森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹でございます。今日も引き続き、先日お話をしていた、弊社のセミナー、3年振りに開催したセミナーで、少し参加してくださった皆さんの受けがよかった内容を、かいつまんでお話をしていきたいなというふうに思います。
前々回が、近代小売がこの3年間、パンデミックの間、どういうふうに変化したかという話をさせてもらって、前回が、じゃあ、伝統小売はこの3年でどういうふうに変化したのかという話をして、今回は、少しASEAN6の小売市場規模、少しマクロな観点で見たときに、ASEANってどれぐらい大きい市場なんだっけというところのお話をちょっとしていきたいなというふうに思います。あと、EC化率は全体でどれぐらいなの?というところもね、結構皆さんね、写真を撮ったり、画面のキャプチャをしたりしていたので、その件についてちょっとお話をしていきたいなというふうに思います。
まずね、マクロで見たときに、ASEAN6の小売市場規模って合計で117.9兆円あるんですよね。約118兆円。日本の小売市場が150.4兆円ぐらいだったと思うので、75%ぐらい、日本を100とした場合にASEAN6で75%ぐらいあって。日本の市場って皆さんもう十分ご存じの通り、皆さんにとって一番重要な市場で、大変大きな市場であると。その75掛けぐらい、75%ぐらいの市場が時差1~2時間のところに存在しているって、これはすごい商圏で、やっぱりASEANって絶対的に獲らないといけない市場。これは、このマクロのデータで見てもね、僕、この時差1~2時間というのはすごい重要で、やっぱり人間って、時差って本当に重要なんですよね、ビジネスをする上で。だから、この時差1~2時間の商圏をどれだけ獲れるかというのは企業にとって本当に重要なので。アメリカ・ヨーロッパとかって行くと、やっぱり日本からうんぬんとかっていう話ではないので、それぞれでもう指揮を取るという話になってくるので、この時差1~2時間だとやっぱり日本を中心にアジアパシフィックを見ていくということだってできるでしょうし、時差1~2時間の商圏の重要性というのを考えると、ASEAN6は非常に大きいよねと。今、最近言われているRCEP協定の15カ国の協定が発効されると、だいたい世界のGDPの30%、3割ぐらいを占める市場が、このASEANとかね、オセアニア、中国を含めた東アジア全体で見えてくるので、非常に大きな市場がそこにあると。ここにはインドは参加していませんから、インドなんかも入れてくると、ちょっと実は少し増えますけども、非常に大きな市場であるというのがお分かりいただけるかなと。
それぞれね、これを見ていくと、ユーロモニターのデータをベースに各国の政府発表データをもとに弊社で推計をしている小売市場規模なので、推計値というふうに考えてもらったらと思いますけど、シンガポールが5.8兆円、マレーシアが12.8兆円、タイが15.9兆円、ベトナムが21.3兆円、フィリピンが20.9兆円、インドネシアが41.2兆円で、合計117.9兆円ということで、136円で換算しています。最新の、近々のデータになります。
ちなみにね、じゃあ、この市場規模、小売市場規模の中のEコマースがどれぐらいあるのかということで、前回だったかな、Eコマースの比率をお話したと思うんですけど、金額で言うとASEAN6で17.8兆円規模にもうなっているということで、これはね、Googleと、シンガポールのテマセク・ホールディングスとベイン・アンド・カンパニーが2022年の最新の予測で出しているものなので、それを136円で日本円換算しているので、非常に有益なデータだと思いますけど。それぐらいあるよということで、マクロでね、しっかり市場を捉えてミクロに落とすというのは非常に重要で、このビッグピクチャーが見えてないとなかなか戦略間違ってしまうので、今日は少しマクロの話をしましたけど。この時差1~2時間でこれだけ大きな商圏があるということの大切さをあらためて実感していただければなというふうに思います。
それでは今日はこれぐらいにして、また次回お会いいたしましょう。