森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。前回に引き続き、基準値のお話をしていきたいなというふうに思います。
チャネルのところで、まず競合に勝つための基準値を掴むということはすごく重要だよねというお話をして。ここを先にやってしまう、プロダクトとかプライスというのは、なんとか調整が利くというか、やりようがあるんですよね。各社もう少し実態が分かれば調整ができる問題。ただ、チャネルって一夜にしてそれは出来上がるものではないし、やっぱり数年の時間がかかるものであるということと。他社が絡むケースもあるわけ、ディストリビューターという第三者が絡むケースもあるので、やっぱり生き物的なところがあって、もっとも重要な部分。このチャネルがしっかり生きてこないと、プロモーションをやったって意味がないということになるので、このチャネル、勝つために必要な、もしくは目標達成に必要なチャネルというのはどうあるべきなのかということをしっかり知るということが重要で、敵のチャネルが100だとしたときに、自分たちのチャネルは90なの?80なの?もしくは40なの?30なの?みたいなところをしっかり見ていかないと、いつまでたっても惰性でただやるということになるので、明確にしないといけない。
いろんな企業の販売チャネルを散々見てきましたけども、もうほとんどが非常に脆弱なチャネルなんですよね。その脆弱さに明確に気付けていないというケースが多くて、うまくいかないんです、うまくいかないんですと。商品が、価格が、プロモーションがとかって言うんだけど、いやいや、チャネルですよというケースが本当に多くて。競合のディストリビューターと、自分たちのディストリビューターを比べただけでも、数と質で圧倒的に劣っているじゃないのと。いや、でも、1カ国1ディストリビューター制にしないとみたいな、いやいや、なぜですかと、いや、いろいろ自社内競合がと。エリアで分ければいいじゃないですか。インダストリで分ければいいじゃないですかと。管理がと。いや、管理なんて、そんなに煩雑化しませんよみたいなケースが多かったりとか。でも、現実問題、シェアの高い企業というのは必ず複数社使っていますよとか、必ずこういうレベルのディストリビューターを使っていますよ、1社の例外もないですよみたいなね、そういうことになるわけなんですよね。なので、やっぱりチャネルを可視化して基準値を掴むということはすごく重要で。
じゃあ、何を可視化すればいいの?と、チャネルの。3つあるんですけど、1つがチャネルのストラクチャーの全体像の可視化ということはすごく重要で。チャネルってデザインが非常に重要なんですよね。マーケットに対してどうやって商品をリーチさせるかと、これはまさにチャネルのデザインで決まるんですよね。自分たちの商品が、このユーザーに、B2Bだったらね、B2Cだったらこの小売にってあるわけですよね。そしたら、そこに到達するためのチャネルのストラクチャーをデザインするということがまず絶対的に重要で。多くの日本企業は販売チャネルのデザインが皆無。だから、とにかくいいディストリビューターを見つけて、そこにお任せすればきっといい結果が待っているだろうという、こういう性善説でずっと進んできているので。いや、そうじゃないよねと。自分たちが売りたいターゲットに対して、どうやってリーチをさせるチャネルをつくるんですか、ストラクチャーをつくるんですか、そのデザインをやらずしてチャネルをつくってきているので、まずチャネルストラクチャーを可視化しましょうよと。これは競合と比べたら、明らかに、そもそも水道管が通ってなかったじゃんみたいなね、そもそも水道管が通ってないから、これはお客さんに届かないよねみたいな話が非常に多いですというのがまず1点。
2つ目が、組織体制の可視化なんだけども、自社の販売部隊の組織もそうだけども、ディストリビューターの販売部隊の組織、どういう組織で何をやるかということが成果につながるわけなので、これ、組織が良くても、何をやるかが間違っていたら成果につながらないし、組織が弱かったら、やっぱりどれだけ頑張ったって、その組織でできる最大値というのが変わってくるわけなので、いいディストリビューター、大きなディストリビューターを掴んでも、その大きなディストリビューターの中で3人しかセールスがいないんだとなれば、これはなかなかいい成果にはつながらないし、掛け持ちしかいないんだって、これもなかなかいい成果にはつながらないので、やっぱりどういう組織でやれるんですか、相手はどういう組織なの?と、どういうチャネルストラクチャーで、そこの中でどういう組織が動いているのかという、組織を可視化するということはすごく重要。
今ちょっと言いましたけど、3つ目がマネジメント体制。どういう組織が、どういうふうに管理育成されているの?マネジメントされているの?と。この3つを数値でしっかりと比べる、自分たちのチャネルと、そうすることで自分たちの基準値、自分たちが競合に勝つためにはあとこれぐらいやらないといけないと、こうあるべきなんだという基準値が明確になるので、これを明確にせずまま前に進もうとしてもね、なかなかやっぱり方向が定まらないというか、ふわふわした話になってしまうので、基準値を持つということは大変重要だよねというふうに思っております。
今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。