A:東、B:森辺
A:こんにちはナビゲーターの東忠男です。
B:こんにちは森辺一樹です。
A:森辺さん今日はどんなお話をしていきましょうか。
B:今日はですね、一橋大学の米倉先生を基調講演にお招きして、弊社で主催を予定をしている、8月と9月に一回ずつですかね、予定しているアフリカセミナーに関してアフリカの話をできたらなと思うんですけど、どうですか。
A:わかりました。前回と前々回はたぶん米倉先生にご出演していただいてアフリカ、南アフリカ特に、大枠のお話をさせていただいたと思うんですけど、結構日本企業から見るとまだまだアジアも中国も残っているし、インド、メコンという形で優先順位、プライオリティとしてまだ低い国なのかなっていう感じも受けるんですけど、森辺さんはアフリカ市場はどう捉えていますか。
B:アフリカ全体でいえば当然中国があってアセアンがあって、メコンがあって、インドがあってアフリカという、こういうのが順当だと思う、順当にいけばそういう順番だと思うんですよね、ただその一方で南アフリカだけをとって言えば、ブリックスのエスが大文字になるとサウスアフリカじゃないですか、中国、ロシア、インド、ブラジル、南アフリカと、この南アフリカに関しては全く日系企業はほぼ無視みたいな状態になっているので南アフリカだけをとって言えば今だったりするんでしょうね。我々がイメージしているよりも全然安全だし、危険だけど安全だし。一方で一人当たりのGDPを見たとき、タイと変わらないんですよ。もう間もなく変わらない、ほぼ変わらなくなっていく、2010年代、うまくいけば20年か21,2年くらいには確実にタイを抜いてくる、おそらく2020年代までかからないんでしょうけど、今の推移でいうと、だからそう考えてもタイにあれだけ日系企業があるわけじゃないですか、だからそういう意味では一つ南アフリカというのは別個で考えなければならないというのはあると思うんですよ。ナイジェリアもこれからさらに発展していくので、アフリカ全体で見るとまだ早いかもしれないけど、一部の国はアセアンの一つの国と同等以上にこれからなっていくわけで、そこは一つ考えていかないというのはありますよね。あともう一つ人口のお話をしたときに、アフリカの人口がどれくらいになってくるんだというところでいうと、2050年、で、約22億人、アフリカ全体で、こんな大きいマーケットないわけじゃないですか、思い出していただきたいんですけど、アセアンのマーケットをとる上で日本の消費財メーカーは先進グローバル企業から遅れること10年、僕の感覚だと20年遅れたんですよ。その今取り返しが非常に大変になっているわけですよね、もしかしたら取り返せないかもしれない。グローバル化ってグローバル人材とかノウハウとか知見とかいろんなものが年数を重ねるごとにグローバル化できることなので、明日始めてはいグローバルという話にはならないわけですよね。そうするとやっぱり今のうちからアフリカをやっておかないと結局常に先進グローバル企業の後追い、アセアンでその事例が出ているわけなので、中国インドなんていうのは完全に遅れましたよね。だからそうならない上でも僕はアフリカを早いっていう印象が今あるんですけどね、行ったら早いとは思わないんですよね。だからそういう意味では僕はやるべきだと思いますよね。
A:森辺さんは実際南アフリカに行ってると思うんですけど、行ったら早いと思わないって言われたんですが、行く前の印象と、実際見ると全く違う印象を受けるじゃないですか、それ正直な話、行く前の印象って森辺さん自身どう思ってて、行ったらどう変わったかみたいなところは何かありますか。
B:まあ南アフリカはちょっと別個ですよね。アフリカじゃないですよね。白人社会。どちらかというとそのメキシコとかイメージとしてオーストラリアとかそんなイメージがすごくあって、世界で最も危険な国、危険は危険なんでしょうけど、一部の富裕層と呼ばれる人達の居住しているエリア、もしくはその生活をしているエリアに関していうと、かなり先進国ですよね。その富裕層と貧困層が居住しているわけですよ、その一つの国の中で、そういう意味では非常に面白い国ではあるんですけど、僕は南アフリカは他のアフリカでイメージするような苦にではなかった。
A:行く前はどういう印象があったんですか。
B:行く前はアフリカってついた時点で、ナイジェリアとかケニアみたいなイメージがあるわけじゃないですか、ナイジェリアもケニアも進んでいるんですよね、アフリカの中ではね、そのイメージがあったんですけど。僕はすごくオーストラリアみたいなイメージが強かったですね。
A:そうすると結構栄えている
B:近代ですよね。近代的なモールとか近代的な小売りがたくさんあるし、当然そのスパダと呼ばれる伝統的な小売りもたくさんあるんですけど、こないだ米倉先生も言いましたけど、アジアで通用する日本とか日本製とかは全く通用しないわけですよね。アフリカ人にとっては日本も中国も韓国も台湾も同じみたいな、日本はパートオブチャイナですかっていうレベルの人達がたくさんいるわけでね、アジアに韓国製中国製は買うけど日本製はアジアの中で一番だよねというか、その韓国製と日本製の違い、日本製と中国製の違いは明確に理解しているじゃないですか、けどアフリカにとっては全くそれがフラットなんで、そういう意味では米倉先生が言ってたとおり効き腕が使えない、で、僕はその南アフリカは今やらないといけない国だと思うんですね。なんですけど、一方でそのそれはそれでおいといたとして、このアフリカ自身を今やるやらないは一旦おいといて、この一番究極に難しい国を見てアジアの戦略を組み立てて行くということは非常に有効な手段の一つだなと僕は思うので、どちらかというとその担当者が見に行くというよりは経営層が見に行ってほしい、そういう役職者が見に行ってほしい地域ではあるんですよね。
A:今日はお時間がきたので、ここまでにして、引き続き少し南アフリカの話題に触れたいと思います。森辺さん、ありがとうございました。
B:はいよろしくお願いします。