・こんにちは。ナビゲーターのアズマタダオ(以下A)です。
・こんにちは。森辺一樹(以下 森辺)です。
A:じゃあ、森辺さん。今日はどんな話をしていきましょうか。
森辺:今日は、まずこのpodcast森辺一樹のグローバルマーケティングの音声が、格段に向上したということを、リスナーの皆さんにお伝えしたいと思います。皆さんいかかですか。この音声。実はですね、マイクを変更いたしました。今まで、BGMと我々の声の差が悪くて、聞きにくい。音声を上げたり下げたりしなきゃいけない、日本映画見てるみたいだっていうクレームが結構あったんですけど、これで、いい音声をこれからはお届け出来ると思いますんで、引き続きよろしくお願いいたします。
A:はい。今日はどんな課題で。
森辺:今日は、ディストリビューターの誤解みたいな、お話ができたらいいかなと思っていて。日本の多くの企業さんて、ディストリビューターって代理店じゃないですか。それを、日本の感覚で定義しちゃってるところがあって、それがすごく重要なことで、大きな間違いにつながるみたいなことがあるので、その辺のお話ができたらと思うんですけど。
A:分かりました。今、森辺さんが言われていた、日本側での定義というか、メーカーさんが販売代理店、もしくはディストリビューターの捉え方は、日本ではどういう感じなんですか。
森辺:一般的に日本でディストリビューターっていうと、代理店とか、卸さんとか、問屋さんとか、そういう所がそれにあたると思うんですけど。基本的に、いくらの仕切りで出すかっていうのがあるじゃないですか。その仕切りで出したら、ディストリビューターの業務としては、両者でお約束をした数字を達成する為の全ての業務。それは導入のセールスもそうだし、ルートセールスもそうだし、それから配達みたいなもの。これも当然、配達でヤマト・佐川を使う所もあるんでしょうけど、基本的にディストリビューターの責任においてやっていく。商品に対するフォローアップとか、場合によっては、マーチャンダイジング、切り離したりっていうのはあると思いますけど。基本的には、決めた仕切りで全ての業務をやるっていうのが、日本の場合の定義です。アジア、特にASEANなんかに行くと、ディストリビューターっていうものは、ただ配達をする、いわゆる日本で言うとそれって佐川とか、ヤマトの機能じゃんみたいな人たちもディストリビューターって言われていて、こういうのもいると。それに対して、例えばインポートライセンスを持って、インポートする機能を持ってる人もいれば、インポートして、今度はセールスをする。自社にセールスチームがいる、マーケティングチームがいる、マーチャンダイジングチームがいる、こういうチームを持って、全てフルパッケージでやってくれるディストリビューターもいる。そこを結構、はき違えちゃってる企業さんが多くて、国によってその特性が違ったりするんです。そこは、ディストリビューターと付き合っていく時に、非常に重要な項目になるんです。
A:分かりました。まず、日本でのディストリビューターっていう捉え方と、特にASEANを中心とした海外でのディストリビューターの捉え方を変えたほうがいいっていうようなことですよね。
森辺:そうですね。日本だと、捉え方は一つしかないから、お任せしたら、あとは全部やってくれるっていう話。その感覚で、アジア、ASEANに行くわけです。けど、実はそうじゃなくて、ディストリビューターって言ったって、配達しかできない所に、いくらセールス頑張れって言ったって、そこは配達しか出来ないんですよね。
A:そもそも、その機能を持ってない。
森辺:持ってないですからね。
A:そうすると、大きく分けると、どういうパターンがあるんですか。日本だと、もうひとつのパターンしかないので、日本企業がアジア、もしくはASEAN行っても、そういう目でしか見れないっていうのは、なんとなく日本側の視点じゃないですか。そうすると、アジアのディストリビューター側からすると、どういうタイプのディストリビューターがいると思ってASEANに行ったほうがいいっていうのは、ざっくりになってしまうと思いますけど、森辺さんはそこをどう考えますか。
森辺:基本的には、大きく分けると2パターン。セールス機能を持っているか、持っていないかなんです。ディストリビューターなんで、3PLを活用して配達してたとしても、基本的には、ディストリビューターと呼ばれる人は配達はします。そこに、セールス機能がついているか、いないか。例えば、ベトナムなんかに行くと、ディストリビューターは、商品を配達するのが仕事で、それをセールスする、マーケティングをするっていうことを必要とするんであれば。例えば、新しい新規TTのチャネルの間口を取るとかっていう業務をやらせる場合は、メーカーの負担で、セールスの人達を雇って、その人達が専門チームを作ってやるっていうのが一般的になってるわけです。セールス機能を持ってるディストリビューターなんて、数えるほどしかない、ほんとに大手の大きな所しかないです。なので、ベトナムだったらそうだし。フィリピンなんか行くと、優秀な所はセールス機能を持ってる。そうすると、セールスまで含めてやらせるかっていう事と、単純に配達だけやらせるんだとマージンも変わって来るんですよ。要は、仕切りが変わってくる。そこが大きく違いますよね。
A:なるほど。それを分からずに行くと、一緒くたに全部やってくれるんじゃないかって行ってしまうと、話がかみ合わなくなってしまうってことですよね。
森辺:そうそうそう。例えば、現地に拠点がなくて、日本にしかない。とりあえず、輸出でやりたいっていうメーカーさんだったら、絶対にセールス機能とかフルパッケージで持ってるようなディストリビューター選ばないと、まず、日本からエクスポートするじゃないですか、メーカーが。それをインポートする為に、ディストリビューターはインポート・ライセンスを持ってないといけないですよねって話しましたよね。そのインポート・ライセンスを持ってないと輸入できない。今度、その製品を向こうでセールスしないといけないので、セールスをする部隊がどういるのかっていうところが、非常に重要になってきて、当然マーチャンダイジングどうしようとか、プロモーションどうしましょうみたいなことまで関わってきて、商品を小口配送していくっていう、こういう機能になってるわけなので、そこまで整ったディストリビューターを選ばないと、前に進まないわけです。一方で、現地法人があれば、現地法人でセールスもやるし、現地法人でマーケティング・プランも考えるし、現地法人でMTとの直接口座も開くと。ディストリビューターに期待してるのは配達です。TTに対するディストリビューションですということであれば、そういう所を選べばいいわけです。そうすると、配達だけやらせるんだったら8%とか、安ければ6%とか、物にもよりますけど。高くても10%、12%みたいな話しで済むわけです。でも、そうじゃなければプラスオンのマージンを出していかなきゃいけないので、そんなところが大きく変わってきますよということです。
A:分かりました。そうしたら、森辺さん。今日は、お時間がきたのでここまでにして、また次回も、少し詳しくお聞かせいただければと思います。森辺さん、ありがとうございました。
森辺:はい。ありがとうございました。