(1:05)
東:こんにちは。ナビゲーターの東忠雄です。
(1:07)
森辺:こんにちは。森辺一樹です。
(1:09)
東:じゃあ、森辺さん、今日はどういう話題でいきましょう。
(1:15)
森辺:今日はですね、最近お客さんからね、「いやあ…もうホントに時間にルーズで困ると。アジアの人は」っていうお話を聞いて「当たり前ですよ。それを想定範囲内で動かないと、アジアで1日5アポは無理ですよ」みたいなね。さらに加えて、交通渋滞があるわけだから、そんなような話をしてたんだけど。「時間に対する考え方」みたいなものを、グローバルで見ていく話とかはどうですか?
(1:57)
東:じゃあ具体的に、その「時間」ということで。
(2:05)
森辺:時間に対する考え方なんだけど、決められた時間できっちり物事を進めるという意味では、アジアなんか実はまだいい方で、想定範囲内で、アフリカとかって言ったらすごいのね。1時間遅れるとか2時間遅れるとかじゃなくて、1日遅れるとか2日遅れるとか「いやいや、それ、アポの日にち違ってるじゃん」みたいなね、それぐらいすごい国もあって。それって、悪気はないんだよね。相手の文化がやっぱり背景にあって、そこをすごく理解をしていかないと、日本とおなじようなやり方で進めていっても難しい。で、アフリカが一番その時間に対する考え方が、日本人的に言うと、いい加減っていうところにあるとすると、やっぱり時間というものの価値を最も重要視するのは、アメリカとかG7に入るような国、エクセプトロシアみたいなね。フランスとか、イギリスとか、ドイツとか、そういう国になりますけど、日本はそこに位置してて。アフリカで、空港で、おみやげあるじゃないですか。おみやげ屋さんで買って、これから飛行機に乗らなきゃいけないという時に、長蛇の列が出てて、羽田とか成田と比べてもらったら、わかると思うんだけど、その長蛇の列ができるっていうことに対して、飛行機に乗り遅れる人がいると。それは大変問題であると。なので、その空港の店舗側が店のレーンを増やしたりとか、行列ができても手際よくレジができるように、いろんな工夫をするわけだよね。長蛇の列ができていても、驚異的なスピードでレジを片付けていくと。そして、お客様が遅れないように飛行機に乗ってもらう、ということになってるじゃない。それでも俺ら「おお、スゴイな。こんな列かよ。」ってなっちゃうわけだよね。でも一方でアフリカなんか行くと、レジ打ってる女の子が踊ってんのね。陽気な気分なんだろうね。隣のレジの女の子としゃべって、全然進まないと。白人もいればアジア人もいるし、日本人もいるんだけど、みんなイライラしてるわけ。なんだけど、それ、おかまいなしに踊っちゃってるみたいな。踊りながらレジ打ってるみたいなね。それを見た時に、アジアに比べたらまあマシで、彼女たちは彼女たちの体を流れている時間の感覚が、もう、根っからそうだから「早くしなきゃ」っていう思考が生まれないんですよ、脳みその中から。だから、それっていくら言っても、かわいそうなんだよね。悪気はないんですよ、結局。悪気がない中、そうなってしまっていて、じゃあそれを加味して、アフリカ人とどうビジネスをするのか、アジア人とどうビジネスをするのか、っていう話になるので。でもそれって徐々に近代化していくと、進化していって、東ちゃんも15年くらい前の中国を覚えていると思うんだけど、基本、めちゃめちゃ時間守らないでしょ?
(5:56)
東:まあ、そうですね。
(5:57)
森辺:でも今、上海や北京の企業とアポイントメント取ったら、ビシッと時間どおりに時間守ると。だからそういう意味で、想定範囲内の出来事として、とらえていくしかなくて、決して不誠実なわけでもないし、決して軽視しているわけでもないと。ただ、体にそう刷り込まれているというかですね。なんかそんなことを理解していく必要があるなと。
(6:36)
東:そうすると日本は、どんな感じなんですか?逆に、今って、日本から海外を見た、グローバルを見た視点だと思うんですけど、グローバルの人たちが、日本の人たちを見た視点だと、それって森辺さんはどう感じますか?
(6:56)
森辺:基本的に、キチキチしてるなと。なんなら僕たちは、おそらくお客さんが来る15分前くらいにはスタンバるよね。出迎えます、というのが、私たちの一般常識というか、そういう話なので、彼らからしたら典型的な日本人だな、という話だと思うんだよね。すべての物事が時間どおりに行くことがいいって、そもそも思ってないですよ。疲れたらちょっと休憩するから、時間は遅れるとか。だからしっかり管理していかないと工場なんかで、月産の生産の台数が固まらないとかっていうのはまさにそうで、基本それがデフォルトでオッケーみたいな。だから生産効率が悪い国っていっぱいあるわけじゃないですか。彼らの普通なんだよね。日本がきっちりし過ぎてるっていうのもあるし。だから1日に5個アポを入れる時とかって、基本的にはこのアポが駄目になった時に、ずれた時に、すぐ次のアポに行けるように、近場近場で、集中して取ったりとか。次のアポがあって「何時から何時までしか時間がないから、必ずその時間でお願いしますね」っていうことを明確に言う。それ言わずに、3時で待ち合わせているから3時にいるだろうと思ったら、そうじゃなかったりするケースがある。だから私は、「3時から4時しか時間がとれない。必ず3時から4時でお願いします。」ということを言っておかないと「ま、4時でもいいかな。」みたいな話になることは、往々にしてあるよね。
(9:01)
東:それが日本人からすると、やっぱストレスになる、みたいな話になんですかね。
(9:07)
森辺:このストレスがあるから、海外のビジネスって業務効率が落ちたりするんですよね。でも1回スイッチ切っちゃって、そういう奴らだと。それを想定したうえで付き合うと、意外にいい。ただ日本に帰ってくると、そのスイッチで、日本で仕事したら嫌われるよね。なので、僕がすごく意識してるのは、スイッチの切り替え。その国に行ったら、スイッチを切り替える。いったん日本のスイッチをカチャっと切って、その国のスイッチを入れ直すっていうことをして、また成田や羽田に着いたときには、スイッチを入れ直すということを意識的にやらないと駄目だし。あと、グローバルビジネスをするうえでは、グローバルって十把一絡げにはできないので、各国の文化をメチャメチャ勉強してるわけですよ。そのうえでビジネスの勉強をするので、文化をちゃんと学んでおくっていうのはコミュニケーションとるうえでも、すごく重要だし、仲良くなれないしね。なので、そんなふうにしていくと、たぶんストレスがだいぶマシになるんじゃないかな、というふうには思います。
(10:31)
東:わかりました。今日はちょっとここまでに。お時間がきてしまったので、ここまでにしたいと思います。森辺さんありがとうございました。
(10:38)
森辺:ありがとうございました。