかね、なかなか難しかったりもするわけですよね。なので、そこはしっかり合わせていくということはやっぱりすごく重要かなというふうには思います。なかなかね、海外に行くとそういうところまで神経が行き届かないケースもあるんですけど。スキルセットって、これは物理的な能力で、例えばB2Cの場合ね、FMCGの場合は小売の提案力とか配荷力とか資金力みたいなところが僕は絶対的なスキルとして備わっているか、それぞれをどう設定するかというのは各企業によってだと思うんですけど、これをまず絶対的にクリアするということはすごく重要で。じゃあ、絶対的にクリアして、最後、相対的に比べたときにね、どこと契約交渉を始めるかって言ったら、やっぱりマインドセットが高いところと契約交渉していかないとね。契約交渉ってしんどいですよ。「俺たちはここまでやるけど、あなたたちはここまで頑張れる?」っていうところを引き出すのが契約交渉ですから、単に契約書にサインして「これ約束ですよ」と言うんじゃなくてね、「僕たちはここまで協力するから、あなたたちここまでやってほしい」ということを、お互いしんどいと、「お互いしんどいんだけど、その先にはこういう明るい未来が待っているよね」ということをお互いが理解し合って、「よし、やろう」と決めるのが契約交渉なので、そのマインドセットが本当にあるのかと、甘い汁だけ吸いたがっているんじゃないかな、このディストリビューター、適当に何かやってそこそこのところで終わろうとしていないかな、このディストリビューターとかね、こういうことをやっぱりしっかり見極めていくということが大変重要ですよというお話でございます。

今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。

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森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、強固な販売チャネルのつくり方ということでお話をしていきたいと思います。対象はB2Cの製造業、消費財、食品・飲料・菓子・日用品等の消費財メーカーが中心になりますが、B2Bの製造業さんは自分たちの事業に置き換えて聞いていただければと思います。地域はいつも通り、アジア新興国ということでお話をしていきます。

強固な販売チャネルを構築していく上で重要なステップが3つありますよという話をこの何回か前からしてきていますけど、1つがディストリビューターの発掘選定、もう1つがディストリビューターとの契約交渉、そして最後がディストリビューターの管理育成ですと。このディストリビューターの発掘選定で基本的には成功確率の6~7割決まりますよと。ディストリビューターの選定ってめちゃめちゃ重要ですよということでお話をしてきていて、どういうふうに切っていくか、ディストリビューターを絶対評価をして、最終的には相対評価をして決めていきますというお話をしてきたと思います。

この「決める」というのは、これから契約交渉に入るか入らないかを決めるということなので、そのディストリビューターにしますということではなくてね、発掘選定というのは、契約交渉ってね、これ、次のステップで話していきますけど、皆さん、多くの日本企業の場合は契約自体が儀式になっているので、「ひな形これです。一緒に契約しましょう。調印しました。よっしゃ」っていう、こういうイベントごとになってしまっているんだけども、本当はこの契約をする手前のところでものすごくKPIとか戦略とか締結後のアクションプランを緻密に詰めていくというのがシェアの高い先進グロオーバル企業がやっていることで。そこの契約締結までのこの1~2カ月の間に、より深いマーケットリサーチをやった上で目標金額を合理的に決めていくなんていうことも全然やるんですよね。なので、今言っているディストリビューターの選定というのは、「ここと契約交渉します」と。契約交渉というのは体力要りますから、無駄なところと契約交渉はしないわけですね。なので、基本的にはこことなら契約してもいいというところを絞り込んでいくという、そういうお話で。今まで、絶対評価でまずどんどんバサバサ切っていきましょうと。要は自分たちが30億やりたいのに、10億しか今売上がないディストリビューターと組んでも、結局3倍の売上になってようやく100%なので、これは30億やらせたいのに10億じゃ、もうキャッシュが回らないので無理ですよね。これはもう絶対的な評価基準だし。あと、自分たちはこのA、B、Cの小売に売りたいのに、そことの取引が弱い、これももう除外要因だし。こういう絶対的な評価軸をしっかり持って、それに当てはまっていないところは切っていくという、こういうプロセスですよね。最後、3社とか4社で迷うことになるんですよ。どこと契約交渉しようと。もちろん4社と契約交渉していくんだったらしていったらよろしいんですけど。この契約交渉する前にね、やっぱりディストリビューターと言っても数百億円規模ですよ、FMCGのディストリビューターなんて、大きくたって。そうすると、そこのオーナー社長としっかり話せるということはすごく重要で。もう鶴の一声というかね、いくらナンバー2が「こうだ」と言っていても、突然トップのオーナー社長が出てきて「いや、そうじゃない」と言ったらガラッとひっくり返るのが、これ、華僑のね、ASEANのアジア新興国のディストリビューターはほとんど華僑ですから、彼らの事業の運営方法なので、オーナーとしっかり膝を詰めて、目と目でしっかり話すということはすごく重要で。

これができると、スライドをちょっと見てもらおうかな。この右側のマインドセットね、人柄とか、思想とか、どういう熱量でこの一緒の事業をね、協業をやろうとしているのかって、オーナーの口からしっかりそれを聞ける、感じられる、こういうマインドセットがやっぱりある一定以上ないと、ガラッと次の年になったら変わってしまう。ナンバー2が抜けるとかね、CEOで社長だと思っていたのに雇われ社長だったと。来年、業績悪いから別の子会社へ行かせましたとか全然あるので。そうしたときに、せっかく今まで詰めていたのが0リセットされるってね、こんなROIの悪いことはないので。しっかりとやっぱりオーナー社長とコミュニケーションを取ってマインドセットを高めていく。やっぱりね、オーナー社長、これも規模によると思うんですけど、メーカー側もやっぱりそれなりの立場の人を出していかないと、そこそこ大きなディストリビューターになると、やっぱり担当課長でなんとかしようとかね、なかなか難しかったりもするわけですよね。なので、そこはしっかり合わせていくということはやっぱりすごく重要かなというふうには思います。なかなかね、海外に行くとそういうところまで神経が行き届かないケースもあるんですけど。スキルセットって、これは物理的な能力で、例えばB2Cの場合ね、FMCGの場合は小売の提案力とか配荷力とか資金力みたいなところが僕は絶対的なスキルとして備わっているか、それぞれをどう設定するかというのは各企業によってだと思うんですけど、これをまず絶対的にクリアするということはすごく重要で。じゃあ、絶対的にクリアして、最後、相対的に比べたときにね、どこと契約交渉を始めるかって言ったら、やっぱりマインドセットが高いところと契約交渉していかないとね。契約交渉ってしんどいですよ。「俺たちはここまでやるけど、あなたたちはここまで頑張れる?」っていうところを引き出すのが契約交渉ですから、単に契約書にサインして「これ約束ですよ」と言うんじゃなくてね、「僕たちはここまで協力するから、あなたたちここまでやってほしい」ということを、お互いしんどいと、「お互いしんどいんだけど、その先にはこういう明るい未来が待っているよね」ということをお互いが理解し合って、「よし、やろう」と決めるのが契約交渉なので、そのマインドセットが本当にあるのかと、甘い汁だけ吸いたがっているんじゃないかな、このディストリビューター、適当に何かやってそこそこのところで終わろうとしていないかな、このディストリビューターとかね、こういうことをやっぱりしっかり見極めていくということが大変重要ですよというお話でございます。

今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。