ASEAN・インド 売れるチャネルは偶然生まれない ― 成否を決める「基準値」とは
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テキスト版
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDER INITIATIVEの森辺です。今日は、販売チャネルの戦略設計について少し整理をしていきたいなというふうに思います。販売チャネルの戦略設計が日本のメーカーには必要ですよと、消費財メーカー、特に日用品、食品・飲料・菓子・日用品等の消費財メーカーには必要であると。こういう話はこの番組でも再三してきていて。この戦略設計が、いわゆる販売チャネルを設計するという思想、設計思想がないからなかなか勝ちが続かないんだと。これ、設計思想のない企業はどうなるかというと、1度や2度は勝てるんだけども、結局、勝ちが積み上がっていかない。また、ここでは勝つんだけども、結局、全体で負ける。例えばタイでは勝ったのにASEAN全体で負けるとか、こういうことになるので。基本的には販売チャネルの設計思想というのはものすごく重要で、まず、この設計思想をしっかり持ちましょうということが重要ですと。
じゃあ、チャネルを設計する上で何が一番重要なのかというと、基準値を手に入れることなんですよね。基準値なきまま販売チャネルの設計というのはできないので、とにかく基準値を手に入れないといけない。基準値って何かというと、自分たちの現在地を把握するためのリファレンス・バリューであり、あと、自分たちのゴールに行くために必要なベンチマークというふうに僕は定義づけていて、この基準値を手に入れないといけない。もっと分かりやすく言うと、競合を100とした場合に自分たちが今、70なのか、50なのか、30なのか、競争力が。これが自分たちの現在地ですよね。この差異を埋めていくから競合からシェアを1%奪って、自分たちのシェアが1%上がるということなので、シェアを上げるということは独りよがりな話じゃないので、相対的な関係の中でシェアというのは上がっていくわけですから、基本的には競争力を可視化していかないといけない。これが手に入ると、自分たちは短・中・長期でこのチャネルに対して何をやっていけばいいんだろうと、自分たちは今、何が足りていて、何が足りていないのか、足りていないものをどう補っていけばいいのかということが分かる、これがまさに基準値のリファレンス・バリューの意味合いです。
圧倒的に日本のメーカーよりも先に行っている欧米の先進的なグローバル企業とか、今では非常に強い競合になってしまったアジアの企業、彼らのチャネル設計というのは学ぶものが非常に多くあるので、まず、これをやらないといけないし。もう1つ、目標達成に必要なベンチマークとしてもこの基準値というのは重要で。例えば自分たちはこの国で20億やりたいんですと。じゃあ、20億やるためには、まず近代小売の配荷率を9割まで獲って、この主要3小売の3近代小売の中で、この主要な棚にこういうSKUを並べて、こういうエンドコーナーを獲って、こういう棚割りをしていかないとまず駄目だ。この近代小売が当たり前に獲れた状態で、なおかつ伝統小売20万店への配荷が必要ですと。さらにこの20万店の配荷をするためには、この地域にこれだけの数のディストリビューターを置いて、自社とディストリビューターの営業マンはこういう数を揃えて日々こういうことをやらないとこうはならないという、ブレークダウンをしていくと、全部数字が見えてくるわけですよね。こういうものがもやもやな状態で前に進んでも、これは本当に積み上げにしかならなくて。ゴールが明確に設定されていない中でどれだけ積み上げたって、これはなんかもう自己満足の世界になってしまうんですよね。いかに自分たちのゴールを明確に設定して、そのゴールに最短で到達する手法を逆算で割り出していって、それを1個1個やっていくかということはすごく重要なので、これがまさにベンチマークに当てはまる。
この基準値さえ手に入れれば、日本の消費財メーカーの販売チャネルはまだまだ改善できるし、日本の消費財メーカーのシェアが上がらない要因は、プロダクトでもなければ、プライスでもない、ここが良いのはもう当たり前の状態なので、圧倒的に競争力に遅れを取っているのはこのプレイスのチャネルの部分。このチャネルが最適化されればプロモーション投資が最大化されるので、結果としてシェア拡大に最も早く直結するのはチャネルなんですよね。なので、チャネルの設計思想をもって基準値をつかむということを心掛けて、心掛けるというか、これがなければ勝てないということだと思います。
今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。



