東忠男(以下、東):こんにちは、ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは、森辺一樹です。
東:森辺さん、前回・前々回と大石先生とのセミナーの内容を振り返っていただいたんですけども、大石先生と森辺さんを含めて、対談があってその後、質疑応答があったということをお聞きしたんですが、どんな内容の質問があったのかっていうのをここでシェアいただければ、リスナーの中にも同じ悩みを持っている方もいらっしゃるかもしれないので、もしよろしければシェアいただければと思うんですけど。
森辺:一つは、海外展開の取り組みって言うんだけど、中小企業は何から始めりゃいいの?っていうお話しがあったんですよ。具体的に何からやっていいのか分からないと。それを教えてください。
東:それは、どうお答えしたのでしょう?
森辺:いやぁ…優しく言いましたけどね…。でも本当は、何やっていいか分からないって、だったら出るなっていう話なんです。何やったらいいか分からないって、最低限「こんなことが必要なんじゃないか」「こういうことが必要な気がする」っていうのがあると思うんですけど、「何やったらいいか分からないから教えてください」って言われてもね、それこそ大石先生が言う「最低限の勉強をしなさい!」っていうことだと思うんですけど、そう思いましたけど。
そこは僕も大人なんで、優しく「まず3C分析をやってください」っていうお話しをしたんです。何から始めていいか分からないって、分かるんです、仰ってることは。中小企業さんでも大企業でもいいんですけど、やってること一緒じゃないですか。ただ、それをどれだけ濃淡つけてやるかっていう話だと思うんです。
5年で100億やるっていう大企業は、めちゃめちゃお金かけて、めちゃめちゃ深くやりなさい。ただ、5年で5億くらいいったらいいかなというんであれば、ある一定の金額である一定の深さでやったらいい。でもやることって二つだと思ってて、3C分析と4P分析なんです、参入戦略作るのって。
3C分析って凄く重要で、3CのCってカスタマー(Customer)・市場、それからコンペティター(competitor)・競合、カンパニー(company)の自社の、事実を見極めろと。ネットで3C分析って引いてもらったら難しいことギャアギャア書いてあるんですけど、基本的には貴社が戦う土俵を数字で把握するっていうのが3Cのカスタマーだと思ってるんです。
要は、そこに出て本当に儲かるのか、幾ら儲かるんだということを分かる。戦う土俵を知るということですよね。それが無いと目標値も立てれないし、どの国を優先順位を立てて出ればいいかっていうことも分からないじゃないですか。これをまずやる。で、土俵があるっていうことはそこに敵が絶対にいるわけじゃないですか。そうすると、自分達が戦う敵の脅威がどれくらいなのかを把握しないと、出て打ちのめされるでは意味ないわけです。それが2つ目です。
3Cの3つ目のカンパニーっていうのは、その二つの市場と競合の実態の可視化を踏まえて、自社に何が足りてて何が足りてないのかを具体的に把握する。足りてるところを伸ばして、足りてないところを補足するっていうのが3Cなんで、ここまで行くと半分準備は終わると僕は思ってるんです。「そこからやりなさい」という話をしていて。
4P分析も、見てもらったら分かると思うんですけど、よく4P分析をマスターベーションみたいにやる人がいるんですよね。自分達だけで一人称でやるみたいな。プロダクト(product)と、プライス(price)と、プレイス(place)と、プロモーション(promotion)が、競合と比較してどうなのか。劣っているのか勝ってるのかで決まるじゃないですか。市場…ユーザーや消費者がその4Pをどう受け取るのか。それによって良い悪いが決まるので、自分達が良い悪いを決めるんじゃないんです。そうすると、いかに競合と比較するかなわけです。
この3C分析と4P分析とやれば、最低限というか基本的なことは揃うわけです。凄く当たり前のことで失敗するっていうことは無くなるし、どんな大企業だって絶対やってて、失敗している企業っていうのはこの3Cと4Pのどこかに適正じゃないところがあるわけじゃないですか。そこをどれだけ突き詰めれるかっていうのがビジネスなので、基本的にはそれをやってくださいっていう話をコンコンとしたんです。
コンサルや専門を使うのは、この3Cや4Pをいかに客観的にスピーディーにやるかっていうのが凄い重要じゃないですか。自分達の自社のリソースだけでは、時間もかかるしレベルも低いし客観視もできないっていうのを補うためにコンサルタントがいて、「何にも分かんないからコンサルさんお願いします」って言ったら、もうカモネギになるようなもんなんです。なので、「僕達は自分達の事業を3C4P分析したいんだ」と。3Cとは4Pとは何かを分かった上で、専門家にお金を払ってノウハウをもらいなさいっていうお話しを、今日は永遠としてたというところかな。
東:この回答は、大石先生はされていたんですかね?
森辺:してました。
東:大石先生はちなみにどんな…
森辺:大石先生は、チャネルがファーストです。なので、僕で言う4P分析のPのプレイスのところ。当然ながら3Cなんてやって当たり前と。やれてて当たり前でしょと。
東:大石先生から見ると、ということですよね。
森辺:その3Cが終わった人が4Pやるわけじゃないですか。本当に勝負つけるのって4Pです。4Pの中でも、大石先生はプレイスのところって引っかかるんだからと。プレイスのところをやるんだよって。3段階じゃないですか。3C4Pで、4Pの中のプレイス切り出してチャネルっていう。この3つが揃ったら、世界で勝てるわけです。大石先生は「チャネル、チャネル、チャネル」って言ってるわけです。その通りなんですけど、でもまだチャネルに至ってない中小企業さんがたくさんいらっしゃったんで、今日は3C4Pから話しましたけど。
東:他に何か…そこのチャネルっていうところが、森辺さんも大石先生も共通して…
森辺:そうですね。代理店の探し方。これもチャネルですけど、「代理店を探したいんですけどどうしたらいいですか」なんてね。運命じゃないですからね、代理店はね。彼女とか奥さんっていうのは運命かもしれないけど、代理店は運命じゃないから。いかに自分達に合ったところを確率論で、相対比較で、他社と比べながら探していかないといけないじゃないですか。
基本、競合と戦う上で競合より劣った代理店使ってたら、いつまで経っても勝てないわけです。そしたら、競合よりも勝った代理店を掴むのか、もしくは勝った代理店がもう取られちゃって無くて、劣った代理店しかなかったら、その劣った代理店をどうやって成長させるかっていうことしか無いわけで、代理店=共闘優位の源泉になるわけじゃないですか。そうすると、そんなものを出会いで決めてどうするんだっていう。科学的にこうやって絞り込んで行くんだぞっていうお話しと。
後、「紹介して欲しい」みたいな話しがあって。「コネはタダじゃないよ」と。日本ではコネってタダじゃないですか。でも「世界に行ったらコネっていうのはタダじゃないですよ」と。
東:ブローカーがいますしね。
森辺:そんなこと誰もタダじゃやらないです。だって自分の大切なコネなので。そんな話をしたら爆笑してましたね。コネはタダじゃないっていう話をしたら。結構メモってましたね。「コネはタダじゃない。確かに」みたいな。
東:情報とか無形の物が軽視されやすい文化にあるというか、日本ってそういうイメージというか現実があるじゃないですか。そこって森辺さんからするとどう…
森辺:そこがマーケティングの弱さに繋がってて。後、物作りをずっとしてきちゃってて、今まで物作りが全て、物作りが正義の時代がずーっと来たじゃないですか、戦後から。75年経って、パラダイムシフトが起きてて、日本企業だけじゃなくて中国の企業・韓国の企業・台湾の企業でも作れるようになっちゃったから、売る力が必要でマーケティングが必要で、無形のものが必要になってきて価値になってきている時代。このことを理解していないのが我々日本人で、紹介って…ね。人材紹介にお金払うのもまだ抵抗ある人が多いでしょう?まあ僕もなんだけどね(笑い)。「紹介ぐらいしてくれよ」って思うんだけど、僕も紹介しない時はそう思うんだけど。
例えば、タイの某財閥系の会社の社長さんを知ってます。自分よりも上じゃないですか。大分上にいる人で、でも気に入ってもらって仲良くしてる。そうすると、この人に誰を繋げればビジネスが生まれるか、大きくなるか、お金が動くかっていうことを、僕は頭で考えるわけです。そうすると、そんなポンポン連絡取れないんで、しょうもない人を紹介できないわけです。そうすると、こっちもやっぱり選ぶわけです。このコネを一生に使えるとしたら、多分3回ぐらいだと。1回しくじったら、恐らくこのA会長は、森辺さんはしょうもない話を持って来る人だって思っちゃう。そういう意味でも、コネなんてそんなに大きいことになればなるほど、こっちも使う相手を選ぶし、そこでやっぱりお金がどうしてもかかってくるんです。
なので、無形なものに実は価値があるんですけどね。でも分かるんですよ、日本人のその無形なものにお金を出せないっていうね。中小にコンサルティングが定着しないじゃないですか、中々。
東:そういうところも、少なからず…
森辺:影響していると思います。
東:最後に、久々に大石先生と一緒にやられて、どうでしたか?
森辺:大石先生、体調も完全復活して。大石先生ってかっこいいよね。顔がね。
東:体型含めて、
森辺:外人なんだよね。
東:海外の人みたいですよね。サングラスかけてたら、俳優なのかあっち系なのか分からない。
森辺:彫りが深くて、
東:顔ちっちゃいですよね。
森辺:外人みたいでかっこいいなと思ってね。ブルース・ウィルスみたいだよね、何か。
東:そうですね。イメージ的には。
森辺:髪の毛もブルース・ウィルスみたいだけど。先生自分で今日も自虐ネタで言ってましたけどね。「頭がハゲてると…」って言ってましたけど、そういうところもまたお人柄の良い人で。大石先生のグローバルマーケティング研究会、月一回やってますんで、ぜひググってみてください。今2000人ですって、会員。
東:凄いですよね。ぜひ皆さんも、無料なんで足を運んでみてください。じゃあ森辺さん、ちょっと長くなりましたけど、今日はここまでにしたいと思います。森辺さん、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。