HOME » 動画番組 スパイダー・チャンネル » 明治大学 名誉教授 大石 芳裕 先生との対談を振り返って

動画番組 スパイダー・チャンネル

明治大学 名誉教授 大石 芳裕 先生との対談を振り返って

番組への質問はこちら » お問い合わせフォーム
新刊はこちら » https://www.amazon.co.jp/dp/4495650238
定期セミナーはこちら » https://spydergrp.com/seminars/
noteはこちら » https://note.com/spyder_moribe

この動画の要点

  • 明治大学名誉教授・大石芳裕氏との対談、全4回を振り返る回になる。
  • ローカル企業もマーケティングを武器にし、チャネルの遅れが目立ってきた。
  • 既存ディストリビューターとこの先どう進むか、という相談が増えている。
  • 販売チャネルは生き物。だからこそ常に現場を診る、が最後の結論になる。

対談の中身をお伝えする回です。全4回で扱ったのは、ローカル企業の台頭にどう対抗するか、既存ディストリビューターとの新しい関係、鈍化する事業の本当の敵は内にいること、そして販売チャネルは生き物だからこそ現場を診続けることでした。競合はもはや先進グローバル企業だけではありません。ASEANや中国のローカル企業がマーケティングを武器にし始めており、なかでも販売チャネルの遅れが目立ちます。伝統小売を回っていると聞いていたのに、実際にはSKUが決められた場所に置かれていない。そうした食い違いは、現地から上がる情報だけでは見えてきません。

テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDER INITIATIVEの森辺です。今日は、先日私のPodcast番組に明治大学名誉教授の大石芳裕先生をお招きして対談をしました。その内容をちょっとYouTubeのほうでもさくっとご紹介をしていきたいなというふうに思っております。

Podcast、前回この番組で、Podcastで埼玉大学の副学長の井原基先生との対談のお話、全4回、どんな話をしたのかということをお話させていただいて、今日が明治大学名誉教授、われらがグローバル・マーケティングの権威、大石芳裕先生にも来ていただいて、対談をさせていただいたと。大石先生とももう長いですね。かれこれどれぐらいなんだろう、もう15年近いと思うんですけど。長いのかな、短いのかな。でも、いろんなことを一緒にやらせていただいて、思い出がたくさんある。中国にも一緒に行きましたし、いい思い出がたくさんあって。その大石先生が、明治大学は正式には定年されて退官したんですけど、今は明治大学の名誉教授で。でも、いろんな企業さんの顧問をやられたり、もう引退ですと言いながら全然現役で、現役と変わらないし、グローバル・マーケティング研究会、グマ研、通称グマ研と言われるやつも会員がもう何千人いるんだろうな。僕が最後に記憶しているのが3,000人だったかな、そんな感じだったと思うので、まだ日々増え続けているというね。今、古川先生と原田先生が引き続き、主体的に後を継がれてやっているのかな。大石先生も毎回顔を出しているし、全然現役で。なんだ、現役なんだったら、もっといろいろ絡ませてくださいということでPodcastにもお呼びして、皆さんたぶんこの番組を見ている方は大石先生のことをご存知の方は多いと思うので、本当に良い先生というか、みんなの人気の、みんなに好かれるのがよく分かるなというお人柄の先生で。その先生と対談をして、今度YouTubeでも動画で対談とかやれたら一番いいんですよね。ただね、これ、動画で対談となると、スタッフとか設備とかもやっぱりプロからこうね、今、これ、僕、「もう社長、1人で収録してください」と言ってカメラ渡されて、会社の自分の席のところでこうして自分の部屋でやっているんだけども、収録しているんだけども、こういう感じじゃ駄目ですもんね。まあまあ、ちょっと、動画考えていきたいと思います。

大石先生を呼んで何をやったかというと、4つお話をして。1つがローカル企業の台頭に日本企業はどう対抗すべきかと。やっぱり先生すごく危機感を持っておっしゃられていたのが、昔は、その昔、これは全部日用消費財が中心になるのかな。でも、別にB2Bでもローカル企業の台頭とか、中国企業の台頭というのはもうずっと言われていることなので、B2B企業の方もこれは合う話だと思いますけど、やっぱり先進グローバル企業だけが競合じゃなくて、ローカル企業も彼らの製品の向上というのはもちろんなんだけども、マーケティングを武器にするという傾向が非常に強くて、今、日本企業よりももしかしたらマーケティングを深く理解している。日本企業のマーケティングの理解って表面的なプロモーションとか、どっちかというと対消費者に対するとか、対コーポレートのブランディングをどうするとか、そういう部分なんだけども、マーケティングってフィリップ・コトラーは商品を発明して…、企画して、発明して、開発して、生産して、在庫して、流通して、販売して、代金回収して、アフターサービスするまでのこの一連の流れをマーケティングというふうに言っているので、その中のチャネルがやっぱり、マーケティングを使うと、特にチャネルにおける遅れがやっぱり目立っていて、ローカル企業は脅威だよという話が1つですよね。

あと、既存ディストリビューターとの新たな時代における新たな関係ということで、そういう話もした。今、われわれの会社もそうですけど、ご相談いただく話の中ってやっぱり今もう何十年も一緒にやってきているディストリビューターとかパートナーがいるんだけども、そことの今後の将来が描きにくくなってきたと。もう今の状態でいろいろここ10年いろんな取り組みをやったんだけど、これ以上は難しいと。でも、市場は伸びている。自分たちも伸びないといけない。そのためにこの今のパートナーは今のパートナーで維持するのか切るのか、ちょっと別途検討ですが、新たなパートナーなのか、新たなやり方なのかでやっぱり伸ばしていかないといけないという、今までのパートナーとこれからどうやっていくのか、新しいパートナーをどうしていくのかみたいなね、こういうご相談がやっぱりめちゃめちゃ多いんですよね。なので、そういうお話。先生もやっぱりそういう話をたぶんたくさん聞かれているんだと思うんですよね、いろんな企業さんから相談を受けていると思うので、そんなお話を2回目にやらせてもらったと。

あと、鈍化する事業の本当の敵は内にいるということで、ちょっと前にそこのエピソードだけを切り抜いてやりましたけども、結局、身内が自分たちの進むべき方向性のじゃまになっていることって大いにありますよと。例えばすべての情報、末端の情報、これが最前線の粒度の細かい情報が重要なのに、それを全部ローカル、ナショナルスタッフから仕入れていて、結局、ナショナルスタッフから日本人に伝達される中で、これは悪気があってじゃないんだけど、バイアスが当然かかっていて。情報ってやっぱり、自分たちもそうなんだけども、客観的に事実を伝えていくというのは、これは人間すごく難しくて、やっぱり潜在意識の中で自分にとってどうかという情報の伝達に変わっていってしまうし、人が多ければ多いほど情報の伝達って変わってくるんですよね。ここでもやっぱり、いや、伝統小売回っているんです。回っているんだけど、商品が入らないんです。なぜならば商品が高いから、悪いからって聞いていたのに、実際に行ったら入っていないじゃんと。これ、このSKUがこの場所に置かれていないとか、こんなところにあるとか、あんなところにあるとか、隠れているとか、こんなの入っているには入らないとか。あと、いや、営業活動しているんです。訪問しているんです。いや、敵が30軒回っているのに、自分たち15軒じゃ、これは訪問してないじゃんとかね。あと、訪問していても伝統小売のオーナーに会えていないんだったら意味ないじゃんとか、こういう細かな部分が見えてないまま、「いや、うちは回っているんですとナショナルスタッフが言っている。ナショナルスタッフが、ナショナルスタッフが」って、「ローカルが、ローカルが」って、全部ローカルかいっていうね、自分の目で見るという、ここがすごく重要で。これが弊害になってしまっていて。やっぱり本社からしてみたら、日々現地にいないので、現法から「ナショナルスタッフが言っている」と言われたら、違和感は残るんだけど、「まあ、そうなのかな」と思わざるを得ないですよね。こういうことが新たな方向性のじゃまになっているというケースは本当にすごくよくある。あと、結構長くいる人、別に10年20年いなくても、5年ぐらいいて、「あれもやった。これもやった。それもやった。でも、駄目だったんです」みたいな、こういうことを言う人、こういうのもやっぱり新たな方向性の邪魔になっている。このお話もしましたけど、なんかね、アジア新興国戦略で今まで試したこともない、超ウルトラミラクルな何か方法が突如としてバーンと現れて、「うわー、そうだったか。ここが盲点だった。これやってなかった」なんていうことはないんですよね。そんなの万に1つで。だいたいもう皆さんがテーブルに上げているようなことを、どの時代に、タイミングね、誰が、どこまで精緻にやるかということでも全然結果が変わってくる。「これもやった。それもやった。あれもやった。でも、あなたがそんなやり方しているから結果が出ていないんでしょ」ということがもうほとんどなんですよね。これはやり方を誰がどうやるかによって全然成果が変わるし、10年前は駄目だったけど、今やったらいいんですよというケースもあったりするので、これは結構邪魔になっていて。やっぱり現地に長い人から「あれもやった。これもやった。それもやった。でも、駄目だったんです」と言われたら、本社の人間は「そうなのかな。なんか違和感残るな」というふうなことにしかならないので、こういうのもやっぱり気をつけなきゃ。われわれ自身も気をつけていますからね。僕も社内で、「いやいや、僕が一番分かっているんだ」と、「フィリピンこうだろ、インドネシアこうだろ」と僕は絶対言わないようにしていて。頭では思ってしまうんですよ、当然ね、自分の経験があるから。でも、このプロジェクトプロジェクトごとの調査を通じてファクトだけを見るということをめちゃめちゃ意識しているので、その上で自分の経験を重ねるということを端から自分の経験でこうだというふうにはね、3年経ったら新興国の状況なんてガラッと変わるので、自分の過去の記憶でね、「いや、こうだろ」って決めつけるのが一番駄目。なので、内に敵がいますよという、そんなお話を。ディストリビューターもそうですよね。ディストリビューターにそう言われたらそうなのかなって。でも、ディストリビューターというのは自分の都合で事業を進めるので、メーカーの商品の10年先20年先の未来を考えて商品を売ってないですからね。自分たちの今の経営資源で最も効率良く利益を上げる方法はどうかということが彼らの一番のプライオリティで。これはもう当然、経済合理性を考えたらその通りなので、悪くはないわけですよね。なので、ディストリビューターもそう。だから、鈍化する事業の本当の敵というのは、多くの場合、僕が今まで過去25年見てきたのは、内にいるというケースがほとんど。だから、外部の人を雇い入れて、外部の人にそれを修正させるということをやる。だから、われわれみたいな事業が成立するんだと思うんですけど。まあまあ、内にいますよという話。

4回目に販売チャネルは生き物であるからこそ、常に現場を診る。この「診る」というのはね、映画を観るとか、物を見るとかじゃなくて、診断をしていくという「診る」を先生は漢字として選んでいて、現場を診る、調査ですよね、それが重要なんだよということを最後おっしゃられて。非常に有意義な4回の対談になったと思うので、ぜひ皆さん、興味ある方はPodcastのほうに行ってもらって見ていただければなというふうに思います。

長くなりましたが、今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。

自己診断サービスのご紹介