ディストリビューターとの契約交渉で重要なポイント
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テキスト版
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDER INITIATIVEの森辺です。今日は、ディストリビューターとの契約についてお話をしていきたいと思います。ディストリビューターとの契約、これはB2CでもB2Bでも結構なのですが、主にはいつも通りFMCG、食品・飲料・菓子・日用品等のFMCGのB2Cのディストリビューション契約の事例になってくると思うんですけど、私が実際に過去レビューをしてきたのも、一番その業界が多いので、その業界に当てはめてちょっとお話をしていくと…。ディストリビューターとの契約が、もちろん契約締結までのプロセスというものもすごい重要なんですけど、契約書そのものにも問題があって。意外に契約締結自体がイベントになっていて、目的になっていて、とにかく契約を締結するんだと。絶対に譲れない守りは完璧にして、攻めの部分は走りながら、なんとなく話し合いで決めていくみたいなね、こういう契約で、とにかく契約締結をゴールに進んでいくという、こういうケースが非常に多いのかなと。レビューをしても本当に当たり障りない契約書、守りが完璧で攻めがないという、いわゆる可もなく不可もなくみたいなね、そういう契約書をたくさん見てきました。ただ、本来は契約締結までの、半年から8カ月ぐらいかけてグーッと契約締結に持っていく、このプロセスがすごく重要で、このプロセスの中で決めたことがこの契約書に反映されるべきなので、攻めの部分がしっかりとそこに反映されていないといけないんですよね。契約締結にいくまでには、もしかすると3社とか4社ぐらいが並行してグーッと話をしていく中で、最終的にこの1社に残ったとかっていうことも当然あり得るわけですから。このプロセスがやっぱりね、契約書を見ると、適切なプロセスを通じてこの契約書はつくられてないなと、契約締結がゴールになって結んだんだなというのが非常によく垣間見れるというか、そういう契約書をたくさん見てきましたと。ディストリビューターとうまくいく秘訣って、基本的には、この番組でも何回もお話をしましたけど、ディストリビューターの発掘選定、ここがもう7割ですと。じゃあ、この発掘選定したディストリビューターと確実に成功を収めるために、この70%を100%にするために契約交渉があって。100%になるわけですね、契約締結されたら。このされたものをずっと100%で維持し続けるために管理育成があるので。ディストリビューターの発掘選定、契約交渉、管理育成とこの3点セットになっていますよと。
その中で今日お話したいのが契約締結なんだけども、この契約締結というのは、絞り込む過程でね、自分たちが目指しているゴールが本当に一緒なのかということをディストリビューターと共有しないといけないわけですよね。何を売りたいのか。例えば汎用品を売りたいのか、それともこれから市場が大きくなっていく、少しプレミアムカテゴリーの商品を売りたいのか、何を売りたいのか。汎用品を売りたがるわけですよね、ディストリビューターは。一方で、多くの日本企業はプレミアムの商品をいち早く市場に投入して、市場を自分たちに優位な方向に変えていきたい。そうなってくると、やっぱり市場を獲っていかないと、まだ市場が求めていないものを市場に出していって、それを求めさせないといけないので、ディストリビューター側もそういうことを高いレベルで理解をしたディストリビューターじゃないといけないわけですよね。こういうことを本当に…、この部分ってね、マインドセットって私は呼んでいますけども、スキルセットって基本的には小売交渉力とか資金力とか配荷力とか、こういうものを言っていますけど、最低限自分たちがやりたい事業規模に対して本当に今ね、向こう3年ふさわしいスキルセットを持っているのか。持っていないところは全部消去法で切ってきているわけですから。最終的に、じゃあ、契約締結までにいくのは、もうこのマインドセットを見ていくしかないわけですよね。自分たちが本当にやりたいことと、彼らがそれに共感をして、賛同して、一緒にやっていこうと思う、この力が本当に一緒なのかというところを見極めていかないといけないし、オーナー社長の考え方ね、これはオーナー社長と話さないと何も見えてこないので。われわれの事例でもたくさんありますよ。No.2と話していたんだけど、No.1でひっくり返ったとかね、No.2はすごくネガティブだったのに、オーナー社長と話したら話が前に進んだとか、いろいろあるので、基本的にはオーナー社長としっかり話をして進めていくわけですけども。ここでマインドセットをしっかりとイコールにさせる。ここってまさに経験値なので、なかなか、じゃあ、このVTRを見てとかね、この本を読んで理解してやってくださいという話にはならないので。やったことある人と一緒にやって学んでいくという話になってくるのかなと思いますけど。
そうやって契約を締結していくと、やっぱり契約書が変わってくるんですよ。どう変わってくるかって言うと、大きく言うとね、まず目標数値が現実的。これ、目標数値を決めるときに、ディストリビューターと一緒にフィールドリサーチをやって、確かにあなたたちに任せる市場にはこれだけの需要があるよねということをディストリビューターにも腹落ちさせた上で目標を設定して走るので、基本的にはそういうリサーチをしている形跡がしっかりと契約書には出てくるわけですよね。あと、単年度契約なのかどうかとか、コミットメントはあるのかどうなのかとか。それから独占・非独占、これもよく多いのが闇雲に独占を与えるみたいな、1カ国1代理店制度みたいなね、よく分からないロジックの合わない契約。基本的には不得意なところでいくら独占を与えたって何にもならないし、将来それは大きな弊害になるので、基本的には彼らの得意な地域とか得意な領域、得意な顧客に対して独占を与えて、そこ以外のところはもうフリーで置いておくというのがもう鉄則だし、やっぱりある一定のエリアで独占を与えるんだったら、そこにはコミットメントが、最低これぐらいやってくださいねと、買ってくださいねと、そうすれば独占は継続しますよというね、コミットメントはやっぱり絶対つけないと、単に独占だけ与えるなんてあり得ないので、そこが1つ。それとは別に目標数値というのがあって。もう1つはやっぱり単年度契約。ほとんどが単年度契約になっているんですけど、結局、契約書に書いてあることがすべてなので。単年度契約ということはね、正味10カ月ぐらいですよ。ディストリビューターがね、10カ月後に契約切られるかもしれないのに、だって契約書に書いてあることがすべてですから、あまり経営資源を投下しないですよね。そうするとやっぱり2年とか3年、これだけの期間やりますよということをやっぱりメーカーとして差し出す。その代わりコミットメントをしっかりもらう。この金額はしっかり買ってくださいねと。それが守られなかったら3年は単年になるし、2年も単年になるし、別にそれはオプションをつけたらいいだけの話なので。
なんかね、こういう攻めの契約のテクニックがやっぱりすごく足りてないなというふうに思います。ただ契約締結をするということがゴールになってしまっている。そうなっている企業はやっぱりうまくいかないですよね、提携って。ある一定のところまではいったとしても、そこから先がやっぱりなかなか進まないので、この契約の守りと攻めの部分というのは本当に大切かなというふうに思います。
今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。



