東忠男(以下、東):こんにちは、ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは、森辺一樹です。
東:森辺さん、今日は結構最近講演とか多くて、皆さんから「森辺さんって何をやっている人なんですか?」みたいなことを度々聞かれるということだったんですけど、一般の方もこれだけポッドキャストとかやっていて、じゃ、一体何をやっているの? というのは明確にちょっと示してこなかったので、いい機会だと思うので、森辺さんが一体何をやっているんですかということを少し教えていただけないでしょうか?
森辺:何をやっているのはというのは、経営コンサルタントでチャネル構築、グローバルマーケティングが専門でとか、そういうことはわかっていて、具体的にどういうことをしてくれるんですかという質問なんですよね。多分イメージが湧かない人が当然多くて、海外には、困っているんだけど、何を相談できるのか、できないのか。何を相談したらいいのか、いけないのかみたいな、そういうお悩みをいただくケースが結構ありますと。
一言で言うと、僕の仕事の大半は、企業さんが海外の市場に参入をするときの参入戦略を作るというのが1つの大きな仕事なんですよね。半年とか1年とかのコンサル契約をしてもらって、参入戦略を作っていきましょうと。そのためにいろいろな初動調査をしたり、いろんな分析をして、最もそのRYの高い参入戦略とは何なのかというのを導き出していくというのが僕の一番の仕事なんですよね。どういうお客さんがそれをお願いしてくるのかというと、これから参入をするお客さんが1つですよね。参入をしたんだけども、何かいまいちうまくいかないというお客さんも当然いて、いわゆる戦略の再構築みたいなことをやっていくというのが一番大きい仕事ですよね。戦略って、出来上がってはいどうぞというわけにはいかないので、当然その後、そのつくった戦略をお客さんのチームと一緒に実行していくということをやっていくんですよね。それが僕の仕事で、そんなことを年がら年じゅうやっていますよ、というのが1つですかね。
東:もうちょっと具体的に、ではその参入戦略といっても、イメージが湧く方と湧かない方がいらっしゃると思うんですけど、何か森辺さんが具体的にここが強いとか、こういうことをやっているというのをもう少し紐解いて教えていただけるとありがたいんですけど。
森辺:では、例えばなんですけど、ここに1本のペンがあります。このペンを世界で売っていきたいというのがお客さんの望み。その中で、どうやって世界に売っていくのというところから始まると思うんですけどね。結局、いきなり全世界に一気にやるなんということは難しいので、どの国から、ではやっていきましょうかと。どの国からやっていこうかというのも、何となくこの国がよさそうだからこの国からというわけにはいかにないので、そこには必ず理由がないといけないわけですよね。なぜこの国からスタートするのか。そうすると、最もRYが高く、成功率が高い参入国はどこなのかということの選定からに始めていくわけですよね。当然その市場が大きいんですか、小さいんですかということも見ていかないといけないし、出ても、強い競合がいたら、当然買っていかないといけないわけですよね。ですから、どういう競合がそこにはいるんだろうと。その人たちと戦って勝てるのか、勝てないのか。その人たちは過去どういうことに失敗して、どういうことに成功してきたんだということも当然見ていきますと。
そういうことをしていくと、自分たちが今このタイミングで、どの国に出るのがベストで、競合とどういうふうに戦うのがベストなのかという戦略ができ上がってきますよね。当然、その直販をしていくというのもそうなんですけど、うちの会社の強味としてあるのが、チャネル戦略、チャネル構築だと思うんですけどもね。そのディストリビューションネットワークを作っていかないといけないと。いわゆる代理店網を作っていかないといけないと。そうすると、どういう代理店と付き合ったらいいのか。それがエリアごとにどうなっているのかということも見ていかないといけないですよね。
そういうことを見ていって、最終的にこの点をこういうふうにやっていきましょうということを決めていくんですよね。これは別にペンじゃなくても、食品でも日用品でも、BtoBの設備でも、部品でも、何でもそうなんですけど、基本的には一緒で、そういうことを細かくやっていく。主に大企業がほとんどなんですけども、結局中小企業であっても、それはやらなきゃいけなくて、何で中小企業の海外展開が失敗するかといったら、何にもやらないでドンと行っちゃうから失敗するという話で。大企業は経営資源、ヒト、モノ、カネ、情報が非常にそろっているし、お金もたくさんあるので、たくさんお金かけても綿密にすごい細かく分析をして、いろんなことを調べていけばいいんですよね。何でかいったら、彼ら、100億、500億、1,000億という売り上げを海外で必要とするので。けど中小企業の場合、必ずしも最初はそうじゃないので、そんなに細かくやらなくてもいいと。ただ、やらなきゃいけないことというのはあまり変わらないんですよ。ただそれを深くやるか、浅くやるかというだけの話で。なので、中小企業さんもそうなんですけどもね。そんなことをやっているというのが私の仕事ですね。
東:そうすると、何となくはわかって、その戦略をつくっただけで終わってしまうのか。その次のステップというのがあるかというのは、参入戦略とか再構築の戦略を立てるというところはわかったんですけど、その辺は森辺さん、どうされているんでしょうか?
森辺:基本的には自分でつくった戦略を自分で実行していくということが大体の流れで、お客さんのチームと一緒にその戦略を実行していく。結局すごくいい車ができても、運転する人が下手だったらレースには勝てないじゃないですか。それと一緒で、車をうまく作ることと、それをうまく運転するということって、レースで勝つには切っても切れない関係ですよね。戦略も一緒で、すごくいい戦略を作っても、そこを最後までやっぱりフォローしていかないと、レースには勝てないんですよ。せっかくいい戦略を作ったのに、結局お客さんが競合に勝てずに売り上げが上がらず利益が出なかったら、僕のせいになっちゃうので、戦略の実行までご一緒させていただいているというのがうちの特徴かもしれませんね。絵に描いた餅をお客さんに渡して、はいさよならというわけにはなかなかいかないんですよね。「じゃ、森辺さん、これよろしくお願いします」となっちゃうんだけど。なので、そんなことをやっているというのが私の仕事でございます。
東:お客さんとチームでやっていると今おっしゃったんですけど、一般例で構わないんですけど、一般的にどういう関わり方が多いんですかね?
森辺:うちの中でチームが作られますよね。お客さんも当然チーム、国際事業部がいて、チームがいて、現地法人もいたりするわけですよね。その中で、チームのステアリングコミュニティーというか、最終決定権者はお客様にあるんですが、いわゆる実働の部隊の責任者を我々のチームがやるという。私が担うということになるんですが、それでお客さんを一緒に引っ張っていくというイメージが多いですかね。大変な仕事でございまして、出張も多いですしね。
東:そうすると、森辺さん自身はやっぱり海外の現地にいることが結構多いんですか?
森辺:多いですね。去年も半分までいかなかったですけど、多かったですしね。なので、逆に悩んでどうしていいかわからないまま、ダラダラ進むよりも、そうしたやったほうが早いですよね。時間はお金で買えるし、成功効率は格段に上がるし、もう15年近く、いろんな会社のいろんな失敗事例見てきているわけじゃないですか。そうすると、もうこの国でこの業種がこういうことをやったら、確実に失敗するという知見が社内にあるわけですよね。私の頭の中にも。そうすると、それを多分使ってやったほうが早いので、お客さんとしてもスピードは速く買えるし、無駄なお金を使わなくていいというのが、多分最大のメリットになっているんじゃないですかね。時間とノウハウをお金で買うというイメージですね。
東:では、森辺さんがどんなことをやっているかというのはわかっていただけたと思うので、また何か詳しいことで、何かわからなければ、弊社のホームページでもいいですし、ポッドキャストの問い合わせ先まででも構わないので、またご連絡いただければ。
森辺:よろしくお願いします。9月から時間あきます。
東:では森辺さん、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。