東忠男(以下、東):こんにちは、ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは、森辺一樹です。
東:前回に引き続き、久々に大石先生とコラボというか、セミナーというか、講演会をやられたようなので、それのレビューというかお知らせだったんですけど、前回大石先生の講演で、人材育成がカギっていうのは中小企業だけじゃなくて大企業も一つカギというか、日本企業はあまりそこができてない企業が多いように思えるんですけど、その辺って森辺さん、グローバル化における人材育成って、どう考えていますか。
森辺:遅れてますよね。グローバル人材育成って難しいんですけど。
東:大石先生はどんなことを仰ってたんですか?
森辺:時間の関係もあって、グローバル人材育成どうしろっていうことを言ってはいないんですよね。ただ、人材育成が必要だということを言っていて。グローバル人材の定義もまだ、日本ってふやふやしてるじゃない。だからそういう意味では、まずグローバル人材ってどういう人材なの?みたいな話にもなるし。仮にその定義が決まったとしても、多分グローバル人材って今日明日でできる話じゃないんですよね。四半世紀とかの時間の中で、徐々に上がっていくっていうことだと思うので、今やっても四半世紀後っていう話だから。でもやらないといけないっていうね。
東:即効性は無いと。
森辺:そうですね。だからそれを早めるために、外部の専門家やコンサルを使えっていうことを、大石先生は言ってました。
東:人材育成と最終的なチャネルっていうところって、結構結びついてくるような気もするんですけど…
森辺:だって僕の考えだと、グローバル人材じゃない人がチャネルを選定しようとした時に、まずチャネルの全体像を描けないじゃない?難しいよね。そのチャネルの中のディストリビューターを選定するっていう時も、ディストリビューターの社長さんが言っていることをどう受け止められるかっていうのは凄く重要で、その言葉の真意とかその裏にあるものとかっていうものを見る力って、凄く重要じゃない。
そもそも、日本でそれができてない人が、海外でできるかって絶対できない話なんで。語学がどうこうっていう前の話のことなんだけどね。それもそうだし…難しいね、説明がね。
東:ニュアンス的には、そこは繋がってくる。
森辺:繋がってきますよね。チャネルを描くっていうことも人がやるし、ディストリビューターを選定するっていうことも人がやるし、ディストリビューターをその後管理・育成していくっていうことも人がやることなので、そこがグローバル人材でやれなければ、中々上手く噛み合わないってことですかね。
東:で、1部後半の森辺さんのパートに入ったと思うんですけど、森辺さんはどういう話を今回…
森辺:僕は、『海外の販売事例と海外展開プラン策定に向けた取り組み』。これ公社が決めたタイトルなんですけど。
東:堅苦しいですね。(笑い)
森辺:日本企業の中の新グローバル戦略っていうことで、3つの話をしたんですよ。一つは、作る力から売る力への大転換が起きてますよと。今我々日本企業が、世界で売るっていうところで苦しんでるっていうのは、作る力から売る力への大転換時代を迎えてるからだよと。
そもそも作る力さえあったら、充分潤ってたわけじゃないですか、日本企業は。けど、それが今では作る力プラス売る力が必要になった。その根源を探りましょう、それは何なのかって言ったら、中国企業やアジア企業の台頭なわけです。結局、日本企業じゃなくても、アジアの企業でも作れるようになっちゃったので、競争環境が劇的に変わった。だから、我々は今売る力が必要になって、その大転換期を迎えてるんですよ、っていう話を1部でやりました。
2部で、海外展開に失敗する企業の法則…私が過去15年間で支援してきた会社の、失敗をしてきてる企業は3つの法則があるんです。その法則をお話しをしました。
3部に、じゃあ俺たちどうすればいいの?っていうお話しで、強固な戦略策定への投資ということで、まず明日から今日から一体何やったらいい?何から始めるべきなの?っていう、具体的なToDoの話を3部でさせていただいた。そんな内容です。
東:ここで訴えかけたいこととか、ここだけはちょっと…ダイジェストに大分なるので…
森辺:僕は日本の…中小企業に関わらず、大企業もそうですけれども、作ることはできるわけじゃないですか。そしたら、売る力…つまりはチャネルなんですけど、物作りじゃなくてチャネルへの投資をやっぱりしないといけない。
工場の設備投資、20億30億やるわけじゃないですか。何なら、50億100億やる企業だっているわけですよね。その中で、なぜチャネル作りに1億2億の投資ができないのか。チャネルって販売網ですよ?それをチンタラノウハウ無い中で、ゆっくりやってったら当然敵にやられちゃうわけで。そのチャネル作りに何で投資しないのかな?っていうのは、凄く思うんですよ。
だから、まずマインドセットしましょう。作ることに設備投資するわけなんだから、売ることにもチャネル投資しないとダメと。で、チャネルへの投資なんて、設備投資の10分の1とか100分の1ですよ。だったらやったらいいじゃんっていう。チャネルへ投資する必要があるんだっていう概念チェンジをまずして欲しいっていうのが、まず一個ですよね。
もう一つは、チャネル作りは一旦間違った絵を描いちゃうと、その後3年5年って変えられないんです。間違った設備買っちゃった。明日発注し直して買い換えればいいじゃないですか、設備を。けどチャネルって一回作っちゃったら、間違ったチャネル作っちゃったら新しいものに変えるのに3年かかるわけです。だから、正しいチャネル作りをやりましょうっていう、2つだけ言いたい。
東:分かりました。特に新しく再構築する手間と時間を考えると、無形の物だからそこへ投資するっていうのは難しいかもしれないけど、そこは凄い重要だっていうことですよね。
森辺:設備は物を産むじゃないですか。有形の物を産むじゃないですか。けど、それを設備を使って製品や商品を作っても、売れなかったらお金には変わらないわけですよ。物質としてまだ物としてあって。それをお金に変えるための道具がチャネルなわけじゃないですか。しかも、設備投資の10分の1から100分の1だっていう話なんで、絶対投資するべき。日本企業がダメなのは、マーケティング投資・チャネル投資しないから。
…何で怒ってるんだろう俺は。
東:(笑い)
森辺:怒ってないですけど!
東:熱くなって…
森辺:熱くなってすみません、リスナーの皆さん。そこなんですよ、本当に。だって、凄い良い物持ってるんだもん。惜しいんですよ。その会社欲しいもん僕。そしたら、僕自分でチャネル作って売りたいっていう企業さんいっぱいあるじゃないですか。だから、ぜひチャネルに投資して欲しいなと思います。
東:分かりました。今日はここまでにしたいと思います。森辺さん、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。