森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDER INITIATIVEの森辺です。今日は、販売チャネルの再構築というか、ディストリビューションの再構築というのかな、そういうお話をちょっとしていきたいなというふうに思います。
最近本当にこのディストリビューター周りのご相談が非常に多くて。それはそうなんですけどね、そういう仕事しかしていないので、そういう相談しか来ないと思うんですが…。何が言いたいかというと、既存のディストリビューターに対して本当にメスを入れるという、今までって「不満です」という状態だったんですけど、実際にもう「メスを入れます」と、「メスを入れることが決定しました」と、ただそれ、「どうメスを入れたらいいですか」という、こういう少しステージが進んだご相談が多くなったと。今までは、どちらかというと「不満なんです」と。でも、「具体的に何がどう不満なのかを明らかにしたい」ということだったので、診断をうちのほうでやっていくんですけどもね。そうすると、「今の既存のお客さんの販売チャネルと主要競合の販売チャネルにはこれだけの開きがありますよ。この部分とこの部分とこの部分、これだけ数字が違いますよ。こことこことここをこういうふうに改善しないとなかなか前には進みませんね」という、こういう依頼が、お仕事が多かったんですよね。それを提示していくんですが、そこに対してなかなか意思決定ができない。なので、何が問題かは分かりましたと。分かったんだけども、じゃあ、それを改善するための意思決定がなかなか時間がかかるという。できないというか、時間がかかっていた。ただ、最近は時間がかかったものの、意思決定がしっかりされて、実際に「じゃあ、メスを入れましょう」という、そういうご相談が多いと。先に前段で申し上げた、どこに何がどう問題があるのかを診断していくという、われわれの会社ではこれを「設計」というふうに呼んでいるんですけど、販売チャネルをしっかりと1度設計しましょうと。お客さんが目指している場所に行くための販売チャネルはどうあるべきなのかということを設計をして、それを時間軸を横に引いたときに、1段階、2段階、3段階ぐらいで設計をしていくんですけど、どんどん強くなっていくので、最終形態にどんどん変身をしていく。フリーザみたいにね。フリーザって古いですけど。(笑)最終形態まで変身、変身というのか、進化をしていく設計をするんですけど。実際に、じゃあ、それに対して意思決定がなされたあと、それを実装していく、メス入れをしていくんですけど。
「どういうふうなタイミングでメスを入れるべきか」というご質問も結構多いんですけど、僕の経験値から申し上げると、もう不安が頭をよぎっている時点で「何がどう不安なのか」は明確にやっぱり調査をして、診断をしてもらってね、客観的に分析をして「こうですよ」ということをしっかり可視化するべきだと僕は思います。じゃあ、どういうタイミングでメスを入れるかなんだけども、設計に腹落ちができるのであれば、もう粛々とそれを進めていくしかなくて。やっぱり嫌な話ですよね。ディストリビューター、今のディストリビューターに満足をしていないと言ってもね、今までずっとやってきたし、良い時期もあったし、良いところもあるし。でも、これはやっぱりやっていかないといけないし。ひどいところだとセールスのデータが全然開示されない。例えばディストリビューターがどこで、いつ、何を、どれぐらい売っているのかとか、二次店がどういうところを使っているのかとか、そういうところが全部ブラックボックスにされていて、そんな状態で何がパートナーですかという話なので、もうそんなところは容赦なく変えていかないといけないし。
ディストリビューターにとってみたらね、やっぱりそうですよね、どうせメーカーは輸出のときは散々「よろしくお願いします」ということでやらせるんだけども、そのうち現地法人出して、そこで直接セールス雇って、直接お客さんのところに行ってみたいな話にどの業界でもなるわけじゃないですか。そうすると、やっぱりできる限りそれを遅らせたいので、そういうふうにブラックボックス化、メーカーには分からないでおいてほしいと、俺たちが全部牛耳っているんだという状態をできる限りつくりたいですよね。生産に従事してと。なので、そういう接し方を、華僑ですからね、うまいですからね、当然そうなりますよね。海外の担当はね、若手が海外に行ってやっていきますから、そんなふうになっていくと。でも、やっぱり本当にパートナーであるならば…。問題はメーカーのほうが市場のことをディストリビューターよりもよく分かっていないというのは事実としてそこにあるので、その状態でずっとダラダラ来ると。でも、本当に重要なのは、やっぱりパートナーとして「全体の市場がこうで、自分たちはここまでやって、パートナーにはここを任せる」と。ステージが変わってくるというのは当然だと思うんですよね。ステージが変わってくるというのは。欧米の企業なんかは特にそうですよね。最初、いいことを言ってガーッとやらせて、面が獲れてきたらどんどん利益を絞っていくという。だから、欧米のメーカーに不満を持っているディストリビューターなんていうのは結構いて、最初は良い条件なんだけど、どんどん条件が悪くなってくる。日本企業は、一方で長く付き合っていくという、そういういいところもあるので。そういう意味でもやっぱりどこまでの利権は守ってあげて、どこまではしっかりこっちで刈り取りますよという。だって、そこをしっかりメーカー側で刈り取っていかないと、結局、欧米先進グローバル企業との戦いに、メーカーが、日本のメーカーが負けたらね、その下のディストリビューターも負けてしまうわけなので、そこはしっかりと線引きをしたらいいと思うんですよね。
メスを入れること自体はね、まったくそんなに脅威に思う必要はなくて。前にも申し上げましたけど、ディストリビューターがケツまくって「もうやらない」なんていうことは絶対にないので。銭金の商売がそこにある程度ある以上、やっぱりそれがすごく重要だし。賛同は得られないですよ。今までね、その1つのディストリビューターでずっとやってきたものを、複数のディストリビューターを使っていかないといけないというケースがほとんどなんですけどもね、どんなケースでもそうなってくる。よくよく見ていくと、今までA社を使っていたんだけど、自分たちはこの青い市場と赤い市場と緑の市場をやりたいんだけども、このA社って赤い市場しかできないじゃんと。もしくはその得意な製品もね、ここしかできないじゃんと。じゃあ、青い市場と緑の市場、もしくは自分たちが本当に売りたいこの商品群、これA社じゃないよねというケース、これを明らかにするのが設計の調査ですから。なので、そうなってくるとやっぱり、じゃあ、B社も使いましょう、C社も使いましょうと。B社を青い市場に投入しましょう、C社を緑の市場に投入しましょうということになってくる。それに対してね、理解は絶対得られないですよね。「それでやっていきましょう」と、「気持ち切り替えて頑張ります」なんて絶対言わないので。でも、それはそれで結構であって。やっぱり僕はディストリビューターともそうですけども、やっぱりベタベタしないというのはある意味すごく重要で。ベタベタするときはベタベタするんだけど、ベタベタしないときはベタベタしないというか。何だろうな、これ、絶妙なこの距離感。僕はこれをすごいビジネスにおいては重要だなと思っていて、ディストリビューターとのね。ただ仲良くベタベタすればいいという話でもなくて、やっぱり絶妙な距離感を保つということはすごく重要なので。そこはね、あるところではしっかりとベタベタして、あるところではしっかりと距離感を保ちながら粛々と進めていくということじゃないかなというふうに思うんですけどもね。
今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。