ASEAN・インド チャネル・ストラクチャーから読み解く売れない構造的理由
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テキスト版
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDER INITIATIVEの森辺です。前回ね、販売チャネルの戦略設計の重要性、設計思想を持つということは重要ですよと。設計思想を持つためには基準値をつかまないといけない、基準値にはリファレンス・バリューという意味合いとベンチマークという意味合いがありますよという、そんな整理を前回したのかな。今回はその続きで、じゃあ、基準値をつかむためには競争環境を可視化する、競合を調べるという話をしたと思うんですけど、この競合調査についてちょっとお話をしていきたいなというふうに思います。基準値をつかむだから、競合調査でございますが、なぜ競合調査が必要かというと、戦略設計をするため。自分たちよりも圧倒的にやっぱり先駆者がいるんですよ。特にB2C、日用品、食品・飲料・菓子・日用品等のFMCGの消費財のインダストリーにおいてはね。それらがどういう経緯で今ここにいて、なぜこういう体制でこういうことをやっているのかということをまず開く。シェアを上げるというのは、他社からシェアを1%奪うから自分たちのシェアが1%上がるので、基本、他社の戦い方、競合の戦い方を知らずしてシェアなんて上げられないんですよね。
まず、差異を開くために競合調査をするんだけども、これが単なる競合調査じゃ駄目なんですよね。単なる競合調査というのは事実を可視化するということなので、事実を可視化した上で、現状の御社と比較検討をして、御社には何が足りていて、何が足りていないのか、どうすればシェアが上がるのかという提言までやっていかないといけないので、ここが通常の競合調査とは違うというところの1つのポイント。単なる競合調査をしても意味ないですよという、この非常に重要なポイントと。
あともう1つが、じゃあ、競合調査といってもね、あれもこれもそれも調べて何か意味があるかというと、全く意味がなくて、やっぱりポイントを絞るということをやらないといけない。調べることが多いということは費用がかさむということですから、やっぱりポイントを絞るということだし、あと、情報を知ってふーんと思うだけだと、これね、やっぱりまったく意味がなくて。やっぱりふーんと思って、だからアウトプットを出すという。これって部下から報告をもらうのもそうなんだけども、自分が安心したいから部下から報告をもらって、「ああ、そうかそうかそうか、ふーん」という、これ僕すごく気をつけていて、駄目な上司になっているなという。自分が安心したいがために部下の仕事を増やすというね。そうではなくて、その情報をもとにどういうアウトプットを出して、どういう最終的にアウトカムに持っていくのかということができないんだったら、無駄なインプットはもらわないという。なぜならば、インプットを入れる人が大変だからという。ちょっと話が逸れましたけども…。(笑)競合調査で、その中で、競合調査の中で調べるべきポイント、これはね、僕はもう本当に競合の販売チャネルのストラクチャーと、それから組織体制、3つ目がマネジメント体制、この3つを見ればもう十分で、この3つの力と力のぶつかり合いが販売チャネルの競争力なので、基本的にはこの3つ。
一番最初のチャネル・ストラクチャーを見たらね、もうなんでこの企業はシェアが上がらないのかというのは瞬時に分かるんですよね。「なるほどね、シェアが1%以下でずっと10年以上この状態な企業のチャネルってなるべくしてなっているね」というのがやっぱりチャネルを見たら分かる。なぜこのディストリビューターなのか、なぜこのディストリビューター1社しか使っていないのか。そもそも組織体制とかマネジメント体制を見るまでもないという。やっぱり強い企業のディストリビューション・チャネルのストラクチャーね、美しいですよね。「なるほど、考えられているな」と、「近代小売と伝統小売、なるほど、都市部と地方部、こういうかたちになっているのね。それはシェア高いよね」ということが、もうね、このストラクチャーは骨組みですから、これが間違っていたら、どれだけ頑張ったって、もう無理なんですよね。なので、このチャネル・ストラクチャーは本当に重要だし。あと、強い企業のストラクチャー、現状のチャネル・ストラクチャーはなぜそうなっているのか、やっぱりいろんな彼らも失敗や課題を抱えながら今の姿があるので、どういう経緯でそうなっていったのかということをスタディするのはね、これもまた非常に重要なんですよね。
組織体制とマネジメント体制というのは、これは表裏一体なわけですけども、基本的に強い企業はやっぱり球数がしっかり合っているんですよね。じゃあ、球数を合わせればいいのかと、欧米の先進グローバル企業は1,000人、1,500人でセールスを揃えている中でね、自分たちもそれだけ揃えるのか、それはできないのは、日本にね、分かっているし、そんなことをやれとも言ってなくて。ただ、最低限必要な球数というのはあって。競合が1,500人のセールスを使っている、伝統小売を20万店獲らないといけない。その中でセールス30人で何やるの?って、それはもうどうにもならないですよね。最低限この数は必要だとか。あと、数もそうなんだけど、日本の消費財メーカーの場合は人材の質、これもやっぱり全然良くない。結局、採用基準がもう不明確。とにかく優秀な人という定義で採用するので、優秀な人を採用するんだけど、優秀な人は伝統小売のセールスなんてやらせたら辞めてしまいますから。辞めてしまうんですよね。辞めて残ったのはあまり要らない人だけが残るという、こういう状態の会社もたくさん見てきたし。必要なのは優秀な人ではなくて、やらせたいジョブディスクリプションに合致した人、伝統小売のセールスをやりたいんだったら、毎日同じことを飽きずに愚直にやり続けられる、こういう人を採用しないといけないので、それは優秀な人なんて必要ないんですよね。教育よりも圧倒的に採用なので、社内で教育とか意味不明なロイヤリティ、お給料、インセンティブ少なめだけどロイヤリティ高く持てとか、こういう日本国内で通用する常識は世界では通用しないので。自分たちはまだシェアが低いのであまりお給料上げられないんですって、それは自分たちの都合であって、雇われる側からしたらまったく関係のない都合なので、そういう経済合理性を欠いた話も通用しないですよね。こういうことを改善していく。
マネジメントも、自分たちは伝統小売15店回っているんですと、でも、競合を調べたら25店回っていますよとか。あと、15店回っているというけど、正味ちゃんと回れているのって10店じゃないですかとか。あと、伝統小売のオーナーと会えてないですよねと、競合は月に2回は会えていますよと、でも、自分たちの自社のディストリビューターは半年に1回、なんなら自社の営業なんて来ないで有名ですよみたいなね。こういう状態が非常に多く見られるので、このストラクチャーと組織体制とマネジメント体制、これを改善すればシェアは劇的に上がるし、これを闇雲に改善するのではなくて、現在地を理解した上で足りているもの、足りていないもの、それを把握して、足りていないものを埋めていくと、正しく埋めていくということが重要ですよというお話でございます。
今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。



