森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDER INITIATIVEの森辺です。今日は、先日の弊社カンファレンス『SPYDER Global Marketing Conference 2026』で会場から出た質問だったかな、パネルディスカッションで大石先生のほうで出した質問だったかな、埼玉大学の副学長の井原先生と、あと出光興産の佐藤さんと、講演をしていただいた2名の方々のお話などを受けて、会場の質問だったかな。どっちでもいいよね。パネルディスカッションでちょっと議論になったお話で、すごく重要なお話があったので、ちょっと今日はその話をしようかなと。
強固な販売チャネルを構築していく中で、ディストリビューターとの契約ってすごく重要なことですよねと。契約において何をどう気をつければいいのかみたいな、そういう質問だったんですよね。これって契約単体だけを気をつけても駄目で。まず、強固な販売チャネルをつくるというのは全体最適でやっていかないといけないので。部分最適でやったって強固なチャネルはつくられないので、契約をいくら頑張ったって、それはどうにもなりませんよと。まず全体最適が必要で。じゃあ、どういうふうに全体を最適にしていけるかというと、やっぱり販売チャネルの設計思想をしっかり持つということはすごく重要で、設計されるべきなんですよね、販売チャネルって。何かやっていたらこうなったとかではなくて、戦略的に設計をしていかないといけない。惰性でこうなっていって出来上がったのが今ですみたいな、たぶん企業がほとんどだと思うんですけど、でも、それってやっぱりアジア新興国市場がかつては重要な市場ではなかったので、それで良かったんですよね。現地から声がかかって、どこかのディストリビューターが取り扱いしたいと、ちょっと与信調査してみて大丈夫そうだと、先払いなんだったらやってみなということでやらせていたみたいな、そういう状態から始まっているからしょうがないんだけども。
今の現代において強固な販売チャネルをつくっていくということは、やっぱりディストリビューターとの契約単体ではなくて、まず全体のチャネル設計をしっかりやっていく。じゃあ、このチャネル設計をしっかりやるためには何が必要かっていうと、インプットが必要なんです、絶対的に。何のインプットかというと、競争環境と市場環境、流通環境。大きく分けるとこの3つですけど、一番は競争環境ですよね。敵が今、どういう設計思想で戦っているのかということをしっかり理解しないといけない。そこには、なんでこうなっているかっていうと、こういう市場環境だからかとか、こういう流通環境だからかとかっていうことが見えてくるので、基本的には競争環境をもう丸裸にする、可視化する、敵の設計思想を丸裸にするというところがないと、1つの基準値が持てないので。基準値が持てないということは、自分たちの設計は単なるI wantになってしまうわけですよね。こうしたい、自分たちは国内でこうしてきたから海外でもこうしたいとか、こうすることが楽だからこうしたとかっていう話になってしまうので、こうしなきゃいけない、We shouldにしないといけないわけですよね。そうすると、やっぱり敵の設計を知るということはすごく重要で。
この設計ができて初めて、設計したものを構築実装していくということになるわけだけども、ここで初めて契約が出てくるんだけども、その契約の前に、やっぱりディストリビューターを使う場合だったらやっぱり、パートナー起用でもいいと思うんですけど、それらの発掘選定で契約交渉、管理育成という、こういう3つのステップをしっかり踏んでいかないといけない。この番組でも再三言ってきましたけども、ディストリビューターの発掘選定で成功確率の7割が決まって、そのディストリビューターとどう契約交渉するかで成功確率のもう100%が決まってしまうので、ここでもう全部、100決まるんですよね。最後の管理育成は、じゃあ、必要ないじゃんということにはならず、その100%をずっと維持し続けるために管理育成が必要になってくるわけなので。そうすると、この契約交渉というのは3割の部分で重要なんだけども、そもそもその前段の選定で間違えたらね、駄目な企業を選んだら、どんなに契約をうまくやったって駄目だから、やっぱり選定というのがすごく重要になってくるわけですよ。
うまく選定ができたら初めて契約になるんだけども、この契約もね、私は何百というディストリビューター契約書をレビューしてきたけども、やっぱり守りの部分、ここに関してはいいんだけども、攻めの部分がやっぱり弱くて。例えば独占・非独占とか、コミットメントとか、それから契約の単年度契約なのか、どうなのか。例えば分かりやすく言うと、任せるディストリビューターが不得意の地域に対しても独占を与えていたりとか、そんなところに独占を与えたって、ディストリビューターなんてみんな「独占くれ、独占くれ」って言ってくるので。でも、彼らができる範囲にだけ独占を与えないと、あとあとやっぱり、さらに別のディストリビューターで別の地域を伸ばそうといったときに足かせになるんですよ。ずっと抵抗される。そういうことを平気でやってしまっていたりとか。あと、ほとんどの契約者が単年度契約になっていると。でも、単年度契約にしたときに、やっぱりダイナミックに経営資源の投下できないですよね、相手はね。だって、切られるかもしれない。そうするとね、やっぱり2年3年ぐらいで契約をしていくということがすごく重要で。なおかつ、じゃあ、2年3年契約させるんだったら、ある程度のコミットメントを与えていくと。目標数値とは別にね、ここは最低限クリアしてねと、そしたら2年の契約にする、3年の契約にするし、この地域に関しては独占にしますと、ここをうまく活用する。これが攻めなんですけど、こういうことがすごく重要で。それをしっかりコミットメントで目標が達成できるように、契約のときまでに決めたKPIを管理育成、最後のステップで管理して育成していくという、この3つになるわけですね。なので、部分だけ最適化したって、チャネルなんていうのは強固にはならないので、もう全体最適。マーケティングそのものが全体最適でないと駄目だというのはそうなんですけど、そうですよと。なおかつ、販売チャネルの設計思想がしっかりないと、これはなかなか難しい、そもそもの設計ができてないのに、うまくはいかないので、この設計思想をしっかり持つということが大変重要ですよというお話でございます。
こんな話があったのでね、結構これは井原先生にも佐藤さんにも意見をもらいながら、大石先生がうまくファシリテートしていたので、非常に面白かったなというふうに思います。
じゃあ、今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。