・こんにちは。ナビゲーターのアズマタダオ(以下A)です。
・こんにちは。森辺一樹(以下 森辺)です。
A:森辺さん。前回に引き続き、スパイダーの三つのサービスということで、一つ目をご説明いただいたんですが、今回は、二つ目をご紹介いただきたいと思います。
森辺:二つ目は、グローバル・チャネル構築支援というサービスでございまして、前回お話した、グローバル・マーケティング戦略の構築支援とはちょっと違って、よりチャネルにフォーカスをしてるんです。
A:もしよろしければ、チャネルっていうのが、専門用語に近いと思うんですけど、グローバル・チャネル戦略、構築っていうところが、そのチャネルが具体的にどういうものを指すのかっていうのを、ちょっと教えていただければ。
森辺:チャネルとは、販売チャネルのことを指してるんです。販売ルートですよね。物を販売していくための販売網。当然、BtoBだったら直販っていうのもあると思うんですけど。直販の方が多いとかっていうのもあるかもしれないんですけど、これもチャネルじゃないですか。一般消費財メーカーさんになると、チャネルっていうのは直販のチャネルよりも、むしろ、ディストリビューター、代理店さんを使ったチャネルが非常に重要になってくるわけなんです。BtoBよりもBtoC。消費財メーカー系は、チャネルが非常に重要なんです。このディストリビューターを通じて、リテールに商品が入っていって、コンシューマーがそれを手に取るという中で、リテールも二つあるわけじゃないですか。BtoCなんかは。いわゆる、モダン・トレードとトラディショナル・トレードっていうのがあって、もっと言うと、その間にジェネラル・トレードっていうのもあったりするんですよ。そうすると、リテールも3種類ありますと。ディストリビューターも、日本企業がよくやりがちな、1カ国、1代理店で済むような市場じゃないですよね、アジア新興国は。どっちかっていうと、エリアに強いディストリビューターっていうのがいるし、ディストリビューターの先には、サブ・ディストリビューターとかホールセラーと呼ばれる人達もいるし、それをどう、パズルを組み合わせて、最も、最適なチャネルを作っていくかっていうのが、売り上げにものすごく重要なんですよね。この、チャネルのインフラがあって、そのチャネルのインフラをどうマネジメントして、コミュニケーションをとっていくかって、この3ステップなんですよ。チャネルデザインして、マネジメントして、コミュニケーションとっていくっていう。これを、全体をチャネルなんですけど、こういうものがチャネルなんですよね。それを支援していくのが、このグローバル・チャネル構築支援っていうサービスなんです。このサービスは、新規でこれから出るっていうお客さんもいないことはないですけど、ほとんど自分たちは現行あるし、もうその国にディストリビューターいるし、やってます。やってるんだけど、なかなか数字が伸びないみたいな。ASEANの経済成長率に合わせて、伸びるみたいな。105%成長とか106%成長みたいなのがずっと続いていて、シェアに関していうと、なかなかシェアという意味では、大きな存在感を現せないみたいな。その中で、自分達のチャネルが、果たして本当に適正なのか。ディストリビューターが本当にいいディストリビューターなのか。もしくは、もっといいディストリビューターがいるんじゃないかとか、もしくは、もっといいチャネル戦略を作る必要があるんじゃないか、みたいな悩みを、結構多くのお客さんが今抱えていて、だいぶ気づいてきてるんですよね。物はいいよね。会社としてもいい会社だね、日本企業。ただ、チャネルが弱いねみたいなことを気づいてきているので、そのチャネルのリビルドをお手伝いするっていうのが、このグローバル・チャネル構築支援のサービスです。
A:なるほど。具体的に、チャネルのリビルドをどうやって支援していくのかっていうのは、何ステップかに分かれると思うんですけど、具体的にどういったことをなされるんでしょうか。
森辺:例えば、マーケットシェアをとっていかないといけないじゃないですか、現地で。そうすると、お客様の競合がいるわけなんですよね。その競合と比較して、自分たちのチャネルがいいのか、悪いのかっていうことを導いていかないといけないんですよ。よくよく日本企業は、自分たちのチャネルはどうなんだろう。いいディストリビューターなのかな。自分たちはいいチャネルなのかなっていうことを言うんですけど、チャネルって、いいディストリビューターを選べてるかどうかっていうのも、当然そうなんですけど、これ以外に、そのディストリビューターをちゃんとした方法で、マネジメントできてるかっていうメーカー側の問題もあるんですよ。この二つを、同時の車輪で回していかないと、いいディストリビューターも腐っちゃうわけですよね。そこを見ていくっていうのが一つあるんですけど。じゃあ、このいいディストリビューターかどうかっていうのが、何を基準にいいって言えるのっていうことがすごい重要で、競合のディストリビューターと比較して強いのか弱いのかっていうことを、もう一方の観点で見ていかないと、自分達の概念でいい、いいって言ってても、そのディストリビューターが競合のディストリビューターより弱かったら、いつまで経ってもシェアは開くばっかりじゃないですか。そうすると、このチャネル戦略の構築支援で見ていく、やっていくっていうのは、自分達のチャネルが、競合と比較して、どれぐらいの競争力があるのか、っていうことをまず見ていくんですよね。自分たちのチャネルの競争力って何かっていうと、やっぱりディストリビューターの競争力が非常に大きく関わってくるんですよ。そうすると、ディストリビューターを比べた時に、その競争力はどうなのかっていうことを見ていく。これは、もっというと、例えば、具体的な例で話したほうが分かりやすいと思うんだけど。強豪のA社とB社は、5社も6社もディストリビューターをベトナムで使ってますと。一方で、自分たちはベトナムでは2社しか使ってませんみたいな。北と南に1社ずつみたいなね。この時点で、数で負けてるじゃないですか。数で負けてても、質で勝ってたらいいんじゃないかって話になってくるんで、今度、質見ていくわけですよね。そもそも、ディストリビューターの保有しているアカウント数、つまりは間口数、店舗数、小売りの数。その数を数えてみると、かたや、競合のA社とB社は、10万間口とか20万間口あったけども、自分たちは1万5千間口位しかなかったとかね。そうすると、数字で競争力が比較出来るわけじゃないですか。そんなことを見ていくと、10万対1万5千じゃ勝ちようがないですよね。そんなことを見ていくし、特にベトナムなんかでいうと、モダン・トレードって数でいうと、店舗数1000店舗位しかないですよね。その他残り50万店トラディショナル・トレードなんで、いかにこのトラディショナル・トレードに、自分達のディストリビューターが到達してるのかっていうことも見ていかないといけないし。ベトナムなんかだと、ディストリビューターがセールスとデリバリー分けてるんですよ。結局、日本の感覚でいうと、代理店さんて、売ってくれて商品運んでくれるっていう、そういう感覚じゃないですか。けど、向こうのディストリビューターっていうのは、日本でいうヤマトとか佐川の運んでくれるに、毛の生えたセールスがついてるみたいな、そういうレベルだったりするんですよね。そうすると、メーカーがディストリビューターの中にチームを作ったりとか、セールスチーム作ったりとか、メーカー自身がセールスを先導していかないと、なかなか間口数が伸びなかったりっていう問題が潜んでるんです。そういうことを、全部最適化していくっていうことなんですよね。結局、いくらいい商品を持っていても、チャネルが弱かったら、リテールに置かれない、届かない。リテールに置かないし届かなかったら、コンシューマーの手には取られないっていう、そういう話なんですよ。それを、全部最適化していくっていうのが、このグローバル・チャネル構築のご支援。
A:最適化を、具体的にどういうポイントに気を付けてしていくのかっていうのは、少しさわりだけでも教えていただければと思うんですけれども。
森辺:まず、やっぱり、競争力のポイントを見るっていうとこだと思うんですよね。逆算だと思ってて、結局、国によっていろいろ違うんですけど、今、ベトナムの話しましたからベトナムで言うと、MTが1000店舗しかないわけですよね。TTが50万店あるわけじゃないですか。そうすると、ベトナムで売り上げ上げて、利益を出して、シェアをあげるには、絶対的にトラディショナル・トレードの間口を取らないと、勝てないっていう方程式が、これは定説として成り立ってるわけじゃないですか。そうすると、この50万店のTTの何割を取れるのかっていう事が重要で、それを取るためのディストリビューターを、今自分達は持ててるのかっていう、ディストリビューターのTTに対する、アクセスの物理的な数が一つのポイントですよね。もう一つは、このディストリビューターをどうやってTTの間口獲得に走らせるかっていう、メーカー側のマネージメントの体制がどうなってるか。この2個が、すごく重要なポイントになるんですけどもね。こんな事を見ていったりするんですよね。そうすると、だいたい日本企業は、使ってるディストリビューターが、なかなかTTに入り込めるような、ディストリビューターじゃなかったねっていう事が、具体的な数字で証明されて、うわあってなるんですよ。っていうのと、メーカー側としてもやっぱり敵はここまでやってますよと、ディストリビューターに対して。あなた達も、今やってることを、ここのレベルまで上げないと、なかなか新規の間口って取れないですよ、みたいなので、ああっていうことに、だいたいなるっていうのが傾向としては強いですかね。
A:分かりました。じゃあ、今日はお時間がきたんでここまでにしたいと思います。森辺さん、ありがとうございました。
森辺:はい。ありがとうございました。